勝利の賞品


あたしは今危機に直面している。
敵は間近に迫っている、選択は『身を潜めて敵を何とかやり過ごす』
『残りの弾を起死回生に懸ける』冷静に考えれば前者の方が可能性はある、
だが!このシャーロット・E・イェーガー!スピードを追い求めるあたしに
止まることは敗北だ!
あたしは銃を構えると周りを窺った。
カサリと左前方の木の上から微かな枝を擦る音、その木に注意を払いながら
茂みから茂みへと身を低くして移動する。
揺れの位置からすれば次で射程距離に捕らえることが出来る、よし!
一気に走った、木の中に隠れているはずの敵に向けて銃を構えた!
「なっ!い、いない?!」
確かに木の枝の揺れからすればこの位置で間違える筈がない、
だが良く見るとその枝に糸が巻きつけられていた、
「ま、まさか」
と、その時
「背中ががら空きだよ」
背後からの声に銃を構えようとする。
だが遅かった。

ピシュウー!!
あたしに向かって弾が真っ直ぐ飛んでくる。
避けきれない!相手の構えた銃(水鉄砲)はワタシを直撃。
ビシャビシャー
水鉄砲の攻撃を上着部分に攻撃を受けた
つまる、わたしは敗北したのだ。
「へへへ、あたしの勝ちー」
銃(水鉄砲)を構えたルッキーニが勝利の微笑を浮かべた。
「あー、負けたーくそー」
当然こちらは敗者だ、
木の枝が揺れていたのは糸を木に這わせ引っぱっていた訳だ。
そんな簡単な手に引っ掛かるとは情けない・・・
「じゃあ約束ー、負けたほうは?」
「『一日相手の言うことをきく』だろ?じゃ、何をすればいい?」
「うーんとね、まずバイクに乗せて」
「うんいいよ」
「んでね、街に行くの!そして買い物して、お昼食べて映画観て、
公園を二人で歩くの」
ワクワクした眼で要求を語るルッキーニだが、その内容は・・・
「何だ、ルッキーニは“デート”したいのか?」
「ふやっ?そんな事ないよ、ただシャーリーと一緒に
そんな場所行ったこと無いから///」
そうだな、一緒はいるけど基地内ばっかりだもんな
「よし!じゃあ明日はデートだ!」
「で、デートじゃないってばー///」
空は綺麗に澄んで雲ひとつない
「明日はルッキーニとデートだー!」
「シャーリー!///」
明日はいいデート日和になりそうだ。

END


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