眠れる姫を起こす方法


朝。起床のラッパもやかましく鳴って、みんながゾロゾロ起きてくる。

…が、愛しのルッキーニだけが起きて来ない。
どうせまた木の上とかで寝てんだろうけど。
ルッキーニを起こすのも私の仕事になっている。
…っていうか進んでやってるんだけど。


「おーい、ルッキーニー!起きろー」

ハンガーにはいない…か。
だったらやっぱりあそこか。

私は木を見上げて。
「おーい、ルッキーニー!朝飯だぞー」

すると、上の方からちっさい声で聞こえてきた。

「うにゃあ~」
「やっぱここか。今すぐそっち行くからなー」

私は木を登る。正直、木を登るのは得意じゃないけど、ルッキーニの為ならこれくらい苦じゃない。

「っと、ほらルッキーニ、早く起きろー」
「うにゃあー…うじゅ…」
「まだ寝てるよ…。しっかしよく寝るよな…。これで天才だなんてなー。信じられんよ…」

普段のルッキーニももちろん可愛いのだけれど、眠っているルッキーニも可愛い。

…ん、やばっ、私の中のイタズラ心が疼き出してる…。

「うにゅー…」
「…はぁ…」


私はルッキーニの髪をかきあげて、自分の唇をルッキーニのそれに近付ける。

「…好きだよ…ルッキーニ……」

もう少しで唇が触れ合う。
…私達の距離はゼロに…

「ん…うにゃ…?」
「っ…!?//////」

ル、ルッキーニが目を覚ましたっ…!?

「なにしてんの…?シャーリー…」
「えっ…?…いっ、いや、あの、アレだよ、額に虫が止まってたんだよ!でね、その虫を取ろうとしてさ…!//////」
「あ…そう…ありがとう」
「ほら、早く来いよ!めっ、飯無くなっちまうぞ!先に行ってるからなっ…!」
「うん」

私はそそくさと木を降りた。

「やっ、やばっ…!バレてるかな…?……いや、バレてないよなっ…!?…うん、バレてない!絶対バレてない!それでいいよな!
アハ…アハハハハハハ!!!!」

私は大声で笑いながら、ルッキーニのいる木を後にした。



「…うにゃぁ…シャーリーの意気地無し…!」


END


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