MISTAKE ECSTASY


私は今、非常に混乱している。
私としては何があっても出来るだけ混乱しない腹積もりは持っているつもりだ。
それは軍人としては至極当たり前の事だ。

しかし今のこの状況は混乱せざるを得ない。

……何故、宮藤が私の隣で、しかも全裸で寝ているんだ…?


―――MISTAKE ECSTASY―――


いやいや、昨晩の出来事をなるべく鮮明に思い出すんだ。


確か昨晩私は宮藤をお茶に誘った。私達は普通に楽しくお茶を飲んでいた。
…ところが私の飲んでいたお茶には微量のアルコールが含まれていた。
酔っ払った私は宮藤を押し倒し、そのまま事に及んだ…


こ れ は ま ず い


何がまずいってこの事がミーナに知れたら多分私は半殺しじゃ済まないだろう。
それに確か宮藤はリーネと付き合っていた筈だ。この事がリーネにバレてもどっちみち私の命は無いと思われる。

うう…どおりで頭が少しガンガンするわけだ…


…どうする…ゲルトルート・バルクホルン最大のピンチだ…

「んんっ…おはようございます…バルクホルンさん…」
「みっ…宮藤っ…!…ああ、おはよう…」
「…あっ…あのバルクホルンさん…」
「なんだ、宮藤」
「昨晩のアレ…どういう事だったんですか…?///」
「あっ…アレはっ…」
「…バルクホルンさんが私の事、好きだって、本当だったんですね…」
「なっ…なんでそうなるっ…?」
「…だってバルクホルンさん、譫言の様に好きだ、愛してる、って…」
「………スマン、宮藤にはリーネがいると分かっておきながら…酔っていたとは言え、非常に軽率な行動だった…」
「バルクホルンさん…」
「スマン、本当にスマン…!!」
「あっ…いや、別にそれに関しては怒ってませんから…それより…」
「それより…?」
「バルクホルンさんとのエッチ…意外と気持ち良かった…です///」

…ヤバい。これは間違いがもう一度起こりそうだ。スマン、ミーナ、リーネ。
私は…

「宮藤…そんなに良かったのか…?…それならば、もう一度、もう一度だけしよう」
「バルクホルンさん…///」
「なぁに、ミーナとリーネにバレなければどうと言う事は無い」

…私は今、非常に私らしくない事を口走っている。…だが、今は宮藤が欲しい。
嗚呼、私もただの人間だ。欲望には忠実だ。これが人道に背く事だと知っていても、目の前の欲には勝てない…。

そして、私達は再び、ベッドの上で重なり合った。

「ハァッ…宮藤…っ…可愛い…可愛いぞ…宮藤…大好きっ…だっ…」
「バルクッ…ホルンさんっ…ああっ…んんっ…バルクホルン…さんっ…」
「もっと…もっと声を聞かせてくれっ…宮藤っ…!私の為に鳴いてくれ…っ…!」
「ああっ…バルク…ホルンさんっ…激しすぎっ…ですっ…バルクッ…ホルンさんっ…ハァッ…ハァッ…」

…数分後

私達は手を固く握り合っていた。

「宮藤…やはり…お前は…可愛いな…」
「バルクホルンさんも…キレイです…」
「…しかし、こんな所をミーナに見られでもしたら…私は間違いなく殺されるな…」
「私も…リーネちゃん、ただでさえ嫉妬深いから…これがバレたら多分しばらく口利いて貰えないかもしれないです…」
「いいか、宮藤。これは私達だけの秘密だ。分かってるかもしれないが、他言無用だぞ」
「分かってます…。…バレないように、頑張ってみます…」

そうして私達は先程よりも更に固く手を握り合った。


しかし、この後、私達にはそれぞれの地獄が待っている事なんて私達は、まだ知らない。




続く


続き(芳佳編):0044
続き(トゥルーデ編):0046


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