platinum 第6話「迷宮」


……朝日が眩しい。
ルッキーニの瞼に朝日が差し込む。

「うにゃあ…」
「おはよ、ルッキーニ」
「シャ、シャーリー…!」
「おいおい、目真っ赤じゃん。
どんだけ泣いてたんだよ」
「み、みんな呼んでくるっ…!」
「ちょっと待って」

シャーリーはみんなを呼びに行こうとするルッキーニの腕を掴む。


―――platinum 第6話「迷宮」―――


「シャーリー?」
「ちょっと二人で話したいんだ。
だからちょっと座ってくれないか?」
「う、うん」

そう言うと、シャーリーはルッキーニを椅子に座らせた。

「あー…まずは、ゴメン」
「え、どうしてシャーリーが謝るの?
謝らなきゃいけないのは、あたしだよ…。…あたしの不注意のせいで、シャーリーにそんな怪我させちゃったし…
それに傷は…?」
「ああ、まだ痛いけど、大丈夫。
…それとお前を庇った事だけど、いいんだよそれは。あたしの好きでやった事なんだし。
……でさ、あたし考えたんだ」
「うん?」
「………あたし、ウィッチ、辞めようかなって思うんだ」


…時が、止まった。






「……………………………え?……なに、言ってるの………?」
「…あたし、結果的にみんなに迷惑をかけた事になるだろ?
それならいっそあたしがいない方がいいのかなって考えたんだ」
「ねえ、シャーリー、あたしシャーリーがなに言ってるかわかんないよ。
なんでそんな考えになるの?
シャーリー、冗談でしょ?」
「…ゴメン…。あたし、自分が嫌になったんだ。
あたし悔しくて悔しくて。何も出来ない自分が嫌なんだ。
何も出来ないならいっそもう……」
「シャーリー…!どうしてっ…!?
ねえ目を覚ましてよ!」

シャーリーは縋るルッキーニの手を払って冷たく言い放つ。

「……………ゴメン、さよなら、だ」
「…うっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁん!!」
ルッキーニの泣き声がシャーリーの耳を襲う。


――さよなら、ルッキーニ。――



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