さがしもの
「ね~みつかった~?」
『いや、それがな~』
あたし(シャーリー)とルッキーニは今、宮藤の部屋にいる
おそらく宮藤は朝練の最中だろう
その隙に、捜し物があるから手伝ってくれと頼んだんだ
ごめんなルッキーニ…
みつかるわけないよ
そしてあたしは右手にはめた腕時計を確認した
『…まずい帰って来た!ルッキーニ隠れろ』
あたしはルッキーニをクローゼットへと押し込み自分もそれに続いた
ごめんなルッキーニ…
クローゼットはあまりに狭過ぎた、私の胸が彼女の顔を圧迫している
だけどたいして苦しくはない様子にあたしは一先ず安心した
そして暗闇の中であたしら二人は息を殺しす
(坂本さん、今日も特訓お願いします!)
あたし達が隙間から盗み視ているとも知らずに宮藤はその訓練を開始した
モミ モミ モミ モミ
「特訓っておっぱい揉んでるだけだよ、別に隠れてやらなくてもいいのにね」
そう言いながら彼女はあたしの胸へと手を延ばす
ごめんなルッキーニ…
あれはな、おまえのそれとは違うんだよ
(あん…くふっ…宮藤…はぁん…)
今まで聞いた事のない女性の声が部屋に響き渡る
「少佐変な声だしてるよ!?シャーリーはあんな声ださないのに」
ごめんなルッキーニ…
おまえに揉まれてもあたしは何も感じないんだ
想いを寄せる娘に胸を揉まれれば、普通は感じるものだけど
それは相手も自分の事を想ってくれている場合に限るんだよ
(上出来だ宮藤、優秀な生徒には褒美を与えんとな)少佐と宮藤は唇を重ね、そのままベットに横たわる
「あれ…キスだよね」
『ああ』
ごめんなルッキーニ…
そうだよな…キスくらい知ってるよな
そして部屋には二人の淫らな声が響き渡る
「あたしたちも…しようよ…キス」
!?…まさかおまえから誘ってくるだなんて
思いもよらぬ発言にあたしは動揺し罪悪感に晒された
ごめんなルッキーニ…
『あれはな…好きな人同士がするもんだ、特別な事なんだよ』
ルッキーニ、確かにおまえはあたしを思ってくれているんだろう
だけどな、あたしの気持ちはおまえのそれとは違うんだよ
「シャーリーの事、好きだよ…シャーリーは特別だよ」
『ああわかってるよ、でもさ…』
どうせおまえは母親かその代用品ぐらいにしか思っていないんだろう?
「うんにゃわかってない、シャーリーはあたしの気持ちわかってない」
あたしにしがみつく彼女の体が小刻みに震える
「あたしの気持ち…してみたらわかるよ…キス」
彼女は腕をあたしの首へと回し必死に背伸びしようとする
ごめんルッキーニ…
女の子にとって最初のキスは特別なんだよ、あたしでいいのか?
あたしは彼女の腰へと腕を回し彼女を抱え上げ、そっと顔を寄せた
おでこを合わせると彼女の吐息があたしの鼻に触れる
いいのか?声には出さなかった
暗闇の中に微かに浮かぶ潤んだ瞳が既に答えを出してくれていた
あたしは軽く唇を触れさせそっと引き戻す
彼女は再び目を開けあたしを見つめる
ごめんルッキーニ…
まだキスは終ってないんだ
あたしは再び唇を重ねる
重ねては吸い上げ淫媚な音色を奏で続けると、やがてそれは協奏曲となった
彼女があたしの唇を吸い上げると同時に舌を差し入れる
彼女の体がビクッと震えた、それは舌先で舌先をつつく度に伝わって来た
ごめんねルッキーニ…
緊張しなくていいんだよ
あたしは左腕一つでその小さな体を支えると右手で彼女の髪をかき揚げる
そして睫毛に触れ、耳元を撫で上げ頬に添えた
目蓋にキスをしてから唇にキスをし、再び舌を絡め合う
そして徐々に舌を引き戻し彼女の舌を自分の口内へと誘導する
時には悪戯に焦らして彼女からせがんでくるまでの間を楽しんだ
ごめんねルッキーニ…
その隙にあたしは唾液を溜め込み彼女からの攻撃に合わせ注ぎ込む
それを飲み込む隙はあたえずに歯茎の裏をを味わい尽くす
堪えられずに喉を鳴らす瞬間、唇で彼女の鼻頂を覆い鼻腔から息を吸い上げた
いじわるしないで、とでも言いたげに彼女は拗ねた目であたしをみつめる
『ごめんねルッキーニ…』
そう呟きながら彼女の右耳に息を吹き掛ける
「はふぅっ」
『声…漏れちゃうよ、だめじゃない』
そう叱りながら頬に添えてた右手を離し二本の指を口内へと挿入した
指をクロスさせ彼女の舌を優しく挟みながら耳たぶを甘く噛み上げる
続いて指をクルクルと回すリズムにのせて首筋に向ってキスを続ける
両指が交互に螺旋を描き出すと鎖骨の窪みに沿って舌を往復させた
彼女の毛細血管を吸い上げ首元に印を付けると
その仕返しに彼女の左手はあたしの胸を揉みあげた
『あっんぅ』
ごめん…ルッキーニ…
それ以上されたらあたし…耐えられないよ
あたしの唇は彼女から引き剥がされ、彼女に委ねるままに何かを唱え続けた
彼女はひたすら揉み続け、あたしはひたすら喘ぎ続ける
ごめん!ルッキーニ…
すごくヤバい!外に声が漏れている、バレてしまう
クローゼットの隙間から外をうかがうと…誰もいない
宮藤と少佐は部屋からとっくに出ていったようだ
「でもびっくりしたよ~シャーリーすんごい声だすんだもん」
ごめんなルッキーニ…
今まであたしが感じれなかったのは、私の思い込みが原因だったんだな
『今後、人前では揉まないでくれよ、この声はおまえだけに聞いて欲しい』
「わっーた、んじゃさ~そん替り~おっきくなったらあたしのも揉んでねっ」
『ああ、気長に待つよ』
「にぃぎぃぎぃ~すぐだよすぐ!」
『はっはっは、そうだな、すぐだな!すぐ!』
ごめんルッキーニ…
今の嘘…ってゆーか小さいままの方があたし…好きなんだ
「でもさ~結局みつかんなかったね~捜し物、もういいの?」
『うん、もういい』
ごめんねルッキーニ…
実はこの時間、少佐と宮藤がやって来る事
二人が何をするのか、実は知ってたんだ
そして…
ありがとうルッキーニ…
もうとっくに、捜し物はみつかったよ
~おしまい~