シャッター・チャンス


「シャーリー、こっち向いてー」
「ん?」

パシャッ

私はルッキーニのその声に、反射的に笑顔になっていた。


―――シャッター・チャンス―――

「シャーリーのナイス表情いただきー☆」
「カメラか。それどうしたんだ?」
「ミーナ中佐に貸して貰ったんだー」
「いいけど、調子乗りすぎて壊すなよ?」
「大丈夫、大丈夫☆ あっ、そうだ、この写真出来たらシャーリーにあげるよ」
「うん、期待して待ってる」

《数日後

「シャーリーさん、これ」
「ん?何ですかこれ」
「この前、ルッキーニさんがカメラでいろいろ撮り回ってたでしょう?その時、貴女も撮られたのよね?」
「ああ…そんな事もあったような…」
「その時の写真よ。シャーリーさん、とても良い笑顔してるわね」

…うん、写真の中の私は、とても良い笑顔をしている。
でも、それはきっと、ルッキーニに名前を呼ばれたのが嬉しくて自然と笑顔になっただけであって。
ルッキーニ以外の人の前では、多分あんな風に笑わない。

って、私どんだけルッキーニの事が好きなんだよと半ば自分に苦笑しながら、写真を受け取る。

…ハハッ、本当に、良い笑顔だ…。


《シャーリーの部屋

私は隣で寝っ転がりながら漫画を読んでいるルッキーニに、お礼を言う事にした。

「ルッキーニ、あの写真ありがとうな」
「喜んで貰えて、何よりだよー☆
私がシャーリーへの愛を込めて撮った結晶だからねっ☆」

ルッキーニは私に猫のようにじゃれついて来る。これもいつもの事。
でも、今日はそれがやけに愛しくて。

「…ルッキーニ、おでこ、出して」
「にゃ?」

私はルッキーニのおでこに優しくキスをした。

「シャーリー…//////」
「写真のお礼だよ。ルッキーニが愛を込めて写真を撮ってくれたなら、私は愛を込めて、ルッキーニのおでこにキス。なんかコレ良くないか?甘々じゃないか?」
「うにゅ~…//////」

ルッキーニは赤くなったまんま、私の胸に顔を落とす。
そして、私はルッキーニをちょっと力を込めて抱きしめた。

「ルッキーニ、可愛い」
「うにゃ~…シャーリー…反則過ぎ…//////」
「なあ、ルッキーニが撮ってくれたあの写真の笑顔、ルッキーニにしか見せないんだよ?あの笑顔はルッキーニしか見られないんだ。だから、ルッキーニは凄い幸せ者なんだ。感謝して欲しいね」
「…シャーリーのアホ……//////」

私はルッキーニの耳元で囁く。

「ねえ、もう一回私を撮ってよ。もっと良い笑顔見せてあげるよ?」
「うう…////// …これ以上シャーリーの笑顔撮ったら、私死んじゃうよ…///」

私は小さく笑って。

「…大好き、だよ、ルッキーニ」
「…私も、大好き、シャーリー…///」

私達はキスをした。



今度写真を撮る時は、前より良い笑顔で、ルッキーニに微笑みかけるからな。
覚悟しとけ、ルッキーニ?




END


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