繋いだ思い
「サーニャ、起きろー昼食食べに行くゾー」
今朝も、夜間哨戒から帰ったサーニャは私のベッドに転がり込んでいた。
「ホラ、ちゃんと着替えろヨー」
まだ眠そうなサーニャの着替えを手伝ってやる。
「今日だけダカラナー」
いつも同じこと言ってルナ。
二人並んで食堂に向かうと、前を宮藤がリーネと手を繋ぎながら
小走りで食堂に向かって行くのが見えた。
あんなに自然に手を繋げられて、宮藤の性格が羨ましい、
私もサーニャと何の気負いも無く手を繋ぐ事が出来たらいいノニ。
「あ、あいつらホント仲良いヨナ」
「うん」
「何で特に理由も無いのに手を繋ぐんダロウナ?」
そんなの繋ぎたいだけに決まってるダロー!少しはましな言葉を考えろよ
「仲が良いと理由が無くても繋ぎたい?」
チョコッと首を傾けて尋ねてくる、そんな仕草が可愛いしゃナイカ!
「そうダナ」
「・・・」
そうだよな、仲が良いなら手ぐらい繋ぐヨナ?
そっとサーニャの手に自分の手を近づける・・・。
いや!待てヨ!もし、サーニャが
仲が良くても手を繋ぐんのは別。とか思っていたら?近づいた手が離れる。
だけど普段から一緒に寝てたり(部屋間違えてダロ)
一緒にサウナ行くし(宮藤も一緒に行った)
他にも色々・・・
考えるたび近づけては離すを繰り返す。
こんな姿誰かに見られたらさぞみっともない姿ダロウ。
くっ、ダメだ・・・何か理由があるならともかく、ただ繋ぎたいだけナンテ、
「・・・エイラ・・・」
「エッ?」
サーニャがこっちに身を寄せたかと思うと、手に暖かな感触が・・・って!
手が、手が、サーニャの手が私の手を握っている!いや、握る感じでなく
軽く触れるような、彼女らしい控えめな感じ。
「サ、サーニャ?」
「ダメ?」
上目遣いで尋ねてくる、その眼は反則だゾー!
「ダメじゃナイゾ!」
「良かった、エイラと手を繋ぎたかったの」
えっ?繋ぎたかった?サーニャも?
・・・何だ、一緒だったんダナ。
「わ、私もそう思っていたんダナ」
「本当?じゃあ一緒」
サーニャの笑顔、
「一緒ダナ」
私もつられて笑顔になる、
手を繋いでいることより、同じ思いだったことが一番嬉しい。
二人で少しでも長く繋いでいられるように、ゆっくりとしょくどうに向かっていった。
END