リーネVSバルクホルン


いつもの静かな朝。一日は朝ご飯から始まる。

「芳佳ちゃん、あーん♪」
「宮藤、口を開けろ。私が食べさせてやる」
「…え、えーと…」

私の隣に座るリーネちゃんとバルクホルンさんが間に私を挟んで火花を散らしている。

「…バルクホルンさん、芳佳ちゃんには私がいますから」
「いやいや、宮藤には私が必要だろう。なあ、宮藤」
「あの…いや、私一人で食べられますから…」

すると、リーネちゃんは椅子から立ち上がって。

「ダメですっ!芳佳ちゃんにあーんするのは、私なんですっ!」

それに負けじとバルクホルンさんも椅子から立ち上がった。

「妹の世話を焼くのは姉の務めだ!妹にあーんするのは私の夢だ!」


……妹……?

「芳佳ちゃんはバルクホルンさんの妹じゃありません!芳佳ちゃんは私の大親友で、私の将来のお嫁さんなんです!」

…ちょ…リーネちゃん……?

「そうか…そんなに宮藤と結婚したいなら…姉の私を倒してからにするんだな!」
「…分かりました…!」

ガチャッ

ちょっ…リーネちゃんっ…なんでここにボーイズMk.I対装甲ライフルを持ってきてるの!?

「…良い覚悟だ」

バルクホルンさんもニヤニヤしながらMG42をリーネちゃんに向けないで!

これはマズい…!

「ちょっと、二人とも止めて!」
「芳佳ちゃん…」
「宮藤…」
「私の為に銃まで持ち出してケンカするなんておかしいよ!」

ああ、ドラマのヒロインってこんな気分なんだなぁ(ちょっと違うけど)…。

「…そうだね…芳佳ちゃんの言うとおりだよね…」
「すまなかった、宮藤…」
「分かってくれたんだね…」

良かった…。やっぱり言葉って大事だよね、うん…。

「というわけで、芳佳ちゃん、あーん♪」
「へ?」
「ほら、宮藤、私の分も食べさせてあげるぞ」
「あ…あの…?」
「バルクホルンさんが芳佳ちゃんのお姉さんなら、私は芳佳ちゃんのお嫁さんだから。あーんする権利は私にあるよね?」
「いやいや、嫁より近しい関係はやはり姉だろう。ここは私が宮藤に…」
「私が芳佳ちゃんにあーんするんです!」
「いや、私だ!」

ちょっと二人とも、またケンカっ…!?
っていうか構えた銃何気に変えてるし!

「覚悟しろ!リーネェェェェェェ!!!」
「容赦しません!愛の為に行きますっ!!!」
「ちょっ…二人とも止めてぇぇぇぇぇ!!!!」



…こうして、今日も静かな朝は過ぎて行く…。



END


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