no way out


―――夜中ふと、目が覚めて、私は芳佳ちゃんの部屋に行った。
…私がそこで見たのは、坂本少佐とエッチをしていた芳佳ちゃんだった。


―――no way out―――

…私は今、夢を見ているのだろうか…?

「坂本、さぁんっ…!好き…ですっ…!」
「宮藤…っ!宮藤…!可愛いぞっ…!もっと…お前の声を聞かせてくれっ…!」

芳佳ちゃんは快楽に顔を歪ませて、坂本少佐とのエッチに溺れていた。

「なっ…なんでっ…!?…芳佳ちゃん…そんなっ…!」

私はショックの余り、腰を抜かしてしまった。
すると、後ろから声がした。

「リーネ」
「バルクホルンさん…」
「確かお前は、宮藤と付き合っているんだったな」
「は、はい」
「…この光景、どう思う?」
「……正直、ショックです。芳佳ちゃんが私以外の人とエッチしてるなんて…」
「そうだな、しかし残念ながら人間というのはそういうものだ。
例え、自分に恋人がいようと、目の前の欲望には勝てない。それが宮藤の場合、坂本少佐だった、という事だ」
「……欲望…」
「お前だって宮藤に対して欲望の一つや二つ持ってるだろう?それが宮藤の坂本少佐に向けられた想いだ」
「…芳佳ちゃん…私なんか、どうでもよくなったのかな…」
「さあ、どうだかな。それは宮藤本人に聞いてみないと分からない」
「芳佳、ちゃん…」

動揺する私に、バルクホルンさんは冷静に語りかける。

「……お前は今の宮藤を見ても、まだ宮藤を好きでいられるか?」
「今の…芳佳ちゃん…」
「……」
「……好き、です。芳佳ちゃんの心が例え坂本少佐に向いたって、私は多分…いや絶対芳佳ちゃんの事を好きで居続ける。
…私、芳佳ちゃんに誓ったんです。ずっと、芳佳ちゃんだけを見続ける。例え芳佳ちゃんの心が他の誰かに移ったって、私は芳佳ちゃんだけ……」
「……」
「…好きでいる、って」
「…そうか。私達は誰かを好きになるにはあまりにも汚れすぎたと思っていたが…お前はまだ大丈夫みたいだな」
「バルクホルンさん…」
「フフッ、今ならまだ間に合う。お前の魅力で宮藤を再びお前に引き戻してみろ。
…お前の恋はまだ終わってないぞ」
「……はい……!」

私はバルクホルンさんに一礼すると、自分の部屋に戻った。

芳佳ちゃん、いつか芳佳ちゃんの心が坂本少佐に向いたって、私諦めない。

私の力で、芳佳ちゃんを私の所へ引き戻してあげるから。


坂本少佐には、芳佳ちゃんは渡さない。



私は月にそう誓った。


END


美緒視点:0135
トゥルーデ視点:0139
後日談:0146

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