何回君を愛したら chapter.2


ミーナの口から今回のメンバーが発表される。

今回はどうやら、宮藤、リーネ、シャーリー、ルッキーニ、坂本少佐、ミーナ、私、そしてトゥルーデというメンバーで行くみたい。

よし、私がネウロイを撃墜して、トゥルーデにイイところを見せてやるんだから!

と意気込んでると。

「エーリカ」
「ん、なにトゥルーデ」
「あまり気張るなよ。それで怪我してしまっては元も子もないからな」
「うん、分かってる」

私達は互いに微笑み合う。


――何回君を愛したら chapter.2――


「バルクホルンとリーネは後ろに回れ!」

坂本少佐の指令が飛ぶ。
レベル的には大した事無いネウロイなんだけど、四方八方に拡散するレーザーのせいで意外な苦戦を強いられていた。

あのトゥルーデもこの厄介なレーザーにかなり手を焼いているみたい。

「くそっ、なかなかコアに切り込めんな…!」
「あのレーザーさえどうにか出来ればいいのだけど…」

レーザー…か…。
…よし…!

「…ハルトマン中尉…!何処行くのっ!?」
「おい、ハルトマン!戻ってこい!」

遠くで叫ぶ二人の声にも耳を貸さずに私は真っ直ぐネウロイへと向かう。
ここで私が早くこのネウロイを倒せばきっと、トゥルーデは私を…!



そう思った私の前にはネウロイ。
そしてすぐ目の前には、近付くレーザー。

こんな…レーザーくらい…!

ビシュウウウ…!


……白煙を空を舞う。
そして私の周りがやけに静かになってる。

何が…あったんだろう…。

気付けば、私はトゥルーデに抱き締められていた。

「トゥ…ルーデ…?」

私はトゥルーデの背中に手を回す。

……私の掌は紅に染まっていた。

こ、これは……血………!?

「…エーリカ…」
「トゥ、トゥルーデ……!?」
「…どうした……お前らしくも無い短絡的な行動、だったな……」
「もしかしたら……こっ…これ…トゥルーデのっ…!?」

ま…まさか…私をレーザーから庇ったのっ…!?

「大方、早くネウロイを片付けて…朝の続きをしたいと…思ってたんだろう…?」
「私っ…私っ……!」

私の視界が徐々に歪んで行く。

「美緒っ!早くネウロイをっ…!」
「し、しかし…っ…ミーナ…」
「美緒…!」
「…分かった…」

トゥルーデの瞼が徐々に降りてくる。

「エーリカ…」
「もっ、もう喋らないで!」
「戦闘に於いて…冷静さは欠いちゃ…いけないな…」

そう言うと、トゥルーデは私の体に身を預けるようにぐったりと倒れ込んだ。



トゥルーデの身体は、有り得ない程に冷え切っていた。

「トゥルーデ……?
ねえ、トゥルーデ……冗談でしょ……?
そんな冗談…面白く無いよ……?」

トゥルーデは黙ったまま、うなだれている。

……わ、たしのせいでこんな……

…あぁ、ダメだ…私…なんて……!


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


私の叫び声は、坂本少佐が倒したネウロイの破片と共に空に消えていった。


それは、空を切る。



To be Next chapter…



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