blueberry panic!-ブルーベリー・パニック!
_人人人人人人人人人人人人人人人人_
>ぅ起ぉぉぉきぃぃぃろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!<
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朝っぱらから坂本美緒の怒声が木霊する。
「むー、なんなんだよぉー、まだ寝てたいよぉー。」
「まぁそう言うなルッキーニ、取り敢えずはブリーフィングルームへ行こうじゃないか。」
まず起きたのはシャーリーとルッキーニ。二人でシャーリーの部屋からブリーフィングルームへと向かう。
眠いのか、二人とも目が開いていない。遅くまで二人して起きていたのだ、自業自得とも言えなくはない。
哀れなのはサーニャである。夜間哨戒が終わり、エイラの部屋で一息ついたと思ったらこの騒ぎだ。
「ん・・眠い・・・・。」
一度は起きたものの、そう言うなりまた眠りに落ちてしまったサ-ニャを、エイラは優しく起こし、
身体をいたわりながらブリーフィングルームへと連れていく。
「マッタク、一身体何なんダヨー。」
この騒ぎの中、服やら何やらをいろいろ脱ぎ散らかした部屋でエーリカは熟睡している。
「まさかとは思ったが、やはり寝ていたか。起きろ、ハルトマン!」
心配になって起こしに来たのはトゥルーデ。
「‥‥あ、おはよう、お姉ちゃん。」
「私をお姉ちゃんと呼ぶなぁぁぁぁぁぁ!!」
美緒に勝るとも劣らない声量で叫ぶバルクホルンがそこにあった。
「わたくしは既に起きております、坂本少佐!!」
――あの豆狸に負けて堪るもんですか!!!
と、既に起床してトレーニングをしていたペリーヌは、疾風怒濤の勢いで声の主の元へと駆け出した。
「芳佳ちゃん、起きて!!」
トゥルーデと同じく、目の醒めない芳佳を起こしに来たリネット。
「むにゃ‥‥もぎたておっぱい‥‥」
――ちょっ、芳佳ちゃん、何て夢見て‥ってそんな場合じゃないよ!
「んあ‥今日のリーネちゃん髪下ろしてるんだね‥そっちの方が可愛いよ‥」
――もうっ!!
数分後、ブリーフィングルームにはウィッチ達が集合していた。
「諸君、よく集まってくれた!!今日は諸君らにやってもらいたいものがある!」
坂本は何やら怪しげな円盤と4色の円が1列ずつプリントされたマットを取り出す。
「『ツイスター』だ!」
実に堂々たる態度の美緒。
「芳佳ちゃん、ツイスターってなぁに?」
「ツイスターっていうのは、指示盤の針が指した手足ををシートの色まるに置いてくゲームだよ。」
芳佳はツイスターを知らないらしいリーネにざっくばらんな解説をする。
なんでそんな遊びをしなきゃならないんだ!とでも言いたそうな顔をしている面々をよそに
「人数が人数なので、本日は二班に分かれてやってもらう!!」
美緒はマイペースで話を続ける。
「やってられるか!!そんなこと!!!」
激昂するバルクホルン。だが、美緒の
「やってくれるよな?お姉ちゃん?」
という言葉に挑発されてしまう。
「だから私をお姉ちゃんと呼ぶなぁぁぁぁぁぁ!!!」
「よかろう‥‥なら、参加するというならその件については考えよう。」
「わかった、参加しよう!」
赤子の手を捻るかの如く、あっさりとトゥルーデの参加にこぎつける。
このやりとりを聞いていたリーネは
「私は、バルクホルンさんをお姉ちゃんって呼べなくなるのはいやだなぁ‥」
と呟く。それをしっかりと聞き逃さなかった芳佳は、
――むっ、じゃあ呼ばせない!
「ハイ坂本さん!私達もやります!!」
強引にリーネまで参加させる。
――ハッ、わたくしは何をしているのかしら?!本来ならば坂本少佐の二番機として、真っ先に名乗りを挙げるべきでしたのに!!
‥‥‥あの豆狸イイイイイイイイイイイイイ!!!!
「少佐!わたくしもやりますわ!!」
芳佳に遅れてペリーヌ。
「わっはっは、流石は私の二番機だ!」
美緒から褒められたペリーヌは恥ずかしそうに俯く。
「――だが、有無は言わさん!!貴様らも強制参加だああああああああ!!!」
なんという傍若無人。
「少佐、サーニャは哨戒明けで疲れてるんダ、休ませてやってくれないカ?」
エイラはサーニャの身を案じ、美緒に提案する。そのサーニャは立ったままエイラに寄り掛かって眠りこくっている。
「坂本少佐、あたしとルッキーニも戻りたいんだけど‥」
シャーリーも寝ぼけ眼で美緒に物申す。
しかし美緒はそれを承諾しない。
「駄目だ!それは許さん!!それにこれは柔軟な筋肉を付ける訓練にもなるのだ!!」
「えー、やーだーよー!めんどくさい~。」
それでもやりたがらないルッキーニ達。
そんな彼女たちに美緒は
「暇!」―眼帯に手を掛け、
「なん!!」―魔眼を顕にし、
「だああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」―叫ぶ!
どこか螺子が外れたらしい、一体何があったのか。
皆の心配を余所に美緒は
「では第一グループ!ペリーヌ、バルクホルン、ハルトマン、サーニャ、エイラ、前へ!」
「ああ、ひとつ言い忘れていたが失敗した者には罰ゲームを受けてもらう!」
その言葉で張りつめた空気となり、ウィッチーズに動揺が走る。
「で、その罰ゲームとは一体なんだ?少佐。」
「いい質問だぞ、お姉ちゃん!罰ゲームはこれだ!」
そう言って美緒が取り出したのは――ブルーベリー。
「これを歯が真っ青になるまで食べて貰う、いーや私が食べさせる!そしてお姉ちゃんは失敗したらずっとお姉ちゃんのままだ!!」
「約束が違うぞ!」と言いかけるトゥルーデを遮るように美緒がことを進める。
指示盤のルーレットを回し、出た目に従って指示を出す。
「ハルトマン、左手・黄色!」(「ほいっと。」)
「ペリーヌ、右手・青だ!」(「嗚呼、坂本少佐が私に命令して下さっている‥‥。」)
「お姉ちゃん、右足・黄色!」(「だからお姉ちゃんと呼ぶなと‥。」)
「エイラ、左手・緑!」(「ブルーベリーまみれだけは勘弁ダ」)
「サーニャ、左足・赤!」(「ゔ~、眠い‥」)
―――――数ターン回った現在の状況‥‥‥‥
エイラとサーニャは頭部を起点に直角に交わっている。サーニャがエイラの上にある状態だ。
トゥルーデとハルトマンはある意味で一触即発。
ペリーヌは幸運にも接触はなく一番安全な状態である。
「次、お姉ちゃん!いくぞ!」
――今だ!スマン、サーニャ!!
盤を回す美緒に注意が逸れている間にエイラの攻撃が炸裂する。眼前のサーニャに、頭を交錯させるように口づけをする。
――あっ‥‥
不意を突かれ、サーニャは踏ん張る力を失い崩れ落ちる。
「サーニャ、エイラ失格!!」
――アレ?何でわたしまで?‥‥あ゙。
上にいるサーニャが崩れ落ちた衝撃でエイラまで体勢を崩してしまったようだ。
「ふっふっふぅぅ、さぁ喰え!!喰えええ!!!」
美緒はブルーベリーを掴み、エイラとサーニャに喰わせる。
「ちょ、ちょっ、ゴフッ!!」
「く、苦しい‥」
美緒に無理やりブルーベリーを食べさせられ、色々と汚れてしまった二人はサーニャの
「お風呂、行こっか。」
の一言でその場を離れていった。
――フッ、なるほど。
エイラの攻撃をみていたトゥルーデ。
「お姉ちゃん、左手・青だ!」
青サークルに向かう左手。その途中で近くのハルトマンの腋の下を擽ってやる。
「きゃははははは!お姉ちゃん狡い!!」
「ハルトマン、アウトだ!! ――さぁ喰え!!!」
お姉ちゃんの擽り攻撃に撃沈したエーリカの口に、先程のようにブルーベリーをに突っ込む美緒。
「ふがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
更なる追撃に、ハルトマン、再び撃沈―――
「あら、随分と姑息な手をご使用なさるのね?お姉様?」
「なっ――、クロステルマン中尉、もう一度言ってみろ!」
「姑息だと申し上げたのですよ、お・ね・え・さ・ま?」
「貴様ァァァァァァ!!!」
先程は美緒の挑発に乗ったと思った矢先、今度はペリーヌの挑発に乗るトゥルーデ。
「アウトだ!お姉ちゃん!!」
気付けばお姉ちゃんは立ち上がり、ペリーヌに襲いかかろうとしていた。
しまった、と思うも時すでに遅し。
「本っっ当にお姉ちゃんは単純だなぁ‥‥喰らええい!!!」
ニヤリと笑う美緒の猛攻にバルクホルン―――撃墜。
勝利したのはペリーヌだった。
「よくやったぞペリーヌ!」
「はい!」
頬を赤らめ、嬉しそうなペリーヌ。そんな彼女に美緒は
「よし、褒美だ!!」
美緒はおもむろにブルーベリージュースを取り出し、口移しで飲ませた。
「~~~~~~!!!‥ゴクン」
嬉しさの余り、卒倒してしまった。倒れた彼女を見た芳佳は
「うわ~~、幸せそうな顔してますね~~~~!」
次は自分の番だということも忘れ、実に呑気である。
・・・・・・・・・・
「それでは第二班!シャーリー、ルッキーニ、リーネ、宮藤、前へ!!」
一回目の惨劇を見せられた4人が前へ出る。
「どどどどどどどうしよう芳佳ちゃん?!」
「大丈夫だよ、リーネちゃん!‥‥‥‥多分。」
「言っておくけど、負けてやる気はないからな?」
「あたしだって負けないよー!」
さっきまで寝たい寝たいと言っていたのはどこへいったのか。
「――うむ、そろそろ腹も減ってきた頃だろう。」
これでお開きかという空気が流れる。
「じゃあこれで終わりですね!?」
瞳を輝かせながら希望を見出すリーネ。
しかし、ブルーベリーを無理矢理喰わせ、気持ちが昂っている今の美緒に常識は通じない。
「駄目だ。私に意見するとはいい度胸だなリーネ‥‥お前が失敗したら全身にブルーベリージャムを塗りたくってくれるわ!わーっはっはっはっは!!」
「ひぃっ!」
美緒の体から溢れ出ているのは魔力か闘気か、それとも狂気か。
絶望を与え、快感に打ちひしがれている。
気付けば両目とも魔眼を発現していた。その様相は【鬼に遭っては鬼を斬り、仏に遭っては仏を斬る】、まさに無一物。
実質的な指揮権はもはや美緒のものとなっていた。
「にゃははははー、じゃあ早いとこ始めましょうか‥‥」
あまりの恐怖で珍しく敬語を使うルッキーニ。
「いいだろう、第二班、始めるぞ!!」
3つの死体を部屋の外へ運び出した美緒が高らかに告げる。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
宮藤芳佳は2つの大きな山脈に挟まれていた。リネット・ビショップの胸とシャーロット・E・イェーガーの胸に。
なんと幸せそうな顔をしているのだろう。まるで極楽浄土にでもいるかのようだ。
少し顔を動かすだけで存分に柔らかな胸を堪能できる。
「よ、芳佳ちゃん動かないでぇ!」「顔がニヤついてるぞ、宮藤?」
それに対し、浮かない顔のルッキーニ。
―――むぅぅ、シャーリーのおっぱいはあたしのなのにぃ~~!
ブルーベリーなど既に関係ない、おっぱいをめぐる聖戦の火蓋が切って落とされる。
「芳佳ばっかりズルイ~~~!あたしも~~!!」
ルッキーニはおっぱいに囲まれて幸せ絶頂の芳佳に突撃する。
「シャーリー(のおっぱい)はあたしのなんだからー!!」
「うわぁぁっ!?」 「きゃぁぁっ!!」
ルッキーニの突撃でシャーリーとリーネが声を挙げて崩れ落ちる。
しかし芳佳だけは、笑っていた。ルッキーニの体重、そしてリーネとシャーリーがのしかかってきた事により、
芳佳の顔面ほぼいっぱいにおっぱいが密着する楽園となっていた。
――わッ、まだやってたのカ。
離脱していた第1グループが様子を見にきた。
「もう一回やる?お姉ちゃん?」
「誰がッ!」
先程の軽い仕返しのつもりか、エーリカがトゥルーデをからかう。
ペリーヌは未だ気を失っていたようだったがサーニャの、
「そろそろ逃げよう、アレが始まるよ。」の言葉で先程の惨劇を思い出し、退散することにした。
サーニャの予測は見事だった。
「貴様ら全員失格だぁ~~!!‥‥リーネは全身ブルーベリージャムだったなぁ‥‥‥‥」
身もたじろぐ程の視線をリネットに向ける。
「いや‥‥この際貴様ら全員ブルーベリーまみれになってもらおうかぁ‥‥‥‥」
<<<<いやああああああああああああああああああああああ!!!>>>>
4人の悲鳴とも言える絶叫が基地全体に響いていた。
その夜――――――――――
コン、コン、と扉をノックする音が聞こえる。
こんな時間に誰かしら?と思ったミーナは警戒することもなく
「どうぞ、鍵は開いているわよ。」
と応答する。
入ってきたのは美緒。ミーナは彼女の顔を見るなり、狼狽え始める。
「やぁ、ミーナ。今朝はどうした、心配したぞ?」
優しそうな微笑を浮かべながら、美緒はミーナの元へ歩いて行く。
しかしその目は――――笑っていない。
「ど、どど、どうしたの美緒?こんな時間に。」
平常心を保てず、明らかの動揺の色が見えるミーナ。
「どうしたんだ今朝は?せっかく皆集めたというのに‥‥‥‥」
美緒の瞳は再び両目とも魔眼を発現している。
あまりの恐怖に言葉が出ず、失禁しまいそうになる。
「そうか、ミーナは楽しみは後に取っておくタイプだったなぁ。
よくハルトマンに最後に残しておいたハンバーグを食べられて怒っていたもんなぁ‥‥‥‥」
美緒は持っていた大きな袋から大量のブルーベリーを取り出し、ミーナの口へと押し込む。
突然の出来事にむせ返るミーナ。しかし。今の美緒はミーナが苦しめば苦しむほど悦びを感じている。
「ふごっ、も、もうはいふぁふぁい(もう入らない)!」
口いっぱいにブルーベリーを含みながらのささやかな抵抗――――――だが。
「そうか、口は一杯か。ならもう一つの口に食べて貰おうか‥‥‥‥。」
美緒はそう言い放つなりミーナをベッドに押し倒し、パンツ――もといズボンを脱がしてゆく。
「ふがー!ふがーー!!」
必死に抵抗するも、鬼すら喰ってしまいそうな美緒の勢いに抗うことが出来ない。
「うむ、よく食べてくれそうな良い桃色の口だな!」
こんなことになっているとはつゆ知らず、ペリーヌは眠りについている。
「わ――――――――っはっはっはっは!!!」
「ふごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
彼女たちの叫び声は、夜通し発せられたという‥‥‥‥‥‥‥‥。
~Fin