悪魔の実


501解散後サーニャはスオムスに転属となった
その知らせを聞いた時そりゃ私は歓喜乱舞した
いくら心が通じていても物理的な距離は縮められない
解散の日が近づくにつれ二人ともだんだん元気が無くなっていった
そんな時のしらせだ嬉しくもなる
これでずっと一緒に居られる
そう考えると嬉しくてたまらない


 ◇ 


スオムス転属後もサーニャは夜間哨戒の任務に就くことが多い
501部隊より人数も多く前ほどでは無いが3日ペースでシフトが組まれてる
今日はサーニャはそのシフト日だ
私はお昼に出撃があったので残念ながら一緒に行けなかった。
・・・・もう早朝だしそろそろ帰ってくるかなぁ
と考えてくると扉が開いた

「ただいま」
「お帰り。お疲れさん」

サーニャだ
501時代は‘本人曰く’寝ぼけてらしいが今は普通に寝に私の部屋にやってくる
いや寝る時だけじゃなくて普段の生活でもたいていこの部屋に居る。
今のサーニャの部屋はほぼ荷物置きのようになってしまった。
私とサーニャの私物が置いてある部屋
だから‘おじゃまします’じゃなくて‘ただいま’
そう考えると私の部屋じゃなくて二人の部屋だなぁと
思考に耽っていると
サーニャがしなだれるように抱きついてきた

「うわっ」
「・・・・疲れた」
「あぁお疲れさん」

ビックリした
普段というか人前では消極的な癖に二人っきりになると結構大胆な行動を取ってくる
とりあえず背中に手を置いて抱きしめる
・・・冷たい


「サーニャ冷えてる」
「・・・うん」
「ごめんなぁ今日一緒に行けなくて」
「しかたないよ・・・そういえば今日一緒に夜間哨戒についた人が聞いてきたよ」
「ん?なんて?」
「エイラさんと仲がいいんですねって」
「ふ~ん」
「それからどんな関係なんですか?って聞かれたよ」
「えっ!」
「ふふっエイラ人気だね」
「そっそんなんじゃネーヨ。でサーニャはなんて言ったんだよ?」
「・・・秘密」
「えーなんだよそれ」
「エイラはなんて応え欲しかった?」

そう言って私の胸にうずめていた顔あげ見上げてくる
見上げるサーニャの顔
赤く染まった顔で・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
ふと思い立って
ヒタリとサーニャの額に手を当てる
・・・熱い

「・・・・・・サーニャ風邪引いてないか?」
「んー」

私の手に額をこすりつけてくる
なんか猫っぽい
目も閉じたままだし

「んーじゃなくてさぁ」
「・・・・そういえばなんか怠いかも」
「おいおい」

困ったなぁ
確かに環境の変化や初対面の人
それからいきなりの任務といろいろ忙しかったし
疲れもストレスも溜まったのかもしれない

「とにかく水とか果物とか持ってくるから寝とくんだぞ」
「んー」

・・・・・ホントに分かってるのか心配だけど
おとなしくベットに入ったのでまぁ大丈夫だろう


 ◇ 


さて厨房に来たわけだけど
・・・普通に朝食は食べれないよなぁ
こんな堅いパンとか美味しくないし
といわけで果物だ

「果物果物~」

ごそごそと漁るがなかなか無い

「ん~と・・・おっ!なんかあった」

発見したのはリンゴ
まぁ妥当かなぁ
さて食料も確保したことだし帰るかと思った時に

「あれ?エイラさん朝食取らないんですか?」

隊のメンバーに話しかけられた

「あぁサーニャがさぁ風邪引いちゃってさ、とりあえず後で食べるよ」
「・・・そうですか」
「じゃっ」
「まってください!」
「ん?」
「あっあの・・・・・サーニャさんと仲良いんですね」
「あーうんまぁ」

あれ?どっかで聞いた事が有った気が・・・

「ふっ二人はどんな関係なんですか!」

なぜか食堂がシーンとした
何時のまにか食事を取っていた隊員の目線が集まってる
目線が痛い

「えっーと」
「どっどうなんですか?」
「私とサーニャは・・・」

なぜか空気が張り詰めている
なんでいきなりこんな展開になってるんだ?
別に良いじゃないか私とサーニャの関係なんて
確かに基地に戻ってからも隙あらば二人で居たけど・・・

あっ今頃思い出した
さっきサーニャがされたと言う質問だこれは
うーんなんて答えよう
サーニャはなんて言ったんだろう・・・・

「えーと・・・秘密?」

ついサーニャに言われた事を言ってしまった。

「・・・なんで疑問系なんですか?」
「とっとにかく私サーニャにリンゴ届けなきゃいけないんだ。じゃ!」

そう言って走って逃げた
後ろからなにか言われたが無視
とてもじゃないが恥ずかしくてサーニャとの関係なんて言えない


 ◇ 


「ふうー」

到着
なんか疲れた

「帰ったよ」
「・・・・うん」

やっぱり怠そうだ
こういうのは自覚すると怠くなるからなぁ

「リンゴ持ってきたけど食べれるか?」
「・・・うん」
「よっし」

持ってきた果物ナイフで皮を剥いていく
そう言えば風邪なんて私はずいぶん引いてないなぁ
そんなことを考えていると一個向けた
それを適当に切り分ける

「ほら向けたぞ」
「うん」
「食べないのか?」
「食べさせてくれないの?」

さも当然のように聞いてくる
つまり食べさせろと

「あーん」

そう言って寝たまま口を開けるサーニャ
うっ恥ずかしいけどまぁ他に誰か見てるわけじゃないからいいか


「あっあーん」
「ん」

そう言って口に運んでやる



リンゴに歯を立てたのは良いが噛めてない
・・・このリンゴ堅かったかなぁ
とりあえず食べるだけで体力をかなり体力を消費しそうだ
うーん

「しょうがないからすり下ろすかなぁ」

食堂に道具あったけ?
と思案していたら

「ねぇ?エイラが食べさせてくれないの?」
「ん?だから今からリンゴをすり下ろしてだな」
「だからエイラが食べさせてくれないの?」
「ん?」
「口で」
「口で?」
「そう口移しで」
「・・・・」

ん?

「えっぇぇぇっぇぇぇぇっぇぇぇっぇぇ!」

叫んでしまった
いやこれは叫ばずにはいられない
なにを言ってるんだ?
たったしかに深いキスする時も有るけど
そんな・・・口写しだなんて・・・・

「してくれないの?」
「・・・・するしない以前の問題だと思うぞ」
「でも固くて食べられないよ?」
「だから卸金で・・・」
「・・・・・また一人にするの?」

卑怯だ
そんな風邪で弱った時にそんな事言うなんて
いつからこんな大胆に・・・・

「・・汚いぞ?」
「エイラは汚くなんてないよ?」
「うー今日だけダカンナー」

ホントに今日だけにして欲しかった

 ◇ 

とりあえず一つ切ったリンゴ口に含む
確かにちょっと固いなぁ
とりあえずある程度かみ砕いた
・・・ホントにしていいのかなぁ

「ん」

そう言ってサーニャは目をつむる
まるでキスするときみたいじゃないか
まぁいまからそれより凄いことするんだけど・・・・
はぁーいつまでもこのままじゃ駄目だな
よし
覚悟を決め顔を近づけた

「ん」

唇を合わせ砕いたリンゴを渡す
慣れてないせいか隙間からこぼれて頬を汚してしまった。
舌で私の口内からリンゴを取って飲み込んでいく
リンゴ無くなったら今度は私の舌に絡めてくる
まるで催促するように

「ぷっは」

私が限界だった
息する余裕なんてなかったからだ。
かなり深くキスしたせいか二人の間にまだ糸が張ってる
おたがい果汁やら唾液やらでべたべただった
それがなんだが酷く淫靡に見える

「・・・ねぇエイラおかわりは?」
「えっ!」

まだやるのかよ!
私は一回で限界だった
いろんな意味で限界だった

「ねぇエイラ?」

あぁそんな声で言うなよなー
なんだかんでサーニャの言うことは断れない自分
弱いなぁ・・・

また含み重ねる
流し込むようにしてまた舌を絡める
あぁ頭がぼんやりしてきた
ニチャニチャと粘膜がこすれる音が部屋に響く
口内で舌と舌が絡まり合い、混じりあったものが口の端からトロトロと垂れ落ちた


「んっ」

サーニャが吐く吐息が頬をくすぐる
お互い上気した頬で
息を荒くしていた
柔らかな唇、熱い舌、甘い吐息

もう食べさしてあげると言う感じでは無かった。

「ねぇ・・・」

サーニャが催促する
わかってる
私は切ってあるリンゴ一つ口に含み
またサーニャと重なった

結局リンゴが全部なくなるまで、サーニャにリンゴ食べさせた


 ◇ 


翌日

「ぅ~~~~~っのどが痛い」

風邪引いた。
あたりまえだ、あれだけ風邪引きの人間といろいろしたんだから
う~む結局最後は自分もノリノリで行為に至ってしまった。
誘われると弱いなぁ

「具合どはどうエイラ?」
「・・・怠い」
「ふふっ私と同じだね」

そりゃそうだサーニャの風邪を貰ったんだから
サーニャは今日になると元気になっていた
私に移したからだそうに違いない

「なにか食べる?」
「んーあんまり食欲無い」
「でもなにか食べないと・・・・」
「でもなぁ」
「あっ」

なにかを見つけて手に取ったサーニャ
リンゴ?

「・・・食べる?」

昨日の残りまだあったのか
全部食べたと思ったのに・・・


「うん」
「まってて今剥くから」
「んー」

うー風邪引いたのなんてホント何時以来だろうか?
こんなに怠いとは・・・

「早く直らないかなぁ」
「早く直したいの?」
「そりゃ怠いし・・・・」

確かに訓練に出ずにずっとサーニャと居られるのは嬉しいがこの状態はきつい

「・・・・じゃ明日までに直す?」
「そうだなー明日までには直したいナァ」

でもさすがに無理かもナー

「大丈夫。私も一日で直ったんだから」
「そりゃまぁあんだけ汗かけばなぁ・・・・」
「だから昨日やった事をもう一回すれば直るよ」
「へっ?」
「大丈夫だよ、私が食べさせてあげるから」
「えっ!まさか・・・・口で?」
「うん」

笑顔で答えるサーニャに私はもちろん抵抗できるわけが無かった。


おわり


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