confession game


――ああ、くそ、あんなゲームなんかして後悔した。

まさかルッキーニに告白する事になるなんて…


―――confession game―――


遡る事一時間前。

「なあ堅物、ちょっとゲームしないか?」
「ゲーム?」

あたしは食堂でカールスラントの堅物にゲームを挑んだ。

「簡単なゲームだよ。今からこのトランプの中から一枚引く。
そのトランプの柄を当てる。それだけのシンプルなゲームさ」
「ほう、それで負けた方には何かペナルティはあるのか?」
「ペナルティか…」
「ゲームには無ければいけないだろう」
「うーん…あたしこういうの考えるのは苦手だからなあ…。
あんたがなんか考えてよ」
「…そうだな。
好きな相手に告白するというのはどうだ」
「…っていうか堅物。お前に好きな奴なんていんのか?」
「失礼だな。
…いるに決まってるだろ」
「ふ~ん…じゃ、始めようか」
「待て。お前じゃ何をやらかすか分からない。
私がトランプを切る」
「…あたしどんだけ信頼無いんだよ…」

堅物はトランプを切る。

「じゃあ、今から当ててみようか」
「その前にルール確認だ。もしも二人の予想が外れたらどうする」
「それは、サドンデスに決まってるだろ。
じゃなきゃ面白くない」
「…なるほど」

…なんかやけに乗り気だな…

「じゃあ、予想しようか。まずは堅物から」
「そうだな…。ダイヤの3にしようか」
「ならあたしは…ハートのエース」

堅物はトランプを引く。
そして一枚のトランプをテーブルに叩き付ける。

そこにあったのは…

「ダイヤの3…だと…?」
「フッ」

堅物が不敵にニヤリと笑った。

「なっ、なんで一発で当てられるんだよっ…!」
「フッ、リベリアン、お前は勝負を挑んだ相手を間違えたようだな」
「…なんだと?」
「私はここ一番には強いんだよ。特に賭け事に関してはな」
「くっ…!」
「ほら、早く告白してこい。
……まさかとは思うが、好きな相手は私じゃないだろうな」
「アホか!お前なんか好きになるワケないだろ!」
「そうか。なら安心した。ほら、心置きなく告白してこい」

堅物はそう言うとあたしを無理矢理食堂から追い出す。


―――――――――――――――――――で、今に至る。
今、ルッキーニは宮藤、リーネと話し中だ。
廊下の曲がり角からルッキーニをジロジロ見ているあたしは今はただの変態だろう。

「ん?何をしているんだ、シャーリー」

あたしの様子を見た坂本少佐が話し掛けて来た。

「さっ、坂本少佐!」
「ルッキーニに何か用なのか?」
「ええ、まあ」

すると気を利かせたつもりなのか、坂本少佐は、

「おーい、ルッキーニ!
シャーリーが何か用があるそうだー!」
「っ…!?」

なんとルッキーニを遠くから呼んだのだ。

「ウニャ?なに、シャーリー」
「あっ…いや…あの…さ…//////」

ルッキーニを前にすると、言いたい事(っていうか言わなきゃいけない)が頭をグルグル回って口に出せない。

「…っ…あっ…あのさ…//////」
「?」
「……なんでもない……」
「あ、そ」

…あたしいつからこんなにヘタレになったんだっけか…
あまりの自分のチキンっぷりに心底呆れる。

「じゃああたしからいい?」

あたしが死ぬほど落ち込んでいると、ルッキーニが話を切り出して来た。

「…ん?なんだよ」
「…ここじゃ恥ずかしいからさ、ちょっと向こう行かない?」
「あ、ああ、別に良いけど」

そう言うと、あたしはルッキーニに手を引かれてどこかへと、連れて行かれる。

「おい、どこ行くんだよ」
「もっと、遠くだよ。…誰もいないような…//////」
「ルッキーニ…?」

ルッキーニの様子が少しおかしい。

「シャーリー」
「なんだよ」
「…あたしの話、ちゃんと聞いてね?」
「ん、ああ…」

ルッキーニは大きく深呼吸して、あたしに話を始める。

「……実はね、シャーリー…あたし…シャーリーの事が…」







―――――――――――――――――――
《シャーリーの様子を傍らで見ていたトゥルーデ

「イカサマなんて私らしくも無いな」

トゥルーデの手には先が少し折れ曲がったダイヤの3のトランプが。

「フフ…面白い報告を待ってるぞ、リベリアン」

そう言うと、トゥルーデは持っていたダイヤの3のトランプを投げ捨てた。


END


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