Happy Happy Wedding!!


――天国のお父さんへ。

私、今日、お嫁に行きます。
その人は、私にとってとても大事な人で、世界で一番愛してる人です。

宮藤芳佳、今日から、坂本芳佳になります!

――Happy Happy Wedding!!――


結婚のきっかけは、二人で扶桑に戻ってしばらくしたある日の事。

「宮藤、これを受け取ってくれないか」
「なんですか、これ」
「いいから、開けてみてくれ」

そこには…

「指輪…」
「宮藤っ!……私と結婚してくれ!」
「へぇっ!?」

私は驚きの余り、気の抜けた声を出してしまった。

「坂本さん…これ…婚約指輪…っ…!」

すると、坂本さんは私の唇に人差し指を当てて、ひどく魅惑的な表情で私に言った。

「私達は夫婦になるんだ。『坂本さん』じゃなくて、『美緒』と呼んで欲しい。それと…」
「それと…?」
「私はお前の事を、『芳佳』と呼ぶ。なにせ私達は将来を誓い合った仲だからな」
「坂本さっ…みっ、美緒…!//////」


こうして私達は結婚の運びとなった。
この事をみんなに伝えた所、リーネちゃんからは『うん、結婚式にはいっぱい銃を持ってくるね♪』という返事が来た。

…一体どういう事だろう。
まあでも、多分祝ってくれているんだよね、そうに違いない。

《控え室

「わあ~っ…///」

私は生まれて初めて、ウェディングドレスというものを着た。
私は本当に嬉しくて、つい何度もスカートの裾を翻す。

「美緒…喜んでくれるかな…///」

愛するあの人の事を想うと、少しだけ顔が紅に染まった気がした。

すると、

「芳佳」
「美緒…」

私の後ろにはタキシードを着た美緒がいた。

「す…すてき…//////」
「そ、そんな目で見るなあ…//////…て、照れるじゃないか…//////」
「美緒……」
「なんだ、芳佳」
「キス…してもいいですか…?」
「…ああ、構わんぞ」

私達だけの甘い空間になった…が、その空間はルッキーニちゃんの声で破られる。

「芳佳ぁー!」

そこにいたのは、501のみんなだった。

「おいおい、早速ちゅーか?お熱いねえ♪」
「ちゅーしちゃえ♪ちゅーしちゃえ♪」
「ち、違うってば!」
「…妹の幸せの門出を祝ってあげるのも姉の役目……ううっ……」
「トゥルーデ、マジ泣きだぁ」
「うっ、うるさい!」
「実はミヤフジに報告したい事があるんダ」
「えっ、なになに」
「…えっとナ…その…」
「…実は私とエイラも…結婚する事になったの…//////」
「サ、サーニャ…!//////」
「本当に!?おめでとう、二人とも!」
「エヘヘ…///」
「…//////」


「で、宮藤、あたし達からもちょっとあんだけど」
「何ですか、シャーリーさん」
「実はさ、あたしとルッキーニも結婚しようかと考えてるんだ。なあ、ルッキーニ」
「うん♪あたし達これでいつも一緒だねっ♪」
「わあ、みんなスゴいなあ!」
「宮藤さん!少佐と結婚する以上は、少佐を幸せにしてあげないと、わっ、わたくしが許しませんわよっ!!!!」
「うん、分かってる!私、全身全霊で美緒を幸せにしてあげるから!」
「おお、“美緒”だってよー!」
「呼び捨てだ、呼び捨てだーっ♪」
「ちょっ、シャーリーさん、ルッキーニちゃん…!//////」
「芳佳ちゃん」
「あっ、リーネちゃん」
「結婚…おめでとう」
「うん、ありがとう!これからも良い友達でいてね!」
「……………………うん、私達、これからも、友達…だね」
(なんだかリーネちゃんの表情が浮かないなあ…)
「美緒」
「ミーナ。今までいろいろと済まなかったな。
だが、私はこうして芳佳との結婚にまで漕ぎ着けた。お前には感謝している」
「いいえ、美緒の恋の後押しをするのが私の役目だったから。私も嬉しいわ」
「ミーナ…」
「…宮藤さんとお幸せにね、………さようなら、美緒」
「………ありがとう、ミーナ」


《みんなが会場に戻って数分後

「みんな変わって無かったですね」
「ああ、全くだ。相変わらずやかましい連中だな、ハッハッハッ!」
「……美緒…さっきの続き…したい…//////」
「全く、芳佳は、我慢の出来ない子だ……」

私達は式を挙げる前に、深いキスをした。

《扉の前

「始まるんですね、美緒」
「ああ、ちょっと緊張するな」
「…手、握ってください」
「もう、仕方のない奴だな」

そう言うと、美緒は私の手をギュッと力強く握ってくれた。

手から伝わってくる美緒の温もりを体いっぱいに感じながら、私達は新たな一歩を踏み出そうとしている。

ギィィィ…

「行くぞ、芳佳」
「はい、あなた」

私達は赤いヴァージンロードを歩き出す…。


―――――――――――――――――――
「エヘヘ…結婚…式…」
「何寝てるんだ、宮藤」
「あっ、坂本さんっ!」
「全く、私といる時くらいシャンとしとけ」
「はっ、はい、すいませんでした!」

私の視界に映るのは、いつもの風景といつもの坂本さん。
…って事は今までのは、全部夢って事…?
なんだ、ガックリ…。

「そうだ、宮藤」
「はい、なんですか、坂本さん」
「ちょっと渡したいものがあってな」
「はあ」
「宮藤、これを受け取ってくれないか」

―――私の本当は今から始まる。

END


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