筋肉痛?
それはある日のお昼頃の出来事
「やっほートゥルーデ」
「こら、入るときはノックしろとあれほど言っただろ」
「いやさ実は今ノックするのも大変な状態なんだよ」
ノックするのも?
そういえば動きが妙にぎこちない
「まぁとりあえず座らせて」
そう言って私のいるベットに座ってくる
「どうしたんだ?」
「昨日さトゥルーデがいきなり訓練だって事で、海に泳ぎに行ったじゃん」
「ああ」
「それで私も無理矢理連れて行ったよね」
「日頃怠けてるからな,丁度いい訓練になると思ったからな」
「知っての通り私は泳ぎが犬かきしかできません」
「あれはあれで器用な泳ぎ方だと感心してるぞ」
「それ褒めてるの?
まぁいいや兎に角、得意でもない泳ぎをずっと付き合わされ私の体は筋肉痛でガチガチです」
「おまえそれでも軍人か?」
「普段使わない筋肉だからだよ。
それでねトゥルーデにはその責任をとってもらおうと思うの」
「ちょっと待て、なんで私が責任を取らなければならない?」
「だってトゥルーデが連れて行かなければこんな事にはならなかったし、
それにこんな状態じゃ出撃しても私役に立たないかもしれないよ?」
うっ確かにフラウはいつもはだらけているが、いざ戦闘となると別人のように頼もしい
もし、フラウが役に立たないとなればこれはかなり大きな穴となる
「・・・私にどうして欲しいんだ?」
「揉んで」
「はぁ!?」
「だから私の体をマッサージしてって事」
「あぁ・・・・・そういことか」
「あれ?なに想像したの?」
「うるさい!いいから早く寝ろ!」
「せっかちだなぁ」
そう言ってうつ伏せになるフラウ
「全体的によろしく」
やれやれ勝手なやつだ
それでもフラウの言うことはなんだかんだで従ってやるのは
私がフラウに甘いからだろうか?
「はやく~」
「まったくしかたないな」
とりあえずあまり強くやっても逆効果だろうから
軽くほぐす程度にしてやろう
「どうだ?」
「ん~ちょっと痛いけど気持ちいいよ」
「ん?ちょっと強かったか」
「あっそれくらい……っ……ぁっ………んっ!!」
バッシ!
「急に変な声出すな!」
「痛い・・・・頭はたかないでよ」
「おまえが変な声出すからだ!」
「いやぁ~トゥルーデがあんまりに上手いものだからついね」
「ついって・・・」
「ねぇトゥルーデ私の体どう・・・・・?」
「どうって・・・・・」
フラウの体
細くて繊細
この体が私と撃墜数を競ってるとは信じられない
私と違ってとても柔らかでそれでいて──
「筋肉痛がどうかって聞いたのに、なんで私の体をそんなにじっくり見てるの?」
「なっ!べっ別にじっくりなど見ていないぞ!」
「そっかぁ私の思い過ごしか」
「そっそうに決まっているだろ」
「でもじっくりマッサージしてくれのは嬉しいよ?」
「そうか?」
「うん。だってトゥルーデが私の体を触るのに集中してくれてるって事だからね」
そう言って、上気した頬をして
潤んだ目で私を見上げる
あぁまずい私は今興奮している
くるりと器用に私の下で体の向きを変え
「
ねぇ?トゥルーデ・・・・期待してる?」
この体勢
まるで私が襲っているみたいではないか
なんだか息が荒い
自分は今間違いなく期待してる
だから私はそっとフラウの顔に顔を近づけてた
互いの瞳にはもう相手のことしか写っていない
吐息が頬をくすぐる
我慢できず私はその残りわずかの距離を一気に──
コンコン
「!」
いきなりのノックの音に声も無く驚いてしまった
「トゥルーデお昼が出来たわ、食堂にいらっしゃい、ついでにフラウも呼んでね」
「あっああ分かったよミーナ」
驚いた、それに今この体勢を見られたらいい訳が出来ない
「ちぇっ残念」
そう言って私の下からするりとフラウが抜けてきた
「さてお腹空いたしおっ昼ごっはん~」
そう言ってスキップで出て行こうとするフラウ
ん?スキップだと?
「おっおい!筋肉痛はどうしたんだ?」
「あぁもう直っちゃた」
「直るって・・・・」
「また夜になったら再発するかもね。そのときはよろしく~」
そう言ってフラウは食堂に向かった
残された私はぼーぜんとベットに残されていた
「嵌められたのか?私は?」
あぁさすが黒い悪魔だ
無性に疲れた
倒れ込んだベットにはフラウの甘い香りがして
中途半端に高められたこの感情はどうすれば?
夜まであと数十時間
今日は長い一日になりそうだった
終わり