何回君を愛したら chapter.4
翌日。
私は医務室の前で佇んでいた。
「…はぁ…」
「勇気いるもんじゃないだろ、ドア開けるのなんて」
「シャ、シャーリー…!」
「ようやく自分の意志貫く気になったか。意外と早かったねえ」
「よ、余計なお世話だよ…。まだドキドキしてるんだから」
「堅物の事を本当に想ってんなら、勇気出して行けって!」
「えっ、ちょっ…うわぁっ!」
私は無理矢理シャーリーに医務室に入れられた。
――何回君を愛したら chapter.4――
「くっそー、覚えてろよ…」
そんな憎まれ口を叩きつつ、トゥルーデが寝ているベッドに向かう。
そこには目を瞑って横たわるトゥルーデの姿があった。
「トゥルーデ…」
あたしはすぐそばの椅子に腰掛ける。
「……まだ起きないんだね……」
私はトゥルーデの姿を見て、改めて自分の犯した行動の愚かさに胸を痛める。
「やっぱあたし…バカな事しちゃったな…」
トゥルーデの頬を撫でる。
当然それでは起きるはずも無い事を知ってるけど。
なんだか、やらずにはいられなかった。
今回の事は、私が焦ったばかりに起きた出来事だ。
だから誰も悪くないし、全部の責任は私にあると思っている。
「はぁ……」
…なんかトゥルーデを見てると罪悪感が沸いてくる。
自分のやった事がいかにバカらしくて、どれだけトゥルーデを傷付けたか。
…あ、ダメだ…。
泣いちゃダメだって思う程に涙が溢れてくる。
アハハ、私情けないや…。
トゥルーデが目を覚ましたとしても、多分トゥルーデは私を許してくれないと思う。
「ううっ…ごめんっ…トゥルーデッ…私っ、バカだったね……私なんかっ……!」
涙が込み上げてくる。
止まらない。止まらない。
拭っても拭っても…止まらない…。
「トゥルーデ……トゥルーデが私の事…嫌いになっても…私はトゥルーデの事……好きで居続けるからっ…!
……本当に……大好きっ…だからっ…!」
私はトゥルーデの手をギュッと握る。
「もう……トゥルーデを危険な目には遭わせない……これからは私が、トゥルーデを守るから…!」
誓う。力強く誓う。
ビーッビーッ
突然基地のサイレンが鳴り響く。
「なっ、なにっ!?」
「おい、エーリカ!ネウロイが出たぞ!」
「ええっ、なんだってこんな時にっ…!」
「ミーナ中佐んとこに行くぞ!」
「う、うん、分かってる!」
……トゥルーデ。
ネウロイが出たってさ。
今、トゥルーデが起きてたら、多分貴女は私を止めるだろうね。
でも、今の私は止めたってダメだよ。
私、トゥルーデの全てを背負って飛ぶから。
だから、だから。
「目覚めたら一番に、唇にキスしてね」
そう言って、私はトゥルーデの頬に優しく、口付けた。
「…行ってくるね、トゥルーデ」
…私、もう、何があっても泣かないから。
To be Next chapter…