無題
ああ、あつい。
あついあつい、熱いよぅ~…
夜、ちょっとお腹が空いたな~なんて思っていたら、坂本さんがお鍋を作ってくれた。
すっぽん鍋っていって、食べると栄養ドリンクみたいに元気が出るんだって。
最近私がちょっと疲れていたのを気にしてくれたみたい。坂本さん、優しいなぁ。
「じゃあ、食べるか」
「いただきま~す」
たまたま食堂にいたバルクホルンさんも加えて、三人で小さなお鍋を囲んだ。
ぱくっ。
うーん、美味しいっ!
「どうだ宮藤、美味いか?」
「はい!とっても美味しいです」
「はっはっは、そうか!作った甲斐があるというものだ」
私が頷くと、坂本さんは満足そうに笑った。
「バルクホルンはどうだ、口に合うか?」
「はい、本国では食した事のない味ですが…美味しいです」
バルクホルンさんも美味しそうに食べてる。
凄いなぁ、私ももっと美味しい料理が作れるように頑張らなきゃ。
お鍋の中身が半分ほど減ったところで、バルクホルンさんが突然席を立った。
「?どうした、バルクホルン?」
「……いえ、なんでもないです…少佐、ご馳走様でした」
なんだか真っ赤な顔をしたバルクホルンさんは、そのままフラフラと食堂を出ていった。
「どうしたんでしょう、バルクホルンさん…」
「……アイツには効きすぎたか」
「えっ?」
「バルクホルンには、すっぽんの精力は強すぎたのかもしれん」
…元気が出すぎちゃったって事かなぁ。
その割りには、普段のぴっしりしたバルクホルンさんからは想像できないくらい、フラフラしてたけど。
残りは、私と坂本さんで食べた。
片付けをして、部屋に戻ろうとしたんだけど…
なんだか目がぎらぎらしちゃって、いやに体が熱い。
「坂本さん…なんだか目が冴えちゃって、眠くないんですけど…」
廊下を歩きながら、坂本さんに漏らしてみる。
「はっはっは、宮藤にすっぽん鍋はキツかったか。よし、訓練だ。体を動かせばいずれ眠くなる!」
「えぇっ!こんな夜にですかぁ~」
普段ならもう寝るしたくをしてベッドに入る時間なのに!
でも、確かにこんな調子じゃ眠れそうにないし…動けば眠くなるかなぁ…
…でも…
熱い……
なんだか、体全体が熱を持った感じ…
「坂本さん、あの、やっぱりわた……し……」
「ん、どうした宮藤…宮藤!?」
脚がふらついた瞬間、視界が回って、なんにも見えなくなった。
何かバタッと音がした……
「……あれ…?」
「起きたか?宮藤」
気が付くと、私はベッドに寝かされていた。
「部屋まで運ぼうかと思ったが、私の部屋の方が近かったから連れてきた。大丈夫か?」
「さかもと…さん…」
声のする方に目を向けると、坂本さんが私の顔を覗き込んでいた。
「すまないな…元気を出させるつもりが、逆に倒れさせてしまうとは」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました…坂本さん」
私が言うと、坂本さんは微笑んで私の額に手を当てた。
「ひゃっ…」
あ、あれ?なんだろう。
額に触れられただけなのに、何故か体がびくんってした。
熱が一気にそこに集まってきているような感じがする。
「どうした?宮藤」
坂本さんは不思議そうに顔を近付けてくる。
綺麗な顔…
前に、インカムを付けられる時も、ドキドキしたっけ…
「坂本さぁん…」
たまらなくなって、私は坂本さんに抱きついた。
「宮藤…」
坂本さんは驚いてるみたいだけど、そっと抱き締め返してくれた。
「坂本さん…私、体が、熱くて……どうかしちゃいそうです…」
ぴったり体を密着させると、坂本さんの柔らかい胸が私のそれに当たる。
それがドキドキを加速させた。
「全く…仕方がないな」
坂本さんは苦笑すると、私をベッドに寝かせた。
軍服を脱いで椅子にかけて、髪をほどく。
広がる髪から香った坂本さんの匂いに、クラクラした。
「訓練代わりの体力作り、だな」
「ふぇ…?」
スクール水着だけになった坂本さんは、私に覆い被さって口付けてきた。
「ふっ…んんっ…」
唇を割って舌が入ってくる。
坂本さんの舌も熱くて、それだけで溶けてしまいそうだ。
唇が離れ、力が抜けてしまった私の服を、坂本さんが器用に脱がす。
「なんだ、びしょ濡れじゃないか宮藤」
そう言われて、体が汗だくなのかなとぼんやり考えた。
でも、坂本さんが見てたのは私の体じゃなくて…
「きゃっ、さ、坂本さん…!」
「ずいぶん辛かったようだな」
ぐいっと脚を広げさせられる。
坂本さんの視線は、その脚の間に注がれていた。
は、恥ずかしいよぅ…
そこがじわじわと熱を持ってきた。
「キツかったら言うんだぞ」
坂本さんはそう言って、私の水着をずらした。
引っ張られた部分がちょっとキツい、と思ったけど…そんなの忘れるくらいの衝撃が体に走った。
「あっ、あぁん…!」
「ん、痛かったか?」
「い、いたく…ないですっ、はぅ…」
坂本さんの長い指が、私の中に入ってる…
どうしよう……熱い、熱いよぅ…
坂本さんの指は、ゆっくりと中の壁を擦り始めた。
「ひゃっ…ぁ、あッ…」
指が擦れる度に、そこからじわっと熱が広がる。
気持ちいい…頭がぽーっとしちゃう…
「宮藤…、どうだ?」
「ぁっ、い…きもちぃ、れす…はぁンっ…」
呂律が回らない口でなんとかそう答えると、坂本さんはにこっと微笑んだ。
「可愛いぞ…宮藤」
耳元で低く囁かれ、背中が震える。
「さ、さかもとさ…ああぁッ…!」
同時に奥を強く引っ掻かれ、体がびくびくって跳ねた。
目の前に星が散って、一瞬何もわからなくなる。
「っ…はぁ、はぁ…」
ぐったりとベッドに沈んだ。
熱が、ちょっとずつだけどすーっと引いていくみたい。
でも…
「ひゃんっ!」
中の指がくいっと曲げられて、腰が跳ねた。
「まだだぞ宮藤。体力作りだと言っただろう?」
「さ、坂本さんっ…私もう無理です…!」
「何を言うか。始まったばかりだろう。行くぞ、宮藤!」
「きゃあっ、あぁん…あぁッ…」
――――
結局…その後私は気絶するまで「体力作り」して、そのまま坂本さんの部屋で眠ってしまった。
はぁ、腰が痛い…今日がお休みの日で良かったぁ…
朝、二人一緒に食堂に出たら、想像はしてたけどやっぱりペリーヌさんに睨まれた。
バルクホルンさんは、いつもと変わらない様子で席についていた。ちょっと安心。
珍しく、ハルトマンさんも遅刻しないで来てた。
ミーナ中佐が、何故かちょっとだけ機嫌悪そうで、怖かったけど…
隣で朝食を食べる坂本さんの横顔を見て、
あんな訓練もたまにはいいなぁ、なんて思ったりした。