シャッキーニ的サバイバル日記
「…お腹すいた…」
「…我慢するんだ…ルッキーニ…」
どうも、シャーロット・E・イェーガーです。
突然ですが、私達は今、無人島にいます。
原因は、私です。
――シャッキーニ的サバイバル日記―――
《経過》
「シャッ…シャーリー…ッ…ちょっと速すぎっ…!!」
「何言ってんだよ、ルッキーニ!このくらいの速さについて行かなきゃ私のパートナーは務まらないぞー?
ほら、もっと音速の彼方(ピリオド)へ―――――――――!!!!」
「…ちょっ…シャーリー…!!」
…超高速で飛ぶという事は、それだけ魔力を消費するのも早いワケで。
案の定魔力をすぐ失った私とルッキーニは、どこかの島へと墜落した。
それと同時にストライカーユニットも故障してしまった。
ピー…ガガッ…ピーッ…
「あーダメだ。通信も出来ないや」
「もう!シャーリーのせいだよ!シャーリーが調子に乗りすぎたんだよ!バカシャーリー!」
「いや…ついつい速さに酔っちゃうと、何もかも忘れちゃうんだよね…」
「…私達、助けが来るまでここにいなきゃいけないんだね…」
「…まあ、そういう事になるな」
「………はあ」
「……」
「……」
「ああもう、腐っててもしょうがない!ルッキーニ、ついてきて!」
「どこ行くの?」
「果物を採りに行くんだよ。まずは食いもんだよ食いもん」
「…そだね」
私達は手を繋いで、ジャングルの奥深くへ。
なんか見たことも無い植物がいっぱい生えてる。ルッキーニは今にも泣き出しそうだったけど、私はそんなルッキーニの手を強く握ってやる。
まあ、その後、ルッキーニが蛇を踏んだりして、そんな苦労の末、果物は採れたものの、数は少ない。
多分二日分と無いだろう。
「…少ないね」
「い…いや大丈夫、これを小さく分ければ一週間は保つだろ…じゃあ食うか」
「「いただきます」」
「「ごちそうさまでした」」
…多分人生のうちで一番早く終わった晩ご飯だろう。
「…お腹すいた…」
「…我慢するんだ…ルッキーニ…」
「……」
「…寝るか」
空腹を紛らわすには寝るのが一番、と誰かが言っていた。なのでそれに倣って私達は早めに就寝する事にした。
当然と言えば当然なのだが、毛布は無いしベッドも無い。
なにぶん、夜の海は寒い。
私達は身を寄せ合う事にした。
「ルッキーニ、こっち来い」
「…シャーリー、暖かい…」
「これで寝られるか?」
「…なんとか。…おやすみ、シャーリー」
「おやすみ、ルッキーニ」
こうして、私達は眠りに就いた。
…これからどうなる事やら。
《三日目》
「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私は木で作った槍で魚を穫っていた。
人間とは恐ろしいもので、三日もすれば、その環境に適応してしまうものらしい。
傍らでは、ルッキーニが火を起こしている。
……なんだか、夫婦みたいだな……。
「魚穫れた?シャーリー」
「ああ!大量だよ!!」
「凄い!じゃあ早く焼いて食べよう!」
火を囲んでルッキーニが話を始める。
「…なんか私達、ここに適応しちゃったね」
「ああ…人間やれば出来るもんだな…」
「……ねえシャーリー、ここ、誰もいないんだよね…?」
「まあ、だから無人島なんだよな」
「……………私、シャーリーとえっちしたい」
「……………何言ってんだよ、ルッキーニ……頭まで野生化したのか?」
「…私は正常だよ、シャーリー。ここ数日のシャーリーを見てて、私、シャーリーになら抱かれたいって思うようになっちゃったんだ」
「……私は別に良いよ。…でも後々ルッキーニが後悔しないって言う約束が出来なきゃ私はルッキーニを抱けない」
「…後悔…しない…よ…//////」
…目が潤んでいる。…こりゃ本物だ。
…しょうがない。…ここで抱かなきゃ私は死ぬまでルッキーニに恨まれるだろう。
覚悟して、私はルッキーニの上に乗る。
ルッキーニは期待に顔を赤らめている。
「じゃ、行くよ、ルッキーニ…」
《シャーリー、ルッキーニ捜索隊・坂本美緒、宮藤芳佳
「確かここら辺に飛んでいったハズなんだが…」
「坂本さん、あそこの島、誰かがいますよ!」
「どれどれ……」
「どうでしたか、シャーリーさんとルッキーニちゃんだったんですか?」
「………ああ、二人には違いない。……だが、今は近付かない方が良いな………」
「え………???」
END