無題


それはある日の夕食後のことだった。
その日は私とハルトマンで片付けをしていたんダガ――

「エイラってサーニャともうキスしたのかー?」

――なんてことをいきなり聞いてキタ。

「ナ、ナンデいきなりそんな話になるんダヨ!」
「だって気になるしー。で、どうなの?したの?」

やっぱミンナからも私達はそういう風に見えるノカ……なんだか嬉しいナ。
だが残念なことに私達はまだキスしてない。
というか手を繋ぐことすら……だ、だって恥ずかしいんだからしょうがないダロ!
って私は誰に言い訳をしてるんだ……。
とりあえず目の前の似非魔法少女に返事するカ。

「してないゾ……まだ」
「ふーん。けどまだってことはしたいんだ?サーニャとキス」

うっ……やっぱまだって最後につけない方がよかったカ。
これ以上こいつになんか言うのはやめよう。
もし下手なこと言ったら一時間後には隊員中に知れ渡ってるだろうからナ。

「じゃあ私とキスの練習しよっか?」

そうだな、こいつとキスの練習でもしてサーニャとの本番に備え――

「ってエエッ?ほ、ほほ本気で言ってるノカ!?」
「割とマジで」
「なんで急にそんな……キ、キスだなんて……」
「いやー私もトゥルーデとキスしたいんだけどなかなか難しくて。だからとりあえず練習だけでもしとこーかなぁって」

こいつ、バルクホルン大尉が好きだったノカ……確かに普段から仲良かったナ。
けどそれで他のやつと練習ってなんか本末転倒な気がするんダガ。

「キ、キスって好きな人とするもんダロ?特に最初は……それを練習で済ませちゃっていいノカ?」
「私は構わないよー。まあそっちがいやならやめるけど」

私は……やっぱ最初はサーニャとがいいケド、初めてしたときにサーニャに「エイラ、下手……」とか言われたくないしな……。
ここは練習しておくカ?でもやっぱり初めてはサーニャに……。

「で、どうすんだ?してみるかー?」
「うう……ウン……」
「よーし♪じゃあ早速いただきまーす!!」
「っておい!心の準備んがぁ……んっ……ふぁ……っ!」

な、なんだこれ……これがキス……舌がとろけるみたいで、気持ちいい……。
っていうか練習って言っときながらなんでコイツはこんなうまいンダ?
まあいいカ……気持ちいいし、これはこれで悪くない……。

「っぷはぁーっと!ごちそうさまでした♪」
「んっ、はぁ……はぁ……」
「なんか目がトローンとしてるぞ?もしかしてそんなに良かった?私のキス」
「バッ……!誰がオマエのキスなんかに……ま、まあ悪くはなかったケドナ!」
「素直じゃないなー。もう一回、する?」
「……うん」

結局この日ハルトマンと五回もキスをしてしまった。
これは決して私が快楽に負けたからじゃないゾ!アイツがうますぎるのがいけないンダ!
そう、アイツが可愛くて、キュートで、プリティなのが……ってまた私は、誰に言い訳を……。
とりあえずサーニャのとこ行くカ……。



終わり


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