無題


ほの暗い部屋の中、愛しい人のベッドに佇み私は考える。

「どうして私にはエイラに好かれるような大きな胸がないのかな…」

私は悩んでいる。

「私よりもエイラの胸の方が大きい…。エイラは私の胸を触るより自分の胸を触
った方がきっと楽しめるんだ…」

私は自分の隣に眠る愛らしい寝姿を眺めた。

「やっぱりエイラの胸って大きいなぁ。」

そうだ…この人は普段シャーロットさんやリネットさんに隠れていて気づかない
けれどすごくプロポーションがいいんだ。

「私の胸は部隊の中ではエイラの次に大きいはずなのに…これが格差社会なの?」

私の国でも昔流行ったらしい社会主義に憧れる。
でも胸の大きさの差はそんな妄想に耽っても変わらない。

「はぁ…他の人たちはどうしているのかな。」

芳佳ちゃんは大きな胸を触るのが大好きだ。だからリネットさんとは上手くやれ
てるんだろう。
そういえばルッキーニさんもいつもシャーロットさんの胸に抱かれて嬉しそうに
している。
ペリーヌさんは…友達になれるかもしれない。

そこで私はふと気付いたの…

「芳佳ちゃんもルッキーニさんも好きな相手の胸が大きい…きゅ、吸収されてる
んだ!」

でも、ううん、そんなことない。ミーナ中佐も坂本少佐も両方胸が大きいんだか
ら。
そこで私はまた気づく…

「ペリーヌさんから吸収してるんだ!」

ペリーヌさんが、言っちゃいけないことだけど立体感に乏しいのは坂本少佐に吸
収されてるとしか…。
それをミーナ中佐がさらに吸収してるんだ。

「ペリーヌさん可哀想…」
「…んン…サーニャ…?ペリーヌ…?」

エイラを起こしちゃったかな?

「サーニャ…かわいい…ペ…リーヌ……眼鏡…」
よかった。エイラはまだ眠ってるみたいだ。
それにしても起きているときは何も言ってくれないのに寝ているときには意外と
大胆なんだからこの人は。

「それなら普段から少しは気持ちを露わにしてくれてもいいのにな。それに行動
でだって示してくれれば私がこんなに悩む必要なんてないのに…」

そうだ…エイラに返してもらえばいいんだ。

ムニムニ…ムニムニ…

「柔らかい…」
「…んン……ン…」

エイラ…可愛い。

「んニゃあ…サーニャ…?」
「エイラ、起きたの?」
「サ、ササ…サーニャ!?何シてんだヨ!?」

慌てるエイラも可愛いなぁ。さらにエイラの胸を揉みしだいてみる。

「吸われた分を返してもらってるんだよ。」
「す、吸われた分!?ナニをいってるんダサーニャ!」
「だってエイラが私の胸を全然触ってくれないから。エイラは私の胸が小さいか
ら触らないんだよね?」
「ソ、ソんなコトないゾサーニャ!それになんでソレが、わ、私のむ、胸を触るこ
とに繋がるンダ!?」

じゃあどうして触ってくれないのだろうか…?
やっぱり私にはエイラに好いてもらえる魅力なんてないのかな…。

「だって芳佳ちゃんだってルッキーニさんだって…それに私だって好きな相手の
胸が大きいんだもの!きゅ吸収されてるに違いないんだから!」

急に声を荒げた私に驚いたのかエイラが口をパクパクさせている。

「サ、サーニャ?シャーリーもリーネもルッキーニや宮藤が配属される前からおっ
きかったダロ?」

そうだ。私はなにをしていたんだろう。

「でも、エイラが私の胸を、触ってくれないから…私、悩んでて…。」

エイラが私のことを見つめてる…恥ずかしい。こんなこと考えてたなんて知って
私のこと変だと思ったかな?私は私が嫌になる。

サーニャ?」

エイラが私の名前を呼んでいる。

「ご、ごめんナ!わ、私、サーニャのこと悩ませてるなんて知らなくテ…」

エイラが謝ってる。この人はいつもこうだ。自分が悪くないのに謝ってしまうん
だ。

「ううん、私が悪いの。変なこと言ってごめんね。」

そう言って私はお気に入りのぬいぐるみに顔を突っ伏してしまう。

「サ、サーニャ?」

エイラが私に呼びかけているけどごめんね、こんな私じゃエイラに顔向けできないから。
エイラも諦めたのか静かになる…

「んッ…!」

急に私の胸に刺激が走る。一体どうしたの!?

「サ、サーニャ!私だってズットサーニャの胸が揉みたかったんだーーーーーーー!!!!!!」

エイラが叫ぶ。そうか今私、エイラに胸を触られてるんだ。でも…

「エイラ!こ、声おっきいよ!」

恥ずかしい。これじゃあ基地中に聞こえちゃうよ。

「ご、ゴメンなサーニャ!デモ私、サーニャに気持ちを伝えたくテ。」
「ううん。謝らないでエイラ。私エイラに求められて嬉しいんだよ。」
「ホ、ホントかサーニャ!」

エイラの言葉に私の心が満たされていく。

「うん。だから、私の身体好きにしていいよ。」

ー翌朝ー

「サーニャ、起キロ!ご飯片付けられちゃうゾ!」

私を起こすエイラの声で目を覚ます。でも昨日遅くまで起きてたから眠い…

「ふわぁぁ~。」
「ホラ着替えテ着替えテ!」

そう言ってエイラが私に服を着せてくれる。

「ありがとう、エイラ。」

そうして私たちは食堂へ向かう。

「今日の朝食の当番はリーネだからキット美味しいゾ~!」
「そうだね。」

でも朝から他の女の子を褒めるなんて少し妬けちゃうな。話しているうちに食堂に着く。

「ようお二人さん!昨日はお楽しみでしたね!」
「お楽しみだったみたいだねー。エイラだいた~ん!」

シャーロットさんとハルトマンさんが話しかけてくる。一体何の事だろう?

「ニャッハハ~!エイラ、きのーの声すごかったね~!!」

そう言いながらルッキーニさんがシャーロットさんの胸にダイブした。そうか昨日のエイラの声やっぱ聞こえちゃったんだ。恥ずかしくて私は俯いてしまう。きっと今私の顔真っ赤だ。

「べ、別にイイジャナイカー!!!ホットイテクレヨー!!」

エイラが顔を真っ赤にしてこたえる。

「おいハルトマン、あまりちょっかいを掛けるんじゃない!ほらリベリアンもこっち来い!ルッキーニはお前が連れてくるんだ!エイラにサーニャ、こいつらが迷惑をかけてすまない。」

そう言ってバルクホルンさんが3人を連れて言ってくれた。

「ご、ゴメンなサーニャ…恥ずかしい思いさせて」

エイラがすまなそうに謝ってくる。

「ううん。気にしないで。それに私、エイラとなら恥ずかしくないよ!」
「サーニャ!!」

あ、エイラが鼻血出して卒倒した。

「あらあら、うふふ。」
「わっはっは!元気な事はいいことだ!」
「わ~サーニャちゃん大胆~!」
「よ、芳佳ちゃん、わ、私も芳佳ちゃんのことが…」

みんなが私たちを見ている。普段目立つ事の無い私だけどたまにならこういうこともいいかな。大好きだよ、エイラ!

Fin.


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