platinum 第9話「決意」
今日は良い天気だ。
あの日の嵐がまるで嘘のようだ。
あたしはあの悪夢から生還した。
でも、結果的にそれは、あたしをまた別の苦しみに誘う事になった。
みんなに迷惑をかけてしまった罪悪感。
自分の弱さが分かってしまった悔しさ。
もうこんな痛みと向き合うぐらいなら、あたしは…
―――platinum 第9話「決意」―――
まだ、胸の傷は痛む。
少佐の話によると、完治までにあとニ、三ヶ月はかかるらしい。
ネウロイのヤツどんだけ深く抉ったんだよ。
でも、これがルッキーニに当たっていたと考えると、背筋が凍る。
…そうだ、あたしはルッキーニにはあたしみたいな目に遭って欲しくないから、ルッキーニを庇ったんだ。
でもあたしのその行動は、ルッキーニ、みんなに迷惑をかけてしまった。
……あたし、一体なんなんだ……?
ルッキーニを庇ってヒーローになりたかったのか?
…違う。あたしはただ単純にルッキーニを助けたかっただけなんだ。
地位とか名誉とか、そんなの関係ない。
ただ、ルッキーニを助けたかったんだ。
……ルッキーニも同じ気持ちだったとしたら?
いや、ルッキーニだけじゃない。それは堅物や他のみんなだって同じだ。
ただあたしを助けたかっただけなんだ…。
アハ…アハハハハ……
あたし、バカ過ぎるよ…。
ルッキーニの気持ちも汲み取らずにあんな事…
なんだ、あたしやっぱりダメじゃん…
このままここでウィッチを辞めたりなんかしたら、あたし負け犬で終わっちまう…
それは嫌だ。
まだ、ルッキーニに想いを伝えてないのに。
あたし、このままじゃ…終われない…!