曖昧 i my me
この気持ちが恋なのか、それともただの友情なのか。
予想もしなかったルッキーニからの告白。
返事はいつでもいい、と言われた。
分からない。分からない。分からない。
この感情が何なのか。
分からない。分からない。分からない。
このモヤモヤが何なのか。
好きだと言われるのは悪い気はしない。
だけど、あたしが抱いている“好き”と
ルッキーニの“好き”ではきっと意味が違う。
あたしの“好き”は『友達』としての。
ルッキーニの“好き”は『恋人』としての。
あたしに想いを伝えたルッキーニは震えていた。
“好き”という言葉一つ伝えるだけで、どれだけの勇気が要っただろう。
どれだけの覚悟が要っただろう。
そう考えると、ルッキーニの気持ちを無視する事なんて出来ない。
それでもあたしはルッキーニの告白に
“うん”と返事する事が出来なかった。
いや、しなかった、のかもしれない。
付き合う気も無いのに、あたしがここで
“うん”と言ったらどうなる?
そんな事、分かってる。
傷付くのは他の誰でも無い。
…ルッキーニだ。
あたしはルッキーニを傷付けたくない。
ルッキーニだってあたしを傷付けたくないだろう。
だから、ルッキーニもあたしに無理強いをしなかった。
きっと、ルッキーニは苦しかったはずだ。
“いつでもいい”なんて嘘で自分の気持ちを押し殺したんだ。
ウソツキ。
オクビョウモノ。
ヨワムシ。
そう言われても仕方ない。
それはあたしにもルッキーニにも向けられる言葉。
想いを隠しきれなかったウソツキと
その想いをはぐらかしたオクビョウモノ。
そしてそれを言葉に出来ないヨワムシ。
二人ともどうしようもない大バカだ。
バカ過ぎて涙も出ない。
あたしはまだこの気持ちが何なのか分からない。
非常に不安定で、極めて曖昧な気持ち。
でも、曖昧なら曖昧で、そんな気持ちも悪くない。
ごめん、ルッキーニ。
あたしのこの気持ちが何なのか分かるまで、お前に返事は出来ない。
でも、いつかきっとこのモヤモヤした曖昧な気持ちが晴れたら、答えは出る。
それまで、ちょっと待たせる事になるけど。
その間だけ、少しだけ、あたしに振り回されてくれないか?
曖昧なあたし達も、そう悪くない。
END