besten dank


ミーナは各隊員の日報や各種報告書、始末書等に目を通した後、読みかけの本を開いていた。
背筋はしゃんとして椅子にもたれる事無く、両腕の開きも直角。
凛とした表情は、いかにもカールスラントの規律正しき武官、501部隊の最高指揮官と言った雰囲気だ。
時計の短針が九の字を指したちょうどその時、控えめにドアがノックされた。
「どうぞ」
ノックされた方を見ずに、本を両手でぱたんと閉じ、手元にそっと置く。
ドアがゆっくりと開けられる。
「お待ちしていたわ、坂本少佐」
「待たせたな」
「時間ぴったり。貴方らしいわ」
ミーナは椅子から立ち上がると、大きな徳利……にミーナには見えた……を手にした美緒を
部屋の奥に招き入れ、後ろ手にドアを閉め、鍵をしっかりと掛けた。

「しかし今日はすまんな。私の方から無理に誘ってしまって」
どんと大徳利をベッド脇のテーブル隅に置くと、どっかと椅子に座った。
ミーナは部屋の明かりを落とし、ベッドと周りの照明だけ付け、席に着いた。
部屋の一部分がまるで舞台の様に照らされるが、その灯火は柔らかで、二人の顔を包み込んだ。
ふたりきりのステージの幕開けだ。
「良いのよ。貴方の希望通り、準備も万全よ」
「ほう」
美緒はテーブルの上に広げられていたものに驚いた。
きんきんに冷えた氷、透き通る水、お湯、いくつかのつまみ。そしてふたつお揃いのコップにカップ。
「全て用意してくれたんだな」
「勿論。試すからには、とことん試さないと」
「何だかこれから取り調べを受ける感じだ」
苦笑いする美緒をじっと真正面から見つめ、ミーナは言った。
「そうかしら? 私はいつもこんな感じじゃなくて?」
答えに少し迷った美緒は、とりあえず大徳利の栓を抜いてみせた。
「さて、では早速ミーナご希望の味見……テイスティングと行こうか」
「喜んで」

「まずはストレートで行こう」
美緒はグラスにとぽとぽと焼酎を注いだ。透き通った水の様な液体がグラスの半分まで注がれる。
「あら、こんなに少ないの?」
「最初は軽く味見だよ」
ミーナはグラスを手に取ると、そっと匂いを嗅いだ。
ほんのり優しく香ばしい、不思議な香り。
感想をそのまま述べると、美緒はうんうんと頷いて言葉を掛けた。
「これは焼酎でも麦から作られたものだ。我が扶桑では麦の他に米やsweet potatoから作られるが、
麦由来のものが一番癖が無くて飲みやすい……と私は思う。個人的な感想だがな」
「なるほど」
「少しだけ、口に含んでみてくれ。やり方はワインのテイスティングと似た要領で構わない」
ミーナは言われた通りグラスを少し傾けた。口に含み、舌に転がし、鼻に抜ける香りを確かめ、
最後に喉越しを慎重に確認する。
反射的に、思わずこほっと咳をするミーナ。
「ああ、これはワインに比べて少々アルコール度数が高いから、慣れないと少しむせるかもな」
「先に言ってよ」
「すまんすまん、ミーナは酒が強いから大丈夫かと思ってた」
「初めてのお酒は飲み慣れないわよ」
「ウォッカ程ではないから安心しろ」
しかし早くも要領を掴んだのか、ミーナはもう一口含むと、すっと飲み干した。むせる事なく、喉を流れ落ちる。
「なかなかさっぱりしてるわね。この前の扶桑のお酒はもっとしっとりした感じだったけど」
「比べると確かにそうかもな。まあ、あれは風呂で飲んだから少し勝手が違う」
「お詳しいのね、坂本少佐?」
「こう見えても私は扶桑では酒に強い方だったからな。酒も文化交流の一環だ。
相手を知るにはまず己を知ること、とは先人の教えだ」
「ありがたい講釈だこと」
「さあ、ストレートの次は何が良い?」
「溶けないうちに、ロックはどうかしら」
「よし、やろう」
グラスに大きくかき割った氷を七分目程入れ、指三本分程焼酎をグラスに入れる。軽くグラスを回して、ミーナに差し出した。
グラスを傾けながら、ミーナが感想を述べる。
「あら、全然違った味ね」
「ああ。飲み方によってがらっと雰囲気が変わるのも焼酎の魅力だ。水割りや湯割りにしても、
水や湯との比率で味が変わるし、飲み易さも変わってくる」
「確かにウイスキーと少し似てるわね。でも、カールスラントのシュナプスにも近いかしら」
そのまま一杯飲み干す。ふうと息をつくと、美緒に言った。
「扶桑のお酒は不思議なものが多いのね」
「そう言って貰えると、わざわざ遠く扶桑から持ってきた甲斐がある」
「それは部隊の為? 私の為?」
「まずはミーナの為、と言わせて頂こう」
美緒はかしこまった言い方をしたあと、笑った。
ミーナもグラスを手に、微笑んだ。

ストレートに始まり、ロック、水割り、湯割りと一通り試した結果、ミーナの好みはロックと言う事になった。
「奇遇だな。私もロックが好きだ。前は水割りだったが」
「あら、それは楽しみね」
慣れたらこっちのものとばかりにピッチが上がる。
美緒も負けじと、ぐいと煽る。
「さすがね、美緒。今までどれだけ飲み相手を“撃墜”してきたのかしら?」
「ミーナ程じゃないさ」
気晴らしにつまみのドライソーセージをひとかけかじると、美緒もぐいとグラスを空けた。
にこやかに、あくまでおしとやかに。ミーナの飲み始めはいつもこんな感じだ。
戦闘以外のたくさんの部分……それはひどく退屈で面倒な事が多いが……
例えば他の武官や将官達、政治家との会合だったりする事も有るが、
そういう“ちょっとした”試練の場も、こんな感じでさらっと流す様に“戦って”きたに違いない。
美緒とは違う立ち回りの巧さを見て、ミーナも相当の手練だなと感じる。
ミーナの見えない苦労を察し、まだ年若き乙女なのにな、とグラスを手に呟く美緒。
「やだ、いきなり。何言うのよ」
しっかりと耳に入っていたらしく、ミーナが頬を染め、人差し指を美緒の口に触れた。
「口説くのはまだ少し早いんじゃなくて? 坂本少佐」
「すまん、ちょっと考え事をしていたら、ついな」
「天然ね」
相変わらずさ、と美緒は返した。

時計の針が回り、十時も半を過ぎた。
酒が多少回ってきたのか、ミーナは故郷のこと、祖国の先輩や同僚に部下、
そして同じ部隊に所属するトゥルーデとエーリカの事を話し始めた。
ガリア奪還が終わったら、いよいよ祖国カールスラントへ。
撤退直前に見た、燃ゆる故郷の業火が未だ忘れられない事。
トゥルーデと妹クリスの事。エーリカと、その妹ウルスラの事……。
祖国と仲間への思いは慈愛に満ちていて、特に直属の部下はまるで本物の家族かそれ以上に感じる。
ひとつミーナが話すたび、うんうんと聞いて頷く美緒。
実は酒の席のたびしょっちゅう聞いている事なのだが、ミーナからすればとても大切な事に違いない、
だから繰り返すのだと美緒は納得している。
そう言えば美緒はどう? と聞かれ、扶桑の事、芳佳の事、隊の仲間の事を軽く話した。
「そうね。なんだかんだいって、うまくまとまってる気がするわ」
「ああ。色々有ったが、問題ない。皆それぞれ気の合う相棒を見つけて、仲間を見出し、
戦果を上げて……立派じゃないか」
「私も同感だわ」
ミーナは首を少し傾げると、笑みをこぼした。
「あと他に、気になる事は?」
「それは、ミーナも分かってるんじゃないか?」
グラスをことんと置き、美緒をじっくりと見つめるミーナ。美緒はグラスに軽く口をつけると、
同じくグラスを置き、言葉を続けた。
「ミーナも知っての通り、私はウィッチとしての限界を超えつつある。
でも、まだ命有る限り、ウィッチとして、まだまだやらねばならん事は山ほどある。
宮藤の言葉じゃないがな、『守りたい』と言う気持ちに偽りはない」
「前に私が言っても、聞かなかったものね」
「あれは脅迫に近かったぞミーナ。正直、あのまま撃たれたらどうしようかと頭の隅にあった」
苦笑いをする美緒に、ミーナは微笑みかけた。
「本気で撃つとでも?」
「いや。銃より、ミーナの目の方が怖かったよ。美しいドレス姿にはちょっと似合わなかったな」
「あらあら」
ふふ、と笑うとミーナは美緒に焼酎を注いだ。グラスの氷が焼酎に掛かり、少し形を変える。
「おっと、ありがとう。でも、もっと至極単純な理由も有るんだ」
「それは何?」
「この大空を飛びたい。澄んだ青い大空を何処までも飛んでいきたい。
勿論、ストライカーは戦いの為の道具だし、我々も戦いの為に、ここに居る。
でも、たまにふと思う事もあるさ」
「飛びたい、と言う純粋な願いね。私も有るわ。好きな人と空を自由にずっと飛んで回れたらって」
「それは……」
「勿論、美緒よ。他に誰が居て?」
「そう言ってもらえると、嬉しいな」
柔らかな笑みをミーナに向けて、首の後ろを掻いた。ミーナはくすっと笑い、焼酎を口にする。

時計は更に時を刻み、日付が変わろうとしていた。
「ミーナ、飲み過ぎじゃないか?」
「そ~んな事らいわおぉ」
ミーナはろれつが回らなくなっていた。慣れている筈の美緒も、かなり言葉を聞き取りにくい。
残り僅かになった焼酎をグラスに空けるとぎゅーっと飲み干し、ミーナはテーブルにだらりと伸びた。
「……」
ミーナが何かをぶつくさ言っているのは分かるが、聞き取る事は出来なかった。
「大丈夫か。だらしないぞ、それでも“スペードのエース”“フュルスティン(女公爵)”と呼ばれた女か」
ミーナの顔を覗き込む。
「ナズェミデルン……」
返ってきた言葉は、流石の美緒にも理解不能だ。
「ミーナ、もうそろそろやめよう。ストップ。Halt.飲み過ぎだぞ」
ぐてーっとテーブルに突っ伏すミーナの肩をゆする美緒も、眠気に襲われたのか、割とぐだぐだだ。
暫く寝息らしいものが聞こえる。ミーナ、と声を掛けると、唐突にミーナはがばっと上体を起こした。
「…めぇ! 美緒は私の言うこと聞くのぉ! 上官の命令よぉ!」
ミーナはそのまま美緒の胸に飛び込むと、だだをこね始めた。
「私は美緒よりも偉いんだからぁ~。言う事聞けないのぉ? このっ悪い子ねっ」
(今日はこれか……)
美緒は苦笑いし、ミーナの肩を持つと、脇のベッドに寝かしつける。
ミーナは日頃の鬱憤を晴らすべく愚痴のオンパレードになる事もあれば、自分語りになったり、
妖艶なひとりの女性になる事もあり、そうかと思えば幼女みたいに甘えたり我が儘を言う事も。
その日の気分やテンション、彼女の奥に秘めた何かによって、酔いどれ方が変幻自在。
それもまたミーナの不思議な魅力……なのだろうか? 美緒は心の中で反芻した。
魅力と思っている事は、私はミーナの事を好いているのだろうか?
そもそも、好いていなければこんな事繰り返してはいないか。
自分も扶桑に居る時や、リバウの航空隊で同僚と飲んでいる時も、流石にこんな飲み方、付き合いはしなかった。
彼女はどうなのだろうか。
……もっとも、今の彼女にはそんな事頭に無いだろうけど。と、美緒は少し混濁気味の頭の中でそう締めくくった。
「言う事聞けない悪い子は、おしおきよ~」
傍らに立つ美緒を引き寄せると、服に手を掛けた。
「ミーナ」
力加減を誤ったのか、それともミーナの趣味か本性か、美緒の服をぶちぶちっと力任せに剥ぎ取った。
幾つかボタンがどこかに飛んだが、二人とも気にする様子はない。
美緒の上着が脱がされた。ミーナはいつもの事とばかりに、美緒の腕をひきずって絡めとると、
そのままベッドに引きずり込み、押し倒した。
上から覆いかぶさって、大きく息を吸い、吐き出すミーナ。美緒は澄ました顔でミーナを見上げている。
不意に抱きしめられる。
いきなり涙を流すミーナに、美緒は少し戸惑う。
「どうした」
「美緒……私が命有る限り、貴方の盾になりたい。貴方を守りたい。失いたくない」
酔いなのか本心か分かりかねた。しかし、言葉はかなりクリアになっている。
「有り難う。でもお前は隊の……」
「そんなの関係ないわ!」
「お前にはお前の使命がある。私にも。お互いそれを尽くすのが……」
「純粋な、私の願いよ」

いつになく真剣な目で見つめられる。
「美緒」
「ミーナ」
ぽつりと、ミーナは言った。
「貴方を、抱きたい」
「なら、これも要らんだろう」
美緒も手慣れたもので、ミーナの上着をするっと脱がす。邪魔とばかりに、ミーナは上着をベッドから投げ捨てた。
ついでにズボンも全て脱ぎ捨てる。
美緒のズボンは……ミーナは尻尾と耳をひょこっと出すと、力任せに破って捨てた。
いつもの事とばかりに平然としている美緒。
一糸纏わぬ姿で、ベッドの上で二人は見つめあった。
「手加減なしだけど……いいわね?」
「どうせ聞く耳もたぬ、だろ?」
その回答とばかりに、ミーナはきつく、唇を押し当てた。美緒に覆い被さり、脚を絡ませる。
はあっと熱く吐息を絡ませる。ベッドの上で、淫らにおよぐ身体。
ミーナは美緒の髪しばりを解き、本来の姿の彼女を目の前にさらけ出す。
美緒の頭を抱くと、唇を肌に重ね、首筋からうなじ、鎖骨、胸の膨らみへと舌を転がし、
更にねっとりと美緒の身体を舐った。
僅かに肌に滲む汗の味を確かめる。ぴくりと反応し、灼けつく吐息が漏れる。
首に、乳房に、幾つも吸い痕をつけていく。「これはじぶんのもの」と分かる様に。
美緒もミーナを抱きしめ、肌でお互いを感じ、胸のふくらみを受け、唇で感触を確かめ、
舌を絡ませ、味を確かめる。
垂れる雫もお構いなしに、なおも口吻を交わし、指を絡ませる。
呼吸のリズムが浅く、艶かしく聞こえる。お互いがお互いの吐息に酔い、心惑わされ、ふたりの中へと堕ちていく。
疼く身体を開放する。滴り落ちる蜜の味を指ですくって舐め、貪る様に、何度も唇を重ね、求める。
その姿は、とても淫靡で艶かしく、また少し野性的で……まるで使い魔の本性の如く、
ベッドの上で、二人の逢瀬は続いた。

一体何ラウンド“戦った”のだろう。息も尽きかけ、お互いを抱きしめる力も緩くなる。
ゆるゆると抱いたまま、ミーナは乱れもつれた髪をゆっくりかきあげ、美緒に頬を寄せた。
「美緒……私だけのもの。決して誰にも渡さない」
「それは私を愛している、と言う解釈で良いのか?」
ふふっと笑うと、優しく唇を耳に当て、美緒のストレートの髪を弄んだ。耳元で甘く囁く。
「そうよ。貴方しか居ない。私は貴方だけのもので、貴方は私だけのもの」
美緒もミーナの顔に触れ、頬を優しく撫でた。そうしてつつと顎に手をやり、すっと軽く唇を奪う。
唇が離れた。ミーナは美緒の瞳を見、問う。
「……美緒はどうなの?」
「言うまでもない。分かっているだろう?」
「分かってるからこそ、ことばで欲しいの。ねえ、美緒?」
「ミーナ、好きだ。愛している」
「ストレートね。扶桑の魔女らしいわ」
「ありがとう」
「だから、好きなのかもね」
ミーナはそう言うと目を閉じ、ミーナの胸に顔を預けた。
美緒の呼吸と胸の鼓動がゆったりと肌を通じて伝わる。
ミーナの呼吸も落ち着いてくる。美緒の頬に手をあて、呟いた。
「私も……美緒が居るから、がんばれるの。毎日を」
「これからも一緒に……支え合っていけるといいな」
「ええ」
二人、寄り添い、天井を見る。
「ふと、思うわ。美緒と一緒なら、このまま戦いが続いても構わないかなって。
……だけどそれは自分勝手な妄想で、そんな事絶対にあってはいけないと思う」
「でも、それもミーナの願いだろう?」
「純粋ではない。歪んでるわ」
「実は私もそう思う事がある。同じだな」
「佐官失格ね、私達」
「かもな」
再び、口吻を交わすと、束の間の眠りを二人一緒に味わった。

時計の針は更に進み、間もなく夜明けを告げようとしていた。
美緒は普段ならば起床し、早朝の自主的な鍛錬に向かう時間だ。
ミーナは上半身を起こすと、乱れた髪もそのまま、こめかみ、額に手をやる。奥が鈍く重く疼く。
「これだから、扶桑のお酒は……」
酒がまだ少し頭に残っているらしい。産まれたままの姿のまま、ベッドから降りる。
「二日酔いに良い方法を知ってるか?」
ベッドの上でけだるそうにする美緒が、ミーナと同じく一糸纏わぬ姿で、優しく声を掛けた。
「何かしら」
「迎え酒だ。酒には酒をもって制するってな」
笑う美緒の前に、どんとシュナプスのボトルが置かれた。ミーナの部屋の棚に置かれていたものだ。
「早速試しましょうか」
「おいおい、もう朝だぞ。訓練や朝食に、朝のミーティングはどうする」
「どうにでもなるわ。さあ。行くわよ、坂本少佐?」
言い出した手前、断る訳にもいかず……その理由も必要も無かった。
「喜んで」

その日の昼食。
「あれ、坂本さん。上着どうしたんですか?」
「どうかしたか?」
「ボタン幾つか取れてますよ? 私が繕ってあげましょうか?」
「ちょっと乱暴に脱いだからな」
いつもの事だ気にするなと豪快に笑い飛ばすと、ぽかんとする食事当番の芳佳を置いて、美緒は去った。
「少佐……」
同じく食事当番のリーネが、もじもじと芳佳をつついて言った。
「どうしたの、リーネちゃん」
「少佐の身体……」
「うん。なんかちょっと酒臭かったよね。また飲んだのかな」
「それだけじゃなくて……」
「え?」
「あらあら、どうしたの二人とも」
「な、なんでもないですっ」
ミーナの姿をみとめた途端、真っ赤になって食器の後片付けを始めるリーネ。
「??」
「二人とも、当番ごくろうさま」
今日のミーナはいつになく上機嫌だ。軽い鼻歌混じりに、ミーナは去った。
朝、具合が悪いと言ってミーティングをトゥルーデに代行させたのが嘘みたいだ。
「ミーナ中佐、なんか良いことあったのかな。ねえ、リーネちゃん」
「芳佳ちゃん……当番終わったら、あとで私の部屋に来ない?」

end



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