platinum 第3話「恋心」


吹き荒ぶ嵐の中をルッキーニとバルクホルンは飛び続けていた。

―――platinum 第3話「恋心」―――

「ルッキーニ、お前は強いな」
「なに、いきなり」
「リベリアンの為にここまでやる強さだよ」
「だって、あたしシャーリーの事好きだもん。
大尉はシャーリーの事嫌い?」
「…嫌いでは無いな。ギャーギャーやかましいが、いるといないでは結構違うしな」
「さすがシャーリー、みんなから好かれてるんだね」
「…お前の好きと私達の好きでは、少し違うのでは無いか?」

バルクホルンの言葉に、ルッキーニは真剣な顔付きになる。

「そう…なのかな。
なんだかシャーリーの事想うと、胸がドキドキするんだ」
「それは恋ってやつだな」
「…恋?」
「ああ。誰かの事を想うとドキドキするというのは立派な恋だ」
「…あたしがシャーリーに…」
「まあ、今はそれより、リベリアンを助け出すのが優先だ。
それからの事はリベリアンを助け出した後に考えるといい」
「そ、そうだね…!」
(フッ、本当にリベリアンが好きなんだな…)

―――――――――――――――――――それから数分後、ルッキーニが海上に浮かぶ何かを見つけた。

「ん?ねえねえ、なんかあるよ」
「あれは…リベリアンのストライカーユニットだ!」
「えっ、っていう事は…!」
「ああ、恐らくリベリアンはこの近くにいる。
あれからそれほど時間も経っていないはずだ」
「シャーリー!」
「ちょっと待て!」
「なっ、なに!?
シャーリーが近くにいるかもしれないんだよ!」
「勢いだけで行ってしまったら、私達まで迷ってしまう。
そうなれば、リベリアンを助けるのは愚か、見つけ出す事さえ困難になってしまう」「それは…」
「ここは冷静になるべきだ。
焦る気持ちは分かるが、ここで焦ってしまっては元も子もない」
「………分かった」
「よし、聞き分けの良い子だ」

そう言うと、バルクホルンはルッキーニの頭を撫でる。

「ねえ大尉」
「なんだ」
「…シャーリー…生きてるよね」

バルクホルンは小さく笑う。

「お前が信じてやらなくて誰が信じるんだ?」
「大尉…そう…だよね…!」
「ほら、行くぞ」
「…うん…!」
(待ってて、シャーリー…!あたし、絶対シャーリーを助けてあげるからね!)



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