smile
リーネちゃん、大丈夫? 昨日からずっと私にしがみついたままだけど……。
朝のミーティングの時も、私の手を握ったままで。
終わったら「もう帰ろうよ」ってリーネちゃんの部屋に連れ込まれて。
今リーネちゃん、ベッドの中で一応、私も一緒……。
午後から訓練だけど大丈夫? ……大丈夫じゃないよね。あとで坂本さんに言って、今日は休ませてもらおうよ。
……え? 少佐の事だから「訓練すれば直る」とか言い出すって? ……確かにありえるよね。
坂本さん、怖いもの知らずだからね。どうしよう。
そうだ、ミーナ中佐に言おうよ。そうすればきっと分かってくれるよ。多分。
そういえばミーティングのあと、シャーリーさん達が昨日の事、話してたよね。
まさかみんなして地下に行くつもりじゃないよね?
……思い出しちゃったって? ああ、ゴメン、そんなつもりじゃ。
落ち着いて。私がついてるから。安心して。
ほら。
こうやって抱きしめて、お互いの温かさを感じると、落ち着くんだよ。
リーネちゃんが前に教えてくれたんだよ。こうやって、温かさを肌で感じて、呼吸を感じて……
不思議と力が湧いてくるって。
リーネちゃん、あったかい。いい匂い……。
ね? リーネちゃんの言う通り。少し落ち着いて来たでしょ?
大丈夫。私がついてるから。リーネちゃん、絶対に離さないよ。
今までふたりで頑張って来たんだし、どんな事あっても、二人一緒なら頑張れるよ。
ネウロイだってたくさんやっつけたし、訓練もがんばってきたし。
そう。
私達ふたりなら、頑張れるよ。
だから、怖がらないで。大丈夫だから。
リーネちゃん、少し落ち着いた? まだ少し顔色悪いけど、さっきよりは良くなってるよ。
何か欲しいものない? 特に? ……そうだ、ホットミルクなんてどう?
温かいもの飲むと少し落ち着くって、ここに来て聞いたんだ。
私が作ってきてあげるから、ちょっと待ってて。……行かないでって?
台所まで行かないと、持って来れないよ。
じゃあ、一緒に行こう? 台所までなら、大丈夫だよね?
リーネちゃん、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。こんな姿見られたらみんなに誤解されちゃうよ。
それにほら、まだ午前中だし、お化けの出る時間じゃないから。
……ごめんね。そう言うつもりじゃなかったんだけど。
はい、出来たよ。沸騰させるとおいしくないって言うから、こんな感じかな。
お砂糖少し入れて、甘くしてみたんだけど、どう?
良かった。リーネちゃん、顔色良くなったよ。もう大丈夫だね。
みんなはって? 何処行ったんだろうね。訓練かな。
あ……見て見て。誰か飛んでるよ。あれは……バルクホルンさんとハルトマンさんだ。
凄いよね。さすがエースだよね。あの飛び方見るたびに感心しちゃうよ。
私もあんな風に飛べたらなあって。
……私もすごいって? 何処が? そんなぁ、大したことないよ。
私の取り柄って、治癒魔法くらいしか無いし。
リーネちゃんの方が凄いよ。ものすごく遠くから弾当てられるし、横で見てていつも凄いなって思うよ。
この前だって……。
もう部屋戻るの? うん、良いけど。
別に謝らなくてもいいよ。誰にだって苦手なもの有るし。
ほら、例えばバルクホルンさんって機械音痴っぽいし、
坂本さんは料理が……ほら、リーネちゃんもずっと横にいたから分かるでしょ?
私? 何だろう。やっぱり怖いの苦手だな。あと、本当は戦いたくない。それも苦手のうちになるのかな。
人を守る、私に出来るから、頑張ってるけど……本当は好きじゃないんだ。
でも、こうしてリーネちゃんと一緒に居ると楽しいし。リーネちゃんと知り合えて、本当に良かったと思うよ。
嘘は言わないよ。リーネちゃんと一緒。リーネちゃんの笑顔で、私もなんか元気になれるんだ。
なんか、二人で一緒に寝てると、幸せだよね。リーネちゃんの匂い……。リーネちゃんの髪……。
べ、別にヘンなキモチになった訳じゃないよ。ただ、リーネちゃんの事……ありがとう。
私もリーネちゃんの事、好きだから。
だから、もう少し、こうしていよう?
私、眠くなってきた……リーネちゃんも? 少し、一緒に寝よう?
二人一緒なら、きっと怖い夢なんて見ないよ。夢でも、一緒だよ。リーネちゃん。
end