sweet bite


「ふぅ~」

私はお風呂に入っていた。

…昨日は、坂本さんと一緒に夜を過ごした。
朝起きたら坂本さんはいなかったけど、私は満たされた気分だった。
でも、それと同時に罪悪感が私を襲った。
私はそんなモヤモヤした気分を吹き飛ばすためにお風呂に入っていた。


―――sweet bite―――


ガチャッ

「バルクホルンさん」
「宮藤。入っていたのか」
「ええ…」
「…元気が無いな」
「はぁ……実は、昨日、坂本少佐と…」
「いや、説明はいい」
「え?」
「すまん、一部始終見させて貰った」
「え、ええええええええ―――――――!? そ、それ覗きじゃないですか!?」
「何を言っている。ドアを開けっ放しにする方も悪いだろ」

「…はあ……まあ、そう、そうなんですけど、朝起きたら罪悪感が一気に押し寄せて来て…」
「…心配するな。それは、私とて同じ事だ」
「えっ…じゃあ、バルクホルンさんも…」
「私は…謝っても許されない事をしたんだ。坂本少佐にもハルトマンにも…ミーナにも」
「……」
「…さて、私はそろそろ上がらせて貰うよ。…ハルトマンにも謝らんといかんしな」
「はい…」

ガチャッ

「ん…?……フフッ、宮藤、頑張れよ」
「?」

私はバルクホルンさんが最後に言った言葉の意味が分からず、そのまま湯船にボーっと浸かっていた。
すると私の隣に誰かが入ってきた。

「芳佳ちゃん」

その声に私の背筋が凍る。
恐る恐る横を見ると、そこには予想通り、リーネちゃんがいた。

「リーネ…ちゃん」
「お風呂、気持ちいいね」
「…う、うん」

しばらく気まずい空気が流れる。

「リーネちゃん、私ね」
「芳佳ちゃん。昨日のアレ、何だったの?」

み、見られてた………っ!!

「あ、あれは…」
「私、かなりショックだったよ。…芳佳ちゃんは私の恋人なのに…坂本少佐とエッチしてたなんて…」
「…あっ、あの……ごめん………」
「…………」

リーネちゃん、物凄く怒ってる…。
目の中に怒りが宿ってる。
そんな沈黙を破るように、リーネちゃんが切り出した。


「……私は芳佳ちゃんの恋人で、芳佳ちゃんは私の恋人。これは間違いないよね?」

「うっ、うん…!」
「で、昨日、坂本少佐とエッチしてた。これも間違いないよね?」
「…うん…」
「…それでね、私ね、決めたんだよ」
「なに?」

リーネちゃんは湯船に浸かっているにも関わらず、私に抱き付いて来て、私の首筋にキスをして来た。

「リッ、リーネちゃんっ…//////」
「芳佳ちゃん…」

首筋にキスを降らせているリーネちゃん、いきなり私の首筋を少し強めに噛んできた。

「いっ…痛いよっ…リーネちゃんっ…!」
「……芳佳ちゃん……痛い…?…でもね、この痛みは、私の芳佳ちゃんへの想いだよ?」
「リーネちゃん…っ」
「芳佳ちゃんも人間だから…気の迷いで浮気しちゃう事もあるよね…?……でも」

瞬時にして、リーネちゃんの目が妖しく光る。

「…もう……私なしではいられない身体にしてあげるからね」
「…リーネちゃん…っ…!…こっ、これっ…!」

そう言うと、リーネちゃんは私の唇に激しいキスの嵐を浴びせて来た。

「リッ…ネちゃっ……//////…んんっ…//////」
「芳佳ちゃん…好きっ…だよっ…愛してる…っ…」

お風呂場中に、舌と唾液が絡む音が響く。音が反響して、ダイレクトに私の耳に音が聞こえる。
それは、とても恥ずかしくて…恥ずかしさで死にそうになるくらい。

「芳佳ちゃん…かわいい…。
…私ね、実は弱気な芳佳ちゃん、結構好きなんだ♪」
「リーネちゃん…ごめん……私、もうしないから…だから、許して…っ」

リーネちゃんは許しを乞う私をジッと見て。
そして恐ろしい程の笑顔で私に言った。

「……私が満足するまで許さないよ。
…だって、芳佳ちゃんは私のモノだって印、芳佳ちゃんの身体に刻み込んであげるんだもん♪」
「リーネちゃんっ…//////」

そして私の耳元で囁く。

「芳佳ちゃんは坂本少佐のモノじゃなくて、心も身体も私のモノなんだから…♪」
「リッ…リーネちゃんっ//////」

リーネちゃんは微笑みを絶やす事無く言う。

「……もう、逃がさない、から……♪」

こうなったリーネちゃんはもう誰にも止められない。
…私はもう、リーネちゃんからは逃げられないみたいだ…。

END


元話:0138

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