ミーナさん崩壊シリーズ「get a way!」
「美緒!逃避行しましょう!」
「アッハッハッ!!!!!!!!!!!!ミーナはおかしな事を言うなあ。
逃避行という言葉は本来恋人同士に使う言葉だろう?」
「え?それはまさに私達の為にある言葉じゃないの?」
「…もうそろそろ幻覚という名の夢から覚めないか?このやりとりも何回目だ?
私は何回も何回も何回も(中略)お前からのラブコールを拒否してるはずだぞ」
「ミーナがんばる!…それより逃避行よ」
「……だから私達は恋人同士では無いのだから、逃避行とは言わんだろ」
「いえ、『最初はその気すら無かったのに、ミーナと逃げ続けているうちにミーナに対する想いが膨らんで来る美緒…』ならアリだわ!」
「どう考えてもナシだろ!というより誰から逃げるんだ!
ここ(501部隊)は同性の恋愛に関しては世界の何処より寛容だろ」
「というわけで荷物を纏めておいたわ!
さあ、何処行く?」
「私は何処にも行かん」
「そうだわ、まずは扶桑に行きましょう!そして美緒のご両親に挨拶をして…」
「…人の話を聞け。
そして突っ込みたい事が二つほどあるがいいか?」
「どうぞ」
「まず、私の両親には会うな。あと、両親に挨拶するのはもう最早逃避行では無い。…分かるな?」
「ええ、分かるわ」
「よし、賢い子だ。分かったら逃避行なんて止めようか。
こんな事やってる暇があったら、とっとと模擬訓練でもやろうか」
「いいえ断るわ!私は貴女と逃避行したいの!
貴女といろんな所巡ってくんずほぐれつ状態に陥りたいの!」
「それこそ断る!
なんだよくんずほぐれつって!
普通に逃げてそんな状態になるか!」
「何言ってるの!
美緒がその気になるまで待つのだって結構辛いんだから!」
「知るか!お前の妄想なんか知るか!
一生夢の中で待っててくれ!」
「さあ行きましょう!私達の新しい人生は此処から幕を開けるわ!」
「だから行かんっつてるだろうが!
お前、いくら私でもいい加減怒るぞ!
お前本当に軍法会議にかけるぞ!」
「美緒!!それよ!!」
「は」
「それさえあれば、逃避行の理由になるわ!!!!
ほら美緒、今すぐ私を軍法会議にかけて!さあ今すぐ!!!!」
「…………ああああああああああああああああああああああああああああ…………」「坂本さん、ミーナ中佐、大変ですっ!」
「宮藤」
「どうしたの?宮藤さん」
「シャーリーさんの部屋を掃除しようとしたら、こんな置き手紙がっ…!」
「…置き手紙…?」
――隊のみんなへ――
あたしとルッキーニが付き合っている事は、みんな知ってると思う。
あたし達は今でも十分幸せなんだ。
毎日好きな人と一緒に居られる事が何より嬉しくて、楽しくて。
…でも、あたし達は考えた。
もっと自由になりたい、と。
もちろん今の環境にも何ら不満は無いし、満ち足りてる。
…でもあたし達はより自由が欲しくなった。
ごめん、みんな。
あたし達、自由を求めて旅立つよ。
さようなら、みんな。
――シャーリー、ルッキーニ――
「……坂本さん……」
「あら、これが本当の逃避行ね」
「え―――――――――――――――――――――――――――――――――――」