Catch hold of…?
――あたしの近くでシャーリーがなにやら指であたしを枠取っている。
そのシャーリーの顔は凄いニヤニヤしている。
きっと何か良い事があったのだろう。
シャーリーが笑う顔を見ると、なんだかあたしまで嬉しくなってくるよ。
あたしはそんなシャーリーを最近、意識してきている。
自分でも分かるほど、あたしはシャーリーに頭の中を埋め尽くされていた。
そしてそのシャーリーがあたしの事を好きだと言う事はなんとなく分かっていた。
理由はシャーリーのあたしを見る目と、他のみんなを見る目が明らかに違っていたから。
なんというか、目に熱がこもっているというか。
…でも、あたしからは告白しないよ。
あたしはシャーリーからの告白を待ってるから。
――catch hold of…?――
「あ、ルッキーニさん」
「ウニャ?なにーミーナ中佐」
「これ、この前みんなで撮った写真。
出来上がったから、宮藤さんがみんなに配ってくださいって」
「おおー、ありがとうミーナ中佐」
写真一枚でも、みんなの個性がそれぞれ出ていて面白い。
アハハ、エイラったらサーニャが隣にいるからって、ガチガチに固まり過ぎ。
んで、あたし達は、というと。
シャーリーが後ろからあたしを抱きしめている。
…そうだ、この頃からだ。シャーリーがあたしを意識してるって気付いたのは。
だってシャーリーってば心臓の音がバクンバクン言ってたもん。
普通の友達なら、あんな胸の鼓動は鳴らない。
その時、あたしは分かったんだ。
ああ、シャーリー、あたしの事好きなんだ…って…
「どうしたの?ルッキーニさん」
「ニャッ!?
あっ、いや、なんでもな~い!ニャハハ」
ミーナ中佐の言葉であたしは現実の世界に戻ってきた。
ミーナ中佐はそんなあたしの顔色を察した様で。
「ウフフ、シャーリーさんの事考えていたのかしら?」
「ウニャッ…!?ちっ、違うもーん!」
あたしはその場から走り去った。
ミーナ中佐には隠し事は出来ないなあ…。ウニャ~…
《シャーリーの部屋
あたしは写真を見せたくてシャーリーの部屋に行った。
「シャーリー!いないのー?」
鍵が開いてる。もう、あたし達しかいないからって不用心だなあ。
「おじゃましま~す」
やっぱり誰もいない。
シャーリーの部屋にはいつもおじゃましてるけど、誰もいないと、なんだかドキドキする。
「なーんだ、誰もいないのか」
…よし、この際だから、シャーリーの部屋を探索しよう!
ガサゴソ
うわ、なにこの本『あなたも出来る!簡単に掌握術』って…。
誰に対して使うのかな…
おおっ、あたしの写真がいっぱい出て来た…!
…っていうかコレいつ撮ったんだろ…
「アハハ、シャーリーの部屋ってワケ分かんないのがいっぱ~い♪」
あたしはシャーリーのベッドに寝転んだ。
普段あたしは部屋のベッドで寝る事なんてほとんど無いからちょっと新鮮かも。
窓から差し込んで来る陽の日差しが心地いい。
…毎晩シャーリーはここで寝てるんだよね…。
「シャーリー…」
…シャーリーの匂いがする…
そう思うだけで、身体が熱くなってくる。
「シャーリー…シャーリー…んんっ…」
あたしはズボンを脱いで、秘所に指を伸ばす。
あんまりこういう事はした事無いけど、なんでだろう、シャーリーの事を想うと、なんだかえっちな気分になるんだ…。
「シャーリィ…!好き…好き…っ…!」
指が止まらない。シャーリーがあたしの頭の中を掻き乱す。
「シャーリィ…ッ…はやくっ…好きって…言ってよぉ…っ…!!」
指の動きがますます速くなる。
「シャーリィ…!好きっ…!!…シャァッ…ッ…リィ…ッ…ううっ…!」
そしていつしかあたしの視界は、真っ白になる。
あたしはシャーリーのベッドの上でグッタリ果てる。
「はぁ…はぁ…シャーリィ…」
シャーリーのベッドの上でひとりえっちした事の罪悪感と、気持ちよさが頭の中をグルグルして、今は何も考えられない。
と、そんなワケにも行かないみたいで、シャーリーのベッドのシーツは、あたしの愛液で濡れている。
これがシャーリーにバレたらどうなることか。
……シーツ取り替えなきゃ…
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シーツを取り替えたあたしはシャーリーの部屋を後にした。
多少の罪悪感は残るけど、これは早く告白して来ないシャーリーが悪いから、こうなったんだと、自分に言い聞かせる事にした。
だから、その罰としてシャーリーが大切にしてたあたしの写真は没収しておく事にした。
「あたしに告白するまで返してやんないから、シャーリー♪」