無題


その晩、ゲルトはなかなか寝付けなかった。
それは、久々にネウロイのスコアお稼げた事、自分を助けてくれた新人の少女の
成長が喜ばしかった事
そして何よりミーナが過去を吹っ切る事が出来たからだ。
扶桑の船を見送る時の彼女の麗しい歌声と姿が、未だに頭から離れなかった。
その反面、彼女の身を包んでいたあのドレスを送っていた男子に対して多少嫉妬
している。
もう何年も前の話だし、今の恋人は私だ、と自分に言い聞かせてもこの情けない
感情は消えない。
三度目の寝返りを打った所で、扉がノックされた。
反射的に直ぐ上体を起こして構え、ゆっくりと開く扉を睨み付ける。
時刻は深夜。
こんな時間にゲルトルートの部屋を訪れるのは、ミーナ位しかいないのに一体誰
が!!
と緊張で身を強ばらせ、入ってくる相手を睨み付けると
――――ミーナだった。しかもあの深紅のドレスを纏ったままである。

いや、確かに夜私の部屋に来るとしたらミーナくらいしかいないけど、でも今日
は色々有って疲れていただろうし、
正直もう寝ていると思ってたし、って言うか何で彼女はドレスのまま?
しかも、然り気無く拳銃持っていらっしゃるし、私何かやったけ~、うわ、心当
たりが有りすぎ(ry
とパニックになりかけたゲルトだったがミーナの頬に涙が伝っているのが見えて
一瞬で頭が醒めた。

「ミーナ、何があった?」
私の質問に彼女は答えなかったが、多分想像通りだと思う。
「坂本少佐の事―――か。」
彼女の名を出すと、堪えていたものが一気に溢れてきたのだろう。
ミーナは嗚咽をもらし始めた。
私は裸のままゆっくりと近づいていき、抱き締めた。
細くて、柔らかくて、そして小さい。
この身体で彼女はウィッチーズの全てを背負っているんだ。
そんな彼女を、これ以上、泣かせたくない。
「ミーナ、泣かないで」
そう言って私は彼女に口付ける。
上唇を啄み、次に下唇を。
そして上唇と下唇を同時に舌で舐め上げながらゆっくり吸う。
・・・美味い。
でもやっぱり簡単には泣き止められない。時々唇から彼女の息と泣き声が溢れて
くる。
じゃあ逸その事、泣き声の代わりに鳴き声を上げさせよう。
右手を後頭部に回し、左手を頬にあてさせて逃げれないように固定する。
そして、ミーナの唇を食べた。
遠慮なく舌を彼女の口腔内に滑り込ませる。
歯は閉じられていたが、一本一本丹念に舐めしゃぶりながら歯茎を刺激するとゆ
っくりと私の舌を受け入れてくれた。
彼女の舌を見つけ直ぐ様絡める。
吸い上げながら甘噛みをして、唾液をすすり上げる。
丹念に唇を味わいながら、後頭部に回していた手でうなじを、頬にあてた手で耳
を刺激する。
そうすると、彼女の身体がふるふると震えながら甘い悲鳴が上がった。
「・・んっ・・・・んふぅ・・・ふぁ・・」
チュバチュバと少々下品な音を立ててしまっているが、そんなことを気にしていられない。
嗚咽はとっくに止まっているのに気が付いていたが
―――十二分に彼女の唇を堪能させてもらった。

息苦しさを覚えてキスを一旦止める頃には、ミーナは私にもたれ掛かってくる状
態だった。
お互い息も荒く、私の熱が移ったのかミーナの身体も熱くなっている。
「ミーナ・・・大丈夫か?」
「・・あっ・・・・はぁ、トゥルー、デ・・・あっ」
ミーナは私にしがみついて何とか立とうとする。
一方、私は首筋に頭を埋めて彼女の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、ドレス
を脱がせてベッドに押し倒す。
・・・やはり彼から送られたドレスを纏ったまま抱くのは気が引ける。
昔の話だからといっても、嫉妬するものはする。
するんだ。
だけど、きっと今一番苦しいのは、ミーナだから。
私のちっぽけな感情はどこかに置いて

今夜は思いっきり
優しく
今だけは忘れるように
何も考えられないように

私が愛し尽くしたい。


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