無題


ダンボールの中に私は一人夏の夜の下にまるまってました。
なぜ私がここにいるのかすらわからない。誰が生んだのか。
何のために生きているのかすら。そして、どうやって生きていくのかさえ。
ただわかることは、私が芳佳って名前の犬であることと丸まっていれば暖かくて
夜の寒さも耐えられること。あとトイレやその他少々・・・。
もう、このダンボールに入って何日たつのかさえわからない。
最初は心優しい人が拾ってくれると思ったけど、現実はそんなに甘くなかった。
道端に捨ててある私を見て、ただ哀れみをこめて「かわいいね」といい去っていく。
・・・あっまた人達だ。
「わ~。かわいいワンちゃん。ねぇおかぁさん~うちで飼おうよ~」
「だめです!ただでさえ家計厳しいのに犬なんて飼えません!」
「え~、私世話するから~ねぇ~ねぇ~!」
「だめです!さぁいくわよ!」
「ん~・・・じゃぁねぇわんちゃん」
あぁ、また行ってしまった。もう何人目かな・・・。
まぁ、もうどうでもいいんだけど・・・・。何で私が生まれてきてなんで
私はここまで苦しまなくきゃいけないのかな・・・。
(ぐぅ~)
あぁ・・・おなかすいたなぁ・・・もう何日食べてないのかな・・・
そういえば最初はおなかすいて泣いてたなぁ・・・今じゃ泣く気力もないや。
もういっそ死んでいいのかな・・・。いや・・・もう死んでいいだ・・・
どうせ、誰も何もいわないもんね・・・。
(ぐぅ~)
はははっ。またお腹なった・・・。なんだか死のうって思ったらすっごくたのしいや。
ははははは・・・はぁ。そうだ、もう寝よう・・・なんだかとっても眠くなっちゃった。
寝て目が覚めたらどうなってるのかな・・・。どうでもいいか・・・
どうでもいいんだ・・・。もうねよっと・・・考えるのも面倒になってきた・・・。
「ん?おい!大丈夫か!」
「どうしましたの?坂本さん」
「ペリーヌ、この箱の中に子犬が!」
「あらほんと・・・ずいぶんよわってますわね」
「そんな冷静になってる場合じゃない!私達の家に連れて行くぞ!」
「えっ・・・えええええ!?」
「ほら、早くいくぞ!」
「まっまってくださいまし~坂本さ~ん!!」


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