mysterious drop


「こんなに好きにさせてくれちゃって…どう責任取るのかな…?」

私は寝ている恋人に囁く。

「…トゥルーデ」

私は眠るトゥルーデに優しく口付けをした。


―――mysterious drop―――

「ああ、キスしちゃった」

こんな寝込みを襲ったとバレたらさすがにマズい。
バレないうちに私はこの部屋から退散するとしよう。

朝起きて、なんか言われないと良いけど。

私がドアを開けて出て行こうとすると…

「ハルトマン」

名前を呼ばれた。

「トゥッ、トゥルーデ…!」

トゥルーデはムクリと起き上がる。

「人の寝込みを襲うとは…。」
「お、起きてたんだ」
「違う。お前のキスのせいで起きたんだ」
「アハハ」
「まったく…キスなら起きている時に散々やっただろう」
「いや、なんというか、夜は人恋しくなるっていうか」
「…はあ…まったく…」

トゥルーデは呆れたようにそう言った。
でもどことなく、顔は笑っていた。

「トゥルーデの笑顔、可愛いよね」
「なっ…///…バカ言うなっ!」
「照れてる顔も可愛い♪」
「バカにしに来たならさっさと帰れ」
「バカにしに来たワケじゃないよ。…トゥルーデに責任を取らせに来たんだよ」
「…責任?私がお前になにかしたか?」

私は困り顔のトゥルーデに跨った。

「ちょっ、ハルトマンッ…//////…なっ、なにをっ…//////」
「…私をこんなに夢中にさせてしまった責任。今夜一晩かけて償って貰うから」
「やめろっ…ハルトマンッ…!」
「私達、恋人同士なのに、キスから先に進んでないじゃん。
…私、それが一番寂しいんだよ」
「…ハルトマン…」
「ね、いいよね…?」
「……お前には逆らえんな…まったく…」

私はトゥルーデに思いっきり抱き付いて、囁く。

「今日は寝れないと思った方がいいよ~♪」
「バカか……」
「……好き……トゥルーデ…トゥルーデは……?」
「…何故今更それを聞く?」
「愛の確認…かな」
「…なら、その質問に答える必要は無いな」
「えー」
「答えはこれだ」

と言うと、トゥルーデは私にキスをした。

「…キザ過ぎ」
「何を言っているんだ。お前が質問したから、私は返答しただけだ」
「……好き…やっぱりトゥルーデの事、好き」
「……私も…」
「………私もう我慢出来ない……する?」
「………そうだな…」




《朝

…日差しが、眩しい…

「ん…朝…か…」
「起きたか?ハルトマン」
「おはよう…トゥルーデ」

隣では私より早く起きたトゥルーデが小説を読んでいた。

「早起きだね」
「お前とは鍛え方が違う。いつも寝坊ばかりしているお前と一緒にするな」
「…私、なんか幸せ」
「いきなりなんだ」
「だって、こうしてトゥルーデと一緒に朝を過ごせるんだよ?幸せだよ」
「…お前はどうして聞いてるこっちが恥ずかしくなる事ばかり言うんだ…。少しは自重しろ」
「自重もなにも、コレが私の本心だから、仕方ないよ。私はトゥルーデの事を好きな事は隠さないよ♪」
「……」
「どうしたの?」

トゥルーデは読んでいた小説を置いて。

「…なあ、ハルトマン…」
「何?…もう一回したいの?」
「…私からそれを言わせる気か」
「……いいよ、しよ…?」

私は再び、トゥルーデに跨った。

「へへへ」
「なんだ、ハルトマン」

私は愛してる、と下にいる彼女に微笑みかけた。
そんな、朝。


END


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