platinum 第7話「悲哀」
ガチャ
バタン
「…おいリベリアン。ルッキーニに何を言った?」
「…別に何も。あたしの言いたかった事を言っただけだよ」
「ルッキーニ、泣きながら出て行ったぞ」
「…お前には関係ない」
「リベリアン」
「ああもう!お前には関係ないって言ってるだろ!!しつこいんだよ!」
すると、バルクホルンはシャーリーの胸元をガッと掴んだ。
―――platinum 第7話「悲哀」―――
「答えろ」
「なっ…なんだよ、そんないきなり」
「ルッキーニはお前の事を誰より心配していたんだ。
お前はルッキーニの気持ちを踏みにじるつもりか」
「…立ち聞きしてたのか。良い趣味持ってるな」
「ふざけるな、リベリアン」
「…あたしがどう思ってようがそれは勝手だろ。
あたしがウィッチを辞めたいって言ってるのに、誰がそれを止める事が出来るんだ」
「…リベリアン」
「あたしなんかあのまま死ねば良かったんだ!
あのまま死ねば、誰にも迷惑かけずに死ねたんだ!
なあ、堅物!
なんであたしを助けたんだよ!
あのまま死なせてくれたら良かったのにっ…!あたしはっ…」
バシッ
部屋に乾いた音が響いた。
バルクホルンはシャーリーの頬を叩いた。
「…なっ、何すんだよっ!」
「……見損なったぞ、リベリアン。
今のお前は最早私の知っているリベリアンではない」
「バルクホルン…」
「もういい。勝手にしろ。
お前の言う事にいちいち口出しする気はない」
バルクホルンは掴んでいた胸元を放し、ドアへ向かう。
「…じゃあな、リベリアン…元気でな」
「ちょっ…おっ、おい…!」
ガチャッ
バタン
「…なんだよっ…!なんだよ!
…あたしだって…辛いんだよっ…!!」
シャーリーのシーツを握る力が強くなる。
「ううっ…うあああああああああっ!!」
シャーリーの叫びは、部屋を響き渡った。