尽きない希望に
――私はブリタニアへ向かう船の甲板で、少し考えていた。
私はもしかすると、宮藤に恋をしてしまったのか…?
考えたくは無いが、数日宮藤と過ごすうちに、どんどん宮藤が可愛く思えて来てしまったのは、恐らくそういう事だろう。
しかし、仮にも軍人である私が民間人、しかも自分より年下である女の子を好きになってしまった、と考えると、自分がよく分からなくなってくる。
すると、遠くの方から、聞き慣れたあの声が。
「坂本さーん!」
「宮藤か、どうした?」
「これ、坂本さんの為におにぎり作って来ました!」
「おお、悪いな。じゃあ早速戴くよ」
そう言って、私は宮藤が作ってくれたおにぎりを一口頬張る。
「うん、美味い」
「本当ですか!?嬉しいです、坂本さん!」
塩加減も丁度良いし、お米の堅さも程よい。
「はっはっはっ、宮藤は将来良いお嫁になるぞ」
私がそう言うと、宮藤は顔を赤らめ、俯いた。
「えっ…と…私は…//////」
「なんだ?」
「なっ、なんでも無いですっ…!//////」
と、宮藤はそう叫びながら、再び船内へと戻っていった。
…どうしたのか私には分からないが、宮藤の作ってくれたおにぎりはやはり美味しい。
おにぎりを食べながら、よく晴れた空を見る。
「…良い天気だなぁ…」
私が宮藤に向けたこの想いが、本人に届くかは分からない。
だが、今は、平和なこの時を大事に抱き締めていよう。
そんな事を思った昼下がり。
今日も、良い日だ。
明日も良い日になるといいな、宮藤。
END