無題
朝起きて、一番にズキンと痛みがきた。
あー、腕痛ぁ…
昨日、ちょっとルッキーニの遊びに悪ノリしちゃって、中佐にお仕置きくらったせいだ…
でもまぁ、そのおかげで面白いもんが見れた。
バルクホルン大尉の意外な一面、っていうの?
ルッキーニに胸揉まれて、いつもはピリピリしてお堅い顔を真っ赤に染めて震えてた。
正直、めっちゃ可愛かった。
そんでもちろん参戦させてもらって、軍服はだけさせて二人でべたべたふにふに触ってやったんだ。
そしたら信じらんないくらい色っぽい声出して…
イケナイ気持ちになっちゃいそうになった時、中佐に見つかっちゃったワケ。
「あいたた…」
起き上がっただけで腕が傷んだ。
まぁ、筋肉痛が翌日にくんのは若い証拠か。
ご飯食べたら、お風呂入ってマッサージしよっと。
「っはよーごさいまーす」
食堂に入ったら、真っ先にバルクホルンと目が合って…めっちゃ睨まれた。
うわ、すっげー怒ってるよ。
「おはよー、シャーリー」
「おー、おはよルッキーニ」
ルッキーニが皿を持ってあたしの隣まで移動してきた。
「バルクホルン、すごい怒ってるよ~…うにゃー、怖い~」
「んー、まぁ…そうだな。あとで一緒に謝りにいこ」
「うんっ」
……何故か中佐はすごい笑顔だったけど…
ご飯を食べ終わって、あたしは早速お風呂に向かった。
「ふんふんふふんふ~ん♪」
朝風呂は最高。ついつい鼻歌混じりになっちゃう。
…でも、浴室に足を踏み入れた瞬間…るんるん気分が止まった。
風呂には先客がいた。それがよりによって……不機嫌な大尉殿だ。
「……随分とご機嫌だな」
うわ、めちゃくちゃ嫌味たっぷり…
「あー…そっちは機嫌悪そうだね」
「どこかの誰かのせいで、ミーナに絞られたからな」
ふん、とわざと鼻を鳴らしてそっぽ向かれた。
うぅ…気まずいけど、謝るしかないよな。
あたしは湯船につかって、バルクホルンの隣に行った。
「あのさぁ、昨日は悪かったよ。ふざけすぎちゃって…」
「全くだ!何故貴様までルッキーニと一緒になってあんな破廉恥な事をする!咎めなければならない立場にある貴様が!」
「悪かったってー。あんたが可愛かったからさ、つい」
そう言ったら、バルクホルンは、うっと言葉に詰まった。
お?もしかして、照れてる?
「そ…そんな事、理由にならないだろう!」
「もっとあんたの可愛い顔、見たかったんだもん」
あたしの言葉に、バルクホルンはみるみる赤くなっていく。
やば、めっちゃ可愛い。
「とにかくっ…次にあんな事をしたら、ただじゃおかないからな!」
「はいはい、それよりさ」
なんかもう、説教聞いてる場合じゃなくなった。
もっとこいつを弄りたい。
あたしはバルクホルンの後ろに回って、ぎゅっと抱き締めてやった。
「なっ…!何をする!」
バルクホルンは抵抗しようとしたけど、背中に胸を思いっきり押し付けてやったら固まった。
照れ屋だってのは本当なんだなー。ていうか、ウブ?
「中佐にさ、絞られたんでしょ?」
「っ…は、離せ…!」
ちょっと慌てるバルクホルン。
実は昨日の夜、中佐に引き摺られて部屋に入るとこ見ちゃったんだよね。
なんとなく想像つくけど…
「何されたの?」
「き…貴様には関係ない!」
真っ赤になるバルクホルンを見て確信した。
「こーゆー事?」
後ろから胸を掴んでやると、バルクホルンはびくっと震えた。
「や、やめろ……ぁうっ」
ふーん、昨日もちょっと思ったけど、こいつ敏感だな。
「や…ぁ…ん、…」
優しく揉みしだいてやると、途端に大人しくなった。
こりゃ、相当教えこまれてるな。中佐も好きだねぇ。
「顔真っ赤ですよ~、バルクホルン大尉」
「ぁ…お湯が、あついから…んん…」
汗ばんだ首筋を舐めると、抱き締めた体がふるるっと小さく震えた。
ヤバい…食べちゃいたい。
「ひっ!?や、どこを触って…!」
片手を脚の間に滑らせたら、バルクホルンは腰を引いた。必然的にあたしの胸にもっと密着して、余計に慌ててる。
脚の付け根の終着点に触れると、お湯とは明らかに違うぬめった液体が指にまとわりついた。
「ここ、ぬるぬるしてるけど?」
「っ…!」
囁いてやると、バルクホルンは耳まで赤くなった。
昨日と同じ、イケナイ気持ちが膨れ上がってきて、あたしを支配する。
「あっ、や…!」
滑りに任せて指を中に埋める。うわ、こいつの中あっつ…
「や、やめ…リベリアンっ…」
「シャーリーって呼んでよ。そしたらやめてあげる」
あたしの手から逃げようとすると背中が胸に当たって、どっちにしても恥ずかしいようで。
くねくねと体を捩るバルクホルンが、可愛くって悩ましげで…
「やめろ、シャー…リー…」
真っ赤になった顔で、そんなとろけた声で呼ばれちゃ…
「ごめん、やっぱ無理だわ」
「え…ぁ、ああっ…!」
ぐっと指を深く沈めると、バルクホルンは声を上擦らせた。
「やっ、お湯が…入ってくる、あッ…」
「はぁ…あんた、可愛すぎ…」
お湯の中だからわからないけど、きっとぐちゅぐちゅいってんだろうな、こいつのあそこ。
「っ!や、あぁ!」
「ん?ここ、イイの?」
「だ…ダメだ、ぁん…はあうっ…!」
いつもほんとにお堅い奴なのに。なんか、ちっちゃい子供みたい。可愛いよ、こいつ…
「ぁう…シャーリー…っ、んんぅッ…!」
一際高い声が風呂場に響いて、バルクホルンは大きく体を震わせた。
そしてそのままぐったりしてしまった。
「おい…大丈夫か?」
「………」
「…やばっ、のぼせてる…!」
あたしは急いでバルクホルンを抱き上げて湯船から上がった。
脱衣場に出て、タオルでくるんで床に寝かせ、ぱたぱたと服で扇ぐ。
「…ん……」
少しして、バルクホルンはうっすら目を開けた。
ヤバいな、余計怒らせたかも…
「だ…大丈夫?」
怒鳴られる覚悟で声をかける。そしたら…
「ん…シャーリー…」
バルクホルンは柔らかく笑った。そしてまた、目を閉じる。
てゆうか、おいおい。なんだ今の笑顔。
「…反則だろ、あんた…」
かーっと顔が熱くなるのを感じた。
あたしも、のぼせちゃったみたいだ。
悔しいから、半分はお風呂のせいにする事にした。