サーニャさん崩壊シリーズ 「Празднуете меня(私を祝って)」
「そろそろ12時だね、エイラ」
「ああ、そうだな。」
ぎゅっ
「……メリークリスマス。」
「メリークリスマス、サーニャ。」
「ふふっ、エイラ、顔真っ赤だね。」
「言うなって!サーニャといるんだからしょうがないだろー。」
「…………。」
「……サーニャ?」
「私、やっぱり納得できない……」
「どうしたんだよ、サーニャ」
「ど う し て !
こ ん な 日 ま で !
哨 戒 に 出 な き ゃ い け な い の !?」
「そう怒ることないって。しかたないさ。」
「エイラは悔しくないの!?こんな、こんなことのために私は……っ!!
私達がこうしている間にもきっとみんなは基地の中で……っ!!
あったかい部屋で好きな人と二人っきりで××××、××××!!××!!」
「わーっ!!ヤメロ!!無線も入ってるんだぞ!?」
「だって───」
「サーニャにだって私がついてるじゃないか。
それにこうして、一緒に月を眺めているってのも悪くないだろ?」
「エイラ……」
「またラジオを聞かせてくれよ、サーニャ。
きっとクリスマス・ソングが聴けるぞ」
「うん……」
─・・──・、─♪♪─♪─……
「……"Jouluyo Juhlayo"だな。」
「私の国では"Тихая ночь"。」
「───Тихая ночь──♪ дивная ночь──♪
Глас с небес──♪ возвестил──...」
「……サーニャ、ちょっと待て。何か聞こえないか?」
「……?」
「今確かに、ラジオ以外の音が───」
《(ザザッ、ガガガ……)───美緒…!これってまさか…!結婚っ!?結婚なの!?そうなのね!?》
《おいミーナ、聞け、あのな……》
《美緒からのプロポーズ、喜んで受けるわ!
まさに美緒は私の婿って感じ?私は美緒の嫁って感じ?私は勝ち組って感じ?》
《違う!!これはあくまでただのプレゼントであって──やめろ!!左手薬指はやめ──!!》
…………。
「……私、やっぱり我慢できないっ!!」
「待て!!待つんだサーニャ!!フリーガハマーのロックを外すなぁ!!」
「私とエイラの間を邪魔するなんて許せない……っ!!」
「私はいいからさ!ほら、こうして手を繋げば──」
「私は!! エイラと!! あったかい部屋で!! ふたりっきりで!!
いっぱいえっちなことしたかったの────────────ッッッッ!!!!!!!!」
キュヴァッ!!
ヒュルルルルルル…………
────────────────
「コホン、えー、確かに私もはしゃぎすぎたかもしれません。
美緒のプロポーズがうれしくてつい……じゃなかった、とにかく仮にも神聖なる戦の場において
不埒な行動をとった非は認めます。認めますが、しかしだからといって、
味方の司令室にミサイルを叩き込んでいい理由にはなりません。わかりますか、サーニャ・リトヴャク中尉。」
「……『さあ、二人の夢の世界はこの白銀の夜から始まるのよ!!』……」
「おい、サーニャ。」
「私、ミーナ隊長のこと、見損ないました。つーん」
「つーんって……」
「わかりました。今回の件は上層部にも問題があったということで特別に不問とします」
「切り替わり早いな!」
「私だって上には知られたくないのよ!!これ以上予算を減らされてたまりますか!!」
「うわぁ……」
「とにかく、コトはガス爆発による事故として処理しますから、二人は部屋に戻って待機してください。以上です。」
「はあ……まったく、とんだクリスマスだよ。なあサーニャ?」
「ふふふ……エイラと部屋で二人っきり…ふふふふ……」
「サーニャ?」
「ねえ、エイラ……。」
ぐいっ
「クリスマスは、これから、だよね……?」
「あの、サーニャ──」
「今日は私がいいって言うまで付き合ってもらうから、覚悟してね……?」
「ちょ、待っ、サ、サーニャああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ─────…………」
バタンッ
終