こんにゃん物語~マーマのパスタは世界一!!~


 ─ きょうのお昼当番はルッキーニとエーリカ…のはずが、なぜか芳佳 ─

メニューの相談をして結局ルッキーニの意見でパスタにしようということで、朝から眠気と戦いながら準備がすすむ。

 ル「ねぇ芳佳、いつもはリーネと一緒の当番なのになんで今日は私となの?確か今日の芳佳の当番は夕食…だよね?」
 芳「あーあのね、昼当番のハルトマンさんが寝坊で無理だからって交代させられちゃったの。。。」
 ル「ふぅーん、じゃあ夜はリーネと中尉なの?なんかヘンなもの食べさせられそうでコワイなぁ…」
 芳「えっ!?いくらなんでも…ねぇ、それにリーネちゃんが一緒だからヘンな物にはならないと思うよ…たぶん…」
 ル「まぁいいや、今日はパスタにするんだから気合入れなくちゃ!」

雑談もそこそこにルッキーニの目つきは真剣そのもの、いつもの乾性パスタじゃなくて
今日は手打ちなので失敗は許されない。

 ル「よしできた!コレで完成だよー。みんな喜んでくれるかな?」
 芳「ミートソースも出来たよー。これでいいか味見してみて?」 ル「うん、オーケイ!これならみんな大喜びだね!」

そうこうしているうちに皆が食堂に集まってきてにぎやかな昼食が始まった。
二人が作ったミートソーススパゲティは製作者の心配をよそにおおむね大好評であったのだが、
朝食でもいなかった二人分の空席が目立つ。

 芳「エイラさんとサーニャちゃん…まだ起きてこないのかな?」
 ル「いつものことだから心配しなくても大丈夫だよ、それにコレはあとで暖め直せばいいんだから」
 芳「それもそうだね、私たちも早く食べちゃおうよ、私は午後から訓練だしルッキーニちゃんはシャーリーさんと哨戒に行くんでしょ?」

二人が残り少ない時間であわててパスタを掻き込んでいる頃になって、噂の二人が遅めの昼食のために起きてきた。

 エ「オハヨー」 サ「…おはよう、ございます…ムニュムニュ」
 芳「あっ、エイラさんサーニャちゃんおはよう」
 エ「オッ?今日はパスタか、サーニャ、ココへ座ってナプキンを巻いて…」 サ「ありがとうエイラ」
 ル「二人ともおそいよー!もう少しで無くなっちゃうところだったよ~」

ルッキーニのボヤキを聞こえない振りして黙々と食を進める二人。

 エ「コレウマイナーサーニャ」 サ「これおいしい…ルッキーニちゃん」 ル「まぁねー、実家のマンマの味だからねー」
 エ「ホラホラサーニャ、ここにソースがついてる(フキフキ)」 サ「ありがとうエイラ//」 なぜかサーニャは赤くなる。
 エ「ど、ドウいたしましてナンダナ…」 エイラも同じぐらい赤くなって声が裏返ってしまう。

 シ「おっお二人さん、今頃起きてきて昼食かい?」 ル「あっシャーリー、私のパスタ美味しかった?」
 シ「ああ、とっても美味かったよ。今度一緒に作らないか?」 ル「ほんと?わーい、また今度作ろうっと」

 芳「あっリーネちゃんお帰りなさい」 リ「ただいま芳佳ちゃん、急な当番で大変だったね」
 芳「そんなことないよー、たまにはいいかなって…それじゃ夕食当番はがんばってねリーネちゃん」
 リ「…ハルトマン中尉が暴走しないように気をつけるね」 芳「…そうだね」
 芳「そう言えば坂本さんは?」 リ「今日の訓練はなんだか疲れたって言って部屋に戻ったわよ」
 芳「そう…なんだ…夕方までには元気になるよね」 リ「そうだといいけど…」

それぞれ雑談をしているうちに皿の上にあった二人分のパスタがどんどん減っていき…
ついにはお互いが引き寄せられるように同じ麺を両端からツルツル…

 ハ「おおっ!これはおもしろくなるかも…トゥルーデ、カメラ貸してー!」 バ「カメラなんか借りていったい何を撮るんだ?」
 ハ「いいからいいから…もうすぐだよ」 バ「おいハルトマン、アレはいくらなんでも…」
 ギャラリー「あ…(もうちょっとで…ドキドキ)あぁ…(ドキドキ)あともうちょっと…」

周囲が見つめる中、ついに最後の一本が二人を引き寄せる…『スルスル、スルリ…チュッ♪』

 ギャラリー「!!!(キャーーー!)」 エ・サ「アッ!!(やっちゃった…)」

パシャ、パシャ、ハルトマンがその様子を何枚も激写。
 バ「おいハルトマン、フィルムが勿体無いからそれぐらいにしておけ!」 ハ「はーい。(まぁいいか)お二人さーん、あとで写真あげるからねー」
バルクホルンに引きずられて二人で退場。

周囲では喜ぶやら囃し立てるやら呆然として卒倒するやら…とにかく大騒ぎ。

 エ「ゴ、ゴメンサーニャ…///」 サ「…ううん、いいの…エイラだったから許すよ///」 エ「サーニャァァァ!」
 シ「さーていいもん見れたしそろそろ行こうかルッキーニ」 ル「シャーリー、あたしもあれやりたーい」 シ「ハハッ、そのうちなー」
 リ「芳佳ちゃん、私たちも…」 芳「リーネちゃん、お昼まだだったら続きは私のお部屋でね…」
 ペ「あぁ…今すぐ少佐とパスタをご一緒したいですわ…」 ミ「美緒!美緒ーッ!どこにいるのー?」

─ 食堂に残された二人はお互いの尻尾を絡ませながらいつまでも見つめ合うのであった ─

 end


 おまけ:
 美「びぇっくしょい!ブルブル…なんだこの悪寒は…やはり今日はおとなしく寝ているのが吉かもしれないな」

訓練後昼食を摂らずに自室に戻ったので食堂で何があったのか知る由もなく、後日パスタが食卓に上がったときに周囲の様子に違和感を覚えることになるが、それはまた別のお話。
(なぜか坂本の両脇に座ったミーナとペリーヌが恐ろしく真剣な表情で左右から同時にパスタを差し出してくるのをどうやって対処しようか困惑することに…)

 おまけその2:
 ハ「おーいお二人さーん、この前の写真出来たよー」
 エ「ばっバカッ!恥ずかしいから写真をそんなにピラピラ振り回すなヨー!///」 サ「…(エイラとパスタでつながった…写真…)//」


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