乙女 Go A Head!


今日は芳佳ちゃんとお出かけ。
手を繋いで仲良く街へ。
天気も良くて、世界で一番大好きな芳佳ちゃんと一緒にいられるなんて、私は、幸せだ。

特に何か用があるという訳じゃない。私は芳佳ちゃんと一緒にいれさえいれば、それで良いのだ。

「リーネちゃん、顔、ニヤニヤしてるよ」
「へっ…?///」

あまりにも嬉しくてどうやら顔に出ていたようで、芳佳ちゃんに指摘された。
恥ずかしいけど、それすら嬉しい。

「芳佳ちゃん、映画見よう」
「うん、いいよ。何見る?」
「今の時間やってるのは…」
「…恋愛映画…だけだね…///」
「…ど、どうする?芳佳ちゃん」
「せっかくだから見ようよ!リーネちゃんが一緒ならどこでも良いよ♪」
「よ、芳佳ちゃん…///」

私達は早速チケットを買って劇場に入ると…

「…み、見事にカップルばかりだね…///」

すると、芳佳ちゃんは私の腕にくっついて来た。

「よよよよ芳佳ちゃん…!!///
い、いきなりなにっ!?」
「……いや、私達も、その、一応恋人同士だし…これくらいした方が良いのかなって…///」

芳佳ちゃんは頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに呟いた。

かっ、かっ、可愛すぎるっ…!!
もう今すぐこの場で押し倒したい所だけど、そういうワケにも行かない。
ここは我慢だよ我慢っ…!!

「そ、そうだね…!…ほ、ほら、始まるみたいだよ」

映画が始まる。暗いからよく分からないけれど、芳佳ちゃんは映画に夢中の様だ。
登場人物に自分を重ねているのだろうか。
すると、握っていた手の力が強くなる。

たったそれだけの事なのに、私の胸の鼓動が速くなる。もう映画なんか頭に入らない。

映画が終わる。

「芳佳ちゃん、夢中で観てたね」
「えっ…あの…キャラクターに、私とリーネちゃんを重ねてただけで…その…あの…//////」」

あああああっ!!!!
芳佳ちゃん今、私の心を撃ち抜いた!
もうダメ!芳佳ちゃん私を殺す気なのね!?
イイ!私、芳佳ちゃんになら殺されてもイイ!

と、私がトリップしていると、芳佳ちゃんの声が私を現実世界へと呼び戻してくれた。

「だ、大丈夫?リーネちゃん」
「はっ…よ、芳佳ちゃん、ご、ごめんなさい…」
「あっ、よだれが出てる。ちょっと待ってて、今拭いてあげるね」

よだれ? >ああ、トリップし過ぎて口元も緩んでいたんだ。ちょっと恥ずかしいけど、芳佳ちゃんが拭いてくれるなら…//////

そして私達はまた歩き出した。

せっかくのデートだから、なにか記念に芳佳ちゃんに買ってあげたい。
でもあまり高いものは買えない。

そう悩みながら歩いていると、目の前に良い感じの小物屋さんが。

…よし!


「ねえ、芳佳ちゃん、ここに入ろう!」
「うん!」

店内には可愛いアクセサリーがたくさんあった。
このくらいの値段なら…買えるよね…?

「芳佳ちゃん、このイヤリング、買ってあげるよ」
「えっ…悪いよ、そんなっ…」

謙遜する芳佳ちゃんメチャクチャ可愛い。可愛すぎる。

「良いんだよ。今日の記念だから」
「…じゃあ、私もリーネちゃんにこのイヤリング買ってあげる!」
「えっ…いや、私は良いよ、芳佳ちゃんだけで…」

…はっ、ちょっと待ってリネット・ビショップ。
芳佳ちゃんにこのイヤリングを買って貰えば、お揃いになるよね?

お揃い→恋人同士→スゴいラブラブ

「…じゃあ、お言葉に甘えようかな…//////」


「ありがとうございましたー」

「買っちゃったね…///」
「ね…///」
「せっかくだから、付けてみようか?」
「うん!」

私達は互いにイヤリングを付け合った。

「わー、芳佳ちゃん似合うよー!」
「リーネちゃんも物凄く似合ってるよ!」「芳佳ちゃんの方が私の数倍似合ってるよ!」
「いやいや、リーネちゃんの方が、私より似合ってるって!」

私達のどっちがイヤリングが似合ってるか議論していたら、いつの間にか、陽が沈みかけていた。

「…帰ろうか、芳佳ちゃん///」
「…うん、リーネちゃん///」

帰りもしっかりと手を繋いで。
今日は結局、キスもなにも出来なかったけど、私はそれでも満足なんだ。

隣に芳佳ちゃんがいれば、他には何もいらない。

そう心の中で呟く私の横には、私と同じイヤリングを付けた芳佳ちゃんが、嬉しそうにしていた。

大好きだよ、芳佳ちゃん。




END


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