Unnamed World


―――私の世界には、名前が無かった。

夢中になれる事もなく、私は毎日を生きていた。

でも、その世界は、貴女と出逢ってから、変わった。

私の世界は、貴女の為にある。

―――Unnamed World―――

「ふぅ…」
「大丈夫?トゥルーデ」
「あ、ああ。大丈夫だ。心配しなくていい」
「そう、あまり心配かけないでね?」
「…すまんな」
「なにかあったら言ってね?
私、貴女の為なら出来るだけ力を貸すから」
「ああ、ありがとう、ミーナ」

―――私の世界には、自分しかいなかった。

あの人一人さえ、守る事さえ出来なかった私の世界は、霧がかかっていた。

私の世界には名前が無かった。
見渡す限り灰色の寂しい世界。

そんな私のモノクロの世界に、光を与えてくれたのは、トゥルーデ、貴女だった。

貴女は私にも優しく接してくれた。

…そして私はいつの間にか貴女に恋をしていた。

恋をすると世界が変わるとよく言うけど、まさにその通りだと思う。

私を優しく呼ぶ声は、私の壊れかけていた世界に、色を取り戻してくれた。
そして、名前を与えてくれた。

夢の中でも良い。一度だけでも良い。
私は私の世界の中で貴女に愛されたい。
誰にも邪魔される事の無い、私、そして貴女の世界の中で。

今、私の本当の世界は始まったばかり。
まだ、貴女の事を深く知れていない。

貴女が与えてくれた私の世界の名前は、

「永遠」。

そして私は今日も貴女の名前を叫ぶ。

私の世界に貴女が来てくれる日まで。

END


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