WORLDS・END


――世界の終わり、とは良く言ったもので、人間、“破滅”を恐れている。

無論、私も怖くない訳では無い。
だが、私にはそんなものを恐れている暇は無い。

私には、例え世界が滅んでも一緒にいたい人がいる。

…宮藤、お前はどうなんだ…?

―――WORLDS・END―――

「はっ!」

朝の鍛錬は欠かせない。
私の魔力がいつ尽きようとも、この身をかけてもこの世界を守るつもりだ。

「坂本さん!私も付き合います!」
「おお、宮藤か!うむ、良い心掛けだ!」

宮藤との朝の逢瀬は何より楽しみな時間だ。
最近あった事、ちょっとしたグチ、そんな些細な事を話し合う。
そんな時間は一分でもあれば、幸せだ。

「ふぅ…少し休むか…」
「坂本さん、おにぎり作って来たんですけど、食べませんか?」
「ああ、悪いな」

雲が流れる。優しい空だ。

「良い天気ですね」
「ああ、いつまでもこの天気が続けばいいんだがな」

すると、宮藤は私に寄り添って来て。

「坂本さん、私幸せです」
「なんだ、いきなり」
「みんなと出会えて、みんな良い人達で、毎日が充実してるんです」
「そうだな。少々騒がしいが、優しい奴らだな」

宮藤は顔を赤らめて、

「…でも、私、坂本さんに逢えた事が一番嬉しいです…//////」
「ハッハッハッ!嬉しい事を言ってくれるな!まったく、本当に可愛いなあ!」

私は宮藤の頭を優しく撫でる。

宮藤の作ってくれたおにぎりを食べて一息ついた所で私は宮藤に話を始める。

「宮藤、明日でもしも世界が滅ぶとしたら、お前は誰と最期を過ごす?」

私の質問に宮藤は少し首を傾げて。

「……私には選べません。みんな大切な人で、みんな私に優しくしてくれていますから」
「そうか」
「…でも、私はやっぱり坂本さんの事が一番好きだから…。いざそうなると、私、坂本さんと一緒にいる事を選んでしまうかもしれません…//////」
「お前…///…私から話を振っといてアレだが、ちょっと照れるな///」

宮藤は私の腕に自分の腕を絡ませて。

「坂本さんは、最期まで私と一緒にいてくれますか…?」

そんな目で見つめられたら、イヤとは言えんだろう…。

「…当たり前だろう。宮藤…」
「坂本さん…」
「宮藤…」

私達の影は徐々に近付く。






ガチャ

「ふぅ…」
「随分長い朝練だったのね、美緒。宮藤さんとの逢瀬は楽しかったかしら?」
「見ていたのか」
「ええ。楽しかったわよ、貴女達のラブラブっ振り」
「…私達は越えてはいけない一線を越えてしまった」
「…それでも世界が滅ぶまで一緒にいたい。…背徳の世界ね」
「ハッハッハッ、背徳の世界、か。…そうかもしれんな。私はこれが人の道に背く事だと知りながら、宮藤の想いを受け入れた。だがな、ミーナ、私は後悔などしていない」
「…ええ」
「宮藤と出逢えた事は、私の中でも大きな意味を持っている。宮藤といると私は、生きるのが楽しくなるんだ。
喜ぶ宮藤、怒る宮藤、泣く宮藤、いろんな宮藤を見ていると、世界が明るくなるような気さえする」
「美緒」
「…すまんな、ちょっとのろけすぎたかもしれんな」
「…いいえ、甘々でお腹いっぱいです」
「ハハハ、さて、朝ご飯の時間だな」
「先に行ってて、私は後から行くわ」
「…そうか。じゃあまた後でな」
「ええ」


バタン


「……世界が滅ぶまで、ね…。私なら、誰を選ぶかしらね、美緒……」



今日は、晴れのち雨だ。


END


続き:0110
エーリカ×ゲルトルートバージョン:0127

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