君の瞳に恋してる…?
……なんかラブレターを貰った。
まあその場ですぐに断ったけど、なんだかそれも悪いので、一応礼儀として手紙は貰っといてやった。
そもそも私にはルッキーニがいるから、どっちにしても無理だったんだけど。
でもこの手紙が、ルッキーニに見つかったら大騒ぎだ。
ルッキーニが絶対触らない場所に置いとかないとな…。
―――君の瞳に恋してる…?―――
「ここに隠しときゃ大丈夫だろ」
私はルッキーニの身長じゃ確実に届かないタンスの一番上にその手紙を隠しておく事にした。
しかもどういうタイミングなのか、ルッキーニが今日私の部屋に遊びに来る事になっている。
念入りに隠しとかないと。
「シャーリー、来たよー♪」
おっ、来たか。
「今開けるからー」
「シャーリー♪」
「ちょっ、いきなり抱きつくなって!」
「だって早く逢いたかったんだもん♪」
「いや、さっき訓練で会ったばっかじゃん。もう、ルッキーニは…」
「一分一秒でも離れたくないんだもん!」
「ああ、もう可愛い事言うなあ!」
なんかおもてなししたいけど、何も無いや。
しゃあない、台所からなんか持ってくるか。
「ごめん、ルッキーニ、今なんか持ってくるからちょっと待ってて」
「うん」
ガチャッ
そう言うと私は食べ物を探しに部屋を出た。
―――――――――――――――――――うひひー、さて、シャーリーの部屋探索だー☆
なんか隠してないかなー。
うわっ、このアルバム私の写真ばっかだ!もうっ、照れるなあ…//////
…ん?タンスの上になんかある。
気になる。
ベッドのスプリングを利用してっ…
取れたっ…!
んー、なんだろ、手紙かな。
宛先は…………………男……………………………?
…なっ、なんだよシャーリー…!
ラブレターなんて貰っちゃって…!
……私がいるのに……!
―――――――――――――――――――「こんなもんでいいかな…」
私はクッキー数枚を持ってルッキーニの元へ向かっていた。
そして私の部屋のドアを開けると、暗いオーラに襲われた。
「ルッキーニ?」
…アレ、なんか物凄く落ち込んでる…。
なんかあったのかな…
私は持っていたクッキーを置き、ルッキーニに訊ねる。
「ルッキーニ、どうしたんだよ」
「……」
返事が無い。
本当にどうしたんだよ…。
「なあ、返事してくれよ」
言い終わったと同時に私はルッキーニに白い便箋を突き出される。
そしてルッキーニはいかにも不機嫌そうな声で私に訊ねる。
「これ…なに…?」
…あちゃー、見つかっちゃったか…。
ってか、どうやって見つけたんだよ…。
「ああ、それね、さっきなんか整備士の人から貰ったんだ。あ、でもね…」
言い終わるより先にルッキーニが私に抱きついて来た。
「バカバカバカバカバカバカ!!シャーリーのバカ!!」
「ルッキーニ…」
「シャーリーには私がいるのになんでラブレターなんか貰うの!?」
「いや、一応人としての礼儀だからさ。冷たい奴とかなんて印象抱かれたらヤでしょ」
「シャーリーには私さえいればいいんだもん!」
「おいおい…」
「…で、シャーリーはその人の事どう思ってるの?」
「は?何が?」
「その人と付き合うの…?」
ヤバい。笑いが…
あ、ダメだ。
「ハッハッハッハッ!!」
「なっ、何がおかしいんだよっ!」
「わっ、私がその人と付き合うって思ったの…?」
私は笑いを堪えながら、ルッキーニに問いただす。
「だって…」
「ハッハッハッハッ!ルッキーニはバカだなあ!」
私はルッキーニの頭をグリグリ撫でる。
「私はルッキーニがいないとダメなのに、なんで他の人に行かなきゃいけないんだよ!
ああもう、嫉妬深いルッキーニもめちゃくちゃ可愛い♪」
「う、うにゃ~//////」
「…ねえ、今ルッキーニが欲しい言葉が何か当てようか」
「え…」
私はルッキーニをベッドに押し倒して、囁いた。
「“私はルッキーニしか見えないから”」
私は赤くなるルッキーニを見届けてから、深い口付けをルッキーニにあげた。
大丈夫だよ、ルッキーニ。
あの手紙はすぐに捨てるから、ね。
END