platinum 第5話「水晶」


……あれ、天井が見える。

なんで?
だって、あたし死んだのに。

そっか、ここは死後の世界か。
さて、あたしは天国行きか、地獄行きか。って、なんだかあたしらしくない発想だな。

と、あたしの腕に柔らかい感触。

……ルッキーニ……?

―――platinum 第5話「水晶」―――

あれ、なんでここにルッキーニがいるんだ?

それにここは、医務室だ。

……あたし、生きてる…?

そっか、死ななかったんだ。

奇跡…だよな。

あんだけの怪我してりゃ普通は死ぬよな。まだ痛むけど、宮藤の治療魔法のおかげかな。ハハ…

「シャーリー…それあたしの…」

…夢見てんのか…
もしかしたら、ずっとあたしにつきっきりなのか…?

そこまでやんなくて良いのに…
告白、し辛いじゃん…。

…と、その時、ふっと、あたしに罪悪感が…襲ってきた。

あたしのせいで隊のみんなに迷惑をかけてしまった。

それは、否定しようの無い事実。
みんなは優しいから、きっとあたしのせいじゃないって言ってくれる。

…でもあたしの罪悪感は消えない。

ルッキーニの寝顔を見ていると、余計に。
なんであの時、死ななかったんだろう…。あの時死ねば、こんな思いせずに済んだのに…。

ルッキーニ、堅物…!
なんでこんなあたしなんか助けたんだよっ…!

「うっ…ううっ…っ…」

ああ、ダメだ。

涙が止まらない…。
それを思えば思うほど、やり切れない気持ちと罪悪感があたしを襲う。


悔しいっ…!悔しいっ…!

あたしの無力さが嫌になる…!
ルッキーニを庇ったつもりだったのに、ルッキーニに助けられるなんて…!

あたしっ…あたしっ…!



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