禁欲ウサギ


シャーリーさんの様子がおかしい。

「………ぅうぁ~~~~~~~~………」
「ど、どうしたんですか、シャーリーさん…!目が死んでますよ…?」
「…お前誰…?」
「私ですよっ…!宮藤芳佳ですっ!」
「ああ、芳佳か…で、なに?」
「いや、尋常無いくらいフラフラしてるんで、どうかしたのかな、と」
「聞いてくれるか、リーネ」
「…私リーネちゃんじゃないです。宮藤芳佳です」
「実はな…」

―――――――――――――――――――

二日前

「ねえ、シャーリー」
「ん、なんだルッキーニ」
「あたし達毎日えっちしてるよね」
「ああ、そうだな」
「で、提案なんだけど…」


―――――――――――――――――――

「で、お互いを見つめ直す為にしばらく禁欲生活、と」
「ああ、そうなんだ、ペリーヌ」
「…私は宮藤芳佳です。あと私はペリーヌさんじゃないです」
「もうアレから二日なんだ…もうあたしいい加減限界だよ…」
「シャーリーさん…二日でその状態はちょっと早過ぎる気がします」
「頭はフラフラするし、腹も減らないし、頭はフラフラするし…なあ、宮藤」
「なんですか、シャーリーさん」
「お前、リーネとラブラブなんだろ?」
「えっ…その…まあ…はい…//////」
「もしもだぞ。
もしも、いきなりリーネからしばらくエッチ禁止だなんて言われたらどうするよ」

「…それはかなり嫌です…」
「だろ?」
「じゃあここはルッキーニちゃんに直談判してみてはどうですか?」
「…アイツ結構頑固なんだよ…一度言った事はなかなか曲げないからさ」
「そうですか……」
「………」
「………」
「…んぁぁああああああああああああああああああああああああ――――――――――――――――――――っ!!!!!
あたしおかしくなりそうだぁぁぁぁ!」
「シャ、シャーリーさん、落ち着いてくださいっ!」
「あああルッキーニの○○○を×××したいぃぃぃ!ルッキーニに♀♀♀されたぁぁぁぁい!!!!!
もう禁欲生活なんかやってられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「シャーリーさん、本当に落ち着いてください!目がおかしいですっ!」
「宮藤ぃっ!」
「な、なんですか、シャーリーさん」

すると、シャーリーさんは私の肩を力強く掴んできた。

「もうお前でもいい!宮藤ヤらせろ!」
「ええええええええっ!?
それはさすがにマズいですよシャーリーさん!
シャーリーさんにはルッキーニちゃんがいるし、私にはリーネちゃんがいるんですよ!?」
「バレなきゃオールオッケーだ!」
「全然オールオッケーじゃないですよ!
嫌です!私昼ドラの世界に片足突っ込むのだけは嫌ですっ!」

「…意外とクセになるぞ…?」
「なんですかその悪魔の囁き!
っていうかさも経験した様な言い方!」
「堅物…天国(昼ドラの世界)に行こうか…?」
「そんな爛れた天国行きたくありません!あと私は宮藤芳佳です!」
「…………シャーリィィィ………」

すると、私達の前にこれまたフラフラしているルッキーニちゃんが現れた。

「……ルッキーニ…どうしたんだよ、お前目の下にクマが出来てるぞ」
「シャーリーこそどうしたの…芳佳にマウントポジションなんかとっちゃって…」
「これはアレだよ…昼ドラごっこだよ…なあ、宮藤…?」
「……半分本気だったじゃないですか…」
「それよりどうしたんだよ…ルッキーニ」
「シャーリー………あたしもう禁欲生活イヤ……」
「…イヤってお前、お前がエッチしないって言い出したんだろ」
「あの……シャーリー…それは…撤回の方向で…」
「…そうか………」
「…………」

妙な間があったあと。

「……ルッキーニ」
「なに、シャーリー」
「今ここでお前が禁欲宣言を撤回したら、24時間耐久でベッドの上にいる事になるぞ…」
「望むところだよ、シャーリー…」

その時、私はシャーリーさんから“ブチッ”という何かが切れる音を聞いた。

「……ルッキーニィィィィィィ―――――――――――!!!!」
「シャーリィィィィィィ!!!!」
「お姫様だっこであたしの部屋へフルスピードだぁぁぁぁ!」
「きゃああああシャーリーったら大胆だよぉ!!
でもそんな所が好きぃぃぃ!!!」
「もう禁欲なんかするかぁぁぁぁ!!!!!!アハハハハハハ!!!!!」

ダダダダダダダダダダ……

私は疾風のごとく過ぎ去って行くシャーリーさん達を呆然とした顔で見送る。

「………なんだったんだろう……服は半分脱がされるし…………
……リーネちゃんに慰めて貰おうかな…」

それから24時間以上もの間、シャーリーさんとルッキーニちゃんは本当に部屋から出てこなかったとさ。

END


コメントを書く・見る

戻る

ストライクウィッチーズ 百合SSまとめ