オオカミさんに気をつけて~新・赤ずきん~
――ここはとある森の奥にある小さな家。
この家には、ミーナお母さんと美緒お父さん(なぜか単身赴任中)、そして、一人娘のルッキーニちゃんが楽しく暮らしていました。
そんなある日、ルッキーニちゃんはミーナお母さんから用事を言いつけられます。
「ルッキーニー」
「なにー、お母さーん」
「実はね、トゥルーデおばあちゃんのお見舞いに行って来て欲しいの。
私は時間も無いし、こんなの頼めるのは、ルッキーニちゃんしかいなくて」
「うん、いいよー」
「それなら、このフルーツバスケットを持っていって。
重いだろうけど、頑張ってね」
「はーい、じゃあいってきまーす」
ルッキーニが意気揚々と外に出ようとすると、ミーナお母さんが呼び止めます。
「あっ、ちょっと待ってルッキーニちゃん」
「うにゃ?」
「最近、森の中に可愛い女の子ばかりを狙うオオカミが出没するらしいの。
だからもし出会ったらいけないから、これを持って行って頂戴」
そう言うと、ミーナお母さんはルッキーニちゃんに赤い頭巾と護身用としてブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃という立派な銃を手渡しました。
さあ、今度こそ、出発です。
「行ってきまーす!」
「気をつけてねー!」
《森の中
「あなたの○○○は△△で□□□□なんだね~♪」
ルッキーニちゃんは地上波ではとても放送出来ないような、過激な歌を歌いながら、森の中を進みます。
すると、ルッキーニちゃんは森の中で立ち往生する二人の女の子に出会います。
「どうしたのー?」
「ん?ああ、早く帰らなきゃいけないのに、サーニャが道端で眠ってしまって、困ってるんダ。
…なあ、少し手を貸してくれないカ?」
「スー…スー…」
「でも、私おばあちゃんのお見舞いに行かなきゃいけないし…」
「ちょっとダ!ちょっとだけでいいんダ!」
その少女、エイラのあまりに必死な形相に押されたルッキーニちゃんは仕方なくサーニャを家に連れて帰る事にしました。
《サーニャとエイラの家
「ついたゾ、サーニャ」
「…起きないねえ…」
「サーニャは一度眠りにつくとなかなか目を覚まさないんダ」
と、サーニャはいきなりムクッと起き上がりました。
「おお、起きたカ、サーニャ!」
「……エイラ」
するとサーニャは何を思ったのか、ルッキーニちゃんがいるというのに、エイラを押し倒しました。
「なっ…サーニャ…!//////」
「…エイラ…好き…」
「サーニャ…!やっ…やめ…ああっ…ああっ…!//////」
二人の痴態を目の当たりにしたルッキーニちゃんはすぐさま家を出ました。
胸の鼓動は止まりません。
「な…なんだったんだろ…さっきの…//////」
ルッキーニちゃんはさっき見た事を綺麗さっぱり忘れて、トゥルーデおばあちゃんの家に行く事にしました。
「あなたは※※※だから@@@@なんだよ~♪」
ルッキーニちゃんは再び放送禁止歌を歌いながら森を進みます。
すると、ルッキーニちゃんの前にやけに露出が多い服を来たお姉さんが現れました。
「ねえねえ、お嬢ちゃん、今からどこいくの?」
「今からね、おばあちゃんの家にお見舞いに行くの」
「へぇ~、偉いねえ」
お姉さんはルッキーニちゃんの頭をナデナデします。
「へへ~♪」
「ねえ、おばあちゃん家に行く前にお姉さんと遊ばない?」
すると、お姉さんの頭からウサミミがピョコンと飛び出しました。
(ヤバいっ!喰われる!)
「えっ、遠慮しまーす!」
ドガガガガガガッ
「ちょっ、危ない!危ないって!」
直感的に喰われると感じたルッキーニちゃんはお姉さんにブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃をぶっ放しながら、急いで逃げました。
その後いろいろあって(割愛)ルッキーニちゃんはようやく、トゥルーデおばあちゃんの家に辿り着きました。
「おばあちゃーん、お見舞いに来たよー」
「ありがとう、ルッキーニ」
「…おばあちゃん、こんな暑いのにどうして布団を被ってるの?」
「これは、体温調節の為だ。
体温は人間にとって大切なものだ。だから(以下略)」
「ふーん、じゃあおばあちゃんの耳はどうしてそんなに長いの?」
「これは、ルッキーニの甘く可愛い声をよく聞く為だ」
「ふーん。っていうかおばあちゃん、声なんか違くない?」
「…それはね…」
すると、布団から出てきたのはおばあちゃんでは無く…
「おばあちゃんじゃないからだよ!」
なんとさっきルッキーニちゃんを誘ったオオカミもといウサギ・シャーリーだったのです!
「キャアアアアー!」
するとウサギ・シャーリーはルッキーニちゃんを布団の上に押し倒して、無理矢理キスをしてしまいます。
「う…にゃあ…//////」
「フフフ…♪」
ウサギ・シャーリーのあまりのテクニシャン振りにルッキーニちゃんはメロメロです。
調子に乗ったウサギ・シャーリーはルッキーニちゃんのズボンに手をかけました。
「ヒヒヒ…いっただきま…」
その瞬間、ウサギ・シャーリーの頭にビー玉が直撃しました。
「誰だ!」
「私の孫になんの用だ!」
「トゥルーデおばあちゃん!」
そこには三人の女の子を連れた、風邪を引いているはずのトゥルーデおばあちゃんがいたのです。
「おばあちゃん、風邪引いてるんじゃ…」
「ん?ああ、もうこの通りピンピンだ。
それよりルッキーニ、見てみろ、私の新しい妹のよしか、りーね、えーりかだ」
「「「おねえちゃーん」」」
「はいはい♪」
「……」
この三人をどこから連れて来たのかはあえて聞かないでおこうと思ったルッキーニちゃんは再び、ウサギ・シャーリーに抱き寄せられてしまいます。
「ルッキーニはもうあたしのものだ!
単なる妹バカのお前には何も出来まい!」
「くっ、くそ…!もうビー玉は無い…!」
そしてルッキーニちゃんは再びウサギ・シャーリーに押し倒されてしまいます。
ルッキーニちゃんの貞操危うし!
と、その時、更に後ろから声がします。
「ルッキーニ!」
「ルッキーニちゃん!」
「お父さん!お母さん!」
そう、そこにいたのは刀を持った単身赴任から丁度タイミングよく帰ってきた美緒お父さんとミーナお母さんでした。
美緒お父さんの目には怒りが宿っています。
「私の娘を傷物にして…!お前なんか、こうだ!」
そう言うと美緒お父さんは持っていた刀でウサギ・シャーリーを斬りつけました。
あまりの超展開にその場にいた誰もがドン引きしましたが、それに関しては誰も発言しませんでした。
「きっ…貴様っ…」
「ウッ、ウサギさんっ…!」
さすがに問答無用で斬りつけられたウサギ・シャーリーが哀れになったのか、ルッキーニちゃんはウサギ・シャーリーの元に駆け付けました。
「大丈夫!?ウサギさん!」
「心配してくれるの…?ハハハ、嬉しいなあ…」
ルッキーニちゃんは涙を流します。
「…あたし、ウサギさんにキスされて気付いたんだ…」
そう言うと、ルッキーニちゃんはウサギ・シャーリーにキスをしました。
「ルッキーニ…」
「あたし、ウサギさんの事が好きになったみたい…」
「ルッキーニ…それは…」
「あたし…ウサギさんの事…」
「嬉しいよ…あたしの事好きだって言ってくれるヤツなんて今までいなかったから…」
「ウサギさん…怪我が治ったら…結婚しよう…?」
「…ルッキーニ…でも人間とウサギが結婚だなんてどう考えても前代未聞だろ…
それにいつまた他の女の子を襲うか分からないぞ…」
「ウサギさんが遊びでも、あたしは本気だから…」
「ルッキーニ…」
「ウサギさん…」
そして二人はさっきとは違う、暖かいキスを交わしました。
熱く熱く、お互いの想いを確かめ合うように…。
《数年後
「ウサギさん…あたし達、とうとう結婚だね…」
「ああ、あたし嬉しいよ。世界で一番大好きなルッキーニと結婚出来るなんて」
「えへへ…♪」
「ほら、ルッキーニ、もう始まるぞ」
ギィィィ…
さあ、未来への扉が開きました。
二人の未来に幸多からん事を…
FIN
脚本:シャーロット・E・イェーガー
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シャーリー「っていうような劇、今度やらない?」
全員「却下!!!!!!!!!!」
ルッキーニ(…でも、ちょっといいかも…//////)
ペリーヌ(というよりなんでわたくしの出番がありませんの…!?)
END