ホントノキモチ
それは私がネウロイに襲われそうになったルッキーニを助けた事から始まった。
「…シャーリー…その…あの…今日は、ありがとう…」
「んあ?ああ、ネウロイの事? いいよいいよ。別に礼言われるほどの事なんてしてないし」
―私はルッキーニを単なる仲間以上として見ている。それに気付いた時は自分の事なのに動揺しちゃったけど、私がルッキーニを好きなのは間違い無いワケだし。
それに好きになったらそれはしょうがない事だ。
だからルッキーニをネウロイから守ったのだって私にとっては…いや誰だってそうだろうけど、ごく自然の事であって、とりたてて礼を言われるほどの事じゃない。
「それでも嬉しかったんだよ…シャーリーが私を助けてくれたって」
「ハハハ、どうしたんだよ、いつものルッキーニらしくないぞ?」
「……」
よく見るとルッキーニの顔は物凄く真っ赤で、目も有り得ないくらい潤んでいる。
「…ねえ、シャーリーはさ私の事、どう思ってる?」
「どう思ってる、って…まあ良きパートナー、かな」
「パートナー?」
「私の飛行訓練にもいつも付き合ってくれるし、ルッキーニは私を支えてくれているんだよ。ルッキーニなしではシャーリーなしって感じ、かな」
すると、ルッキーニは顔を更に真っ赤にして
「ねえシャーリー。私達さ、パートナーから一線超えた関係になれない…かな…?///」
「え…」
ちょ、ちょっとドキッとしちゃったじゃん。
と、ルッキーニは私に抱きついて来た。
いつものように胸に顔をうずめるようなじゃれ方では無く、そう、それはまさしく“抱擁”という言葉が似合う。そんな感じの抱きつき。
「ルッキーニ…」
ルッキーニは唾をゴクリと飲んで意を決する様に言葉を発した。
「…変だって思わないでね……私ね……シャーリーの事が前からずっと……す…」
と、私はルッキーニの唇に人差し指を置いて…
「シャーリー…?」
「その先を言うのはさ、私の気持ちを聞いてからでも遅くないんじゃない?」
「シャーリーの気持ち…?」
「そ。私の気持ち」
私はルッキーニの頬に手を置いて。
「ルッキーニ…」
「シャーリー…」
「私、ルッキーニと一緒にいると、何でも出来そうな気がするんだ。あの時、音速超えた時だって偶然とは言えルッキーニのおかげではあったし。
だから、さ。私とずっと一緒にいてくれない?」
あ、ルッキーニが涙流してる。泣き顔すら可愛いなあ。
「…そ、それ…告白…だよね…?」
「一応自分的には告白のつもりだけど?……ほら、ルッキーニの気持ち、聞かせてよ」
「……私も…シャーリーの事…好きだよ……!…もうっ…メチャクチャ大好きっ…!」
「ハハハ、やけに情熱的な告白だなあ…ほらほら泣きやめって」
「ぐすっ……ねえシャーリー…これって、両想い…なんだよね?」
「まあ、そういう事になるね」
「シャーリー…」
「ん?」
「…ちゅーしたい」
「する?」
「…うん」
私達はお互いの想いを確認しあうように口付けを交わした。
長い長い口付けの後、どちらかともなく唇を離した。
「…私、幸せ…///」
「…12歳のクセに何を言うか」
「12歳でも幸せなものは幸せなのっ!」
「って事は、次は…」
「次は…?」
「…いや…ルッキーニにはまだ早いな、うん」
「えーっ、何だよーっ!」
「ハハハ、ルッキーニがもうちょっと大きくなったら教えてやるよ!」
「ケチーッ!」
私はやっと手に入れたこの幸せを放したりはしない。
この先、ずっと、ずっとルッキーニを守るから…
~おまけ~
シャーリーとルッキーニの一連の出来事を見ていた芳佳とリーネ
「よ…芳佳ちゃん…あの二人…」
「そういうこと…だよね…?」
「………」
「っ……はぁ…っ…」
芳佳ちゃんの顔が真っ赤になってる。心なしか息も上がってるような…
「…リーネちゃん……私がもしリーネちゃんとキスしたいって言い出したら…どうする…?」
「…え…」
「イヤ…?」
「………イヤ…じゃない……」
「…する?…」
「……する…」
終