サーニャの夜のお勉強


「あの、お願いがあります・・・見学させてもらってもいいですか・・・?」

ベッドの上で固まっている芳佳ちゃんとリーネさんに私はお願いした
「け、見学って何を・・・?」芳佳ちゃんが聞いてくる
「だからその・・・二人の行為を・・・」

「ちょ、ちょっと待って!」リーネさんが立ち上がり私の肩を抱いて語り出す
「あのね、サーニャちゃん。エイラさんと何があったのかは聞かないけど、
愛の形っていろいろあっていいと思うの。だからその・・・なんていうか・・・
そ、そう!人のことは気にせず自分達の愛を信じればいいんじゃないかな?」

リーネさんが優しく諭してくれる。だけど・・・
「だけど私、不安なんです・・・私とエイラのやってることが本当に正しいのか・・・
エイラったら時々私を子ども扱いするし・・・だからその、
私達のやってることはただのスキンップなんじゃないかって・・・」

「協力してあげようよリーネちゃん!」芳佳ちゃんが立ち上がりリーネさんの腕を掴む
「サーニャちゃんだって不安なんだよ。夜も眠れないくらいに。
見学させてあげることでサーニャちゃんも自分達が間違ってないって安心して
ぐっすり眠れるなら、それは人助けになると思うよ!」芳佳ちゃんがリーネさんを説得する
「・・・そうかな・・・そうかも・・・そうだよね・・・そうかしら・・・」
「そうだよ!だからほらっ!」
「キャッ!」芳佳ちゃんがリーネさんを強引にベッドに押し倒した

「それじゃお願いします・・・」私は頭を下げた
「うん、それじゃリーネちゃん・・・ちゅっ」
「ぁん、芳佳ちゃん・・・」

体中が熱い。まるで普段使ってない血液まで体内を循環してるみたい。
体の震えがすごい。ここは戦場?それとも地震?

「あぁ、リーネちゃん!いいよぉ!」
「わ、私も!芳佳ちゃん!芳佳ちゃぁん!」

二人の行為は激しかった。戦い以上にアグレッシブな芳佳ちゃんに、普段は控えめなリーネさんも
大きな声で全身で応えている

「リ、リーネちゃん!私もうらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「わ、私もぉ!芳佳ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
二人は全身から嬌声を発し、果てるとベッドで抱き合いキスをした

「あ、あの、有難うございました」
きっと真っ赤になっている顔を見られたくないので私はうつむいてお礼を言った

「はあはあ、サ、サーニャちゃん、安心したでしょ?今日はゆっくり眠ってね!」
(今日のリーネちゃん可愛かったな・・・こういうのもいいかも・・・)
「はあはあ、芳佳ちゃん、今晩はサーニャちゃんだって・・・ねえ?うふふ、困ったらまたいつでも来てね」
(今日の芳佳ちゃん激しかったな・・・こういうのもいいかも・・・)

脈打つ体を抑えながら私は二人の部屋を辞した

体の震えが止まらない。乱気流に呑み込まれちゃったみたい
熱を帯びた体は今はだんだんと快感にすら思えてくる。それなのに・・・この寂寥感は何?

(ううん、きっと二人は特別なの。あんなに仲良しだし、歳だって近いし・・・
そう、だから気兼ねなくお互いの愛をぶつけられるの・・・きっとそう・・・)

自らを鼓舞し決死の足取りで向かったのはシャーリーさんの部屋だ

(ルッキーニちゃんは私より年下だし、シャーリーさんといるとまるで親子みたいだし・・・
だからきっと、親が子育てするように、優しく愛を育んでいるはず)
そう信じ、私はシャーリーさんの部屋をノックした

「なに~見学ぅ?あっはっは、サーニャも変な奴だな~エイラと喧嘩でもしたか?」
「しっしっし~。さーにゃんのエッチ!」

からかうような口調の二人に、赤黒くなってそうな顔を必死で振りながら否定した
「そうじゃないんです!ただ、私とエイラのしていることが間違っていないって確認したくて・・・」

「ふ~ん、よくわからないけど、見学くらい構わないぞ」シャーリーさんがいつものおおらかな口調で答える
「ああん、見ててもいいからシャーリー早く~」ルッキーニちゃんは臨戦態勢だ

「そ、それじゃお願いします・・・」
「おう!いくぞ、ルッキーニ・・・ちゅっ」
「・・・えへへ、シャーリ~・・・」

なんだろう、貧血じゃない。むしろ血が昇り過ぎ・・・?
頭がくらくらする。このまま蒸発しちゃったらどうしよう・・・

「ああ、凄いぞルッキーニ・・・お、おまえはやっぱり・・・天才だ・・・!」
「いひひ~シャーリー大好きー!えい!どうだ!」

信じられない・・・私より年下のルッキーニちゃんがあのシャーリーさんを
手玉に取るようにリードしてる・・・それに、あれは何?
「ヴィィィィィン・・・いっしっしー、シャーリー気持ちいい?」
「バ、バカ!ルッキーニ!そこは・・・はあぁぁぁぁん!」

見たこともない道具を自在に操り、ルッキーニちゃんはシャーリーさんを攻め立てる
普段は豪放磊落なシャーリーさんが、まるで人にあやされるウサギのように見える

「あ、あの!有難うございました!」
「はあはあ、なんだサーニャ、最後まで見ていかなくていいのか・・・うぅん!」
「さーにゃんバイバーイ!にしし~シャーリー次はこっちか!」

もはやまともに立っていられそうもない体を引きずるように、
尻尾でバランスを取りながら逃げるように私はシャーリーさんの部屋を辞した

頭の中が麻痺してきた。考えを巡らすたびに体が締め付けられるようになる

(ルッキーニちゃんは天才肌だし、きっと成長が人より早いんだ・・・
その成長の手助けをする為、シャーリーさんは身を投げ打って応えてるの・・・
絶対そう、絶対そう・・・それにしてもあの道具はなんだろう・・・)

最後に向かったのはミーナ中佐の部屋だ
(ミーナ中佐と坂本少佐はもう分別のある大人だし、きっと節度のある愛を育んでいるはず・・・)
嫌な予感で足取りも重かったが、なんとかミーナ中佐の部屋にたどり着いた私は
一縷の望みをかけて部屋をノックしようとした。その時・・・

「ピシィッ!」部屋から何か叩くような音が聞こえた
私はそっと耳を扉に寄せ、中の様子を窺った

「ピシィッ!ピシィッ!いいわ美緒!もっと!もっと強くぅ!」
「わっはっは、相変わらずミーナも変わった奴だ!だがその痛みに耐える顔は
妖艶でいい!わっはっは!そらっ!」
「ピシィッ!ああ、美緒、素敵!素敵よぉぉぉ!」

扉に頭から倒れこみそうになるが必死で踏ん張り、私はそのまま扉の前から立ち去った

洗面所の鏡を覗く。赤くなっていると思っていた私の顔は、
幽霊のように青褪めている
(ペリーヌさんに言われるのも無理ないな・・・)

なんの為にみんなの部屋を訪れたのか、目的も頭の中から飛んでしまった
空虚な頭でふらふらとエイラの部屋へ戻ると、部屋を忙しなくうろうろとしているエイラがいた

「おオ!なんだサーニャどこか行ってたのカ?うん?顔が青いゾ、大丈夫カ?」
優しいけれどちょっと頼りないエイラ。だけど・・・

「まったく、風邪引くゾ?風邪薬もって来てやるからナ。・・・ほら、ってこれ胃薬ダ」
いつも心配してくれるけどどこか抜けているエイラ。だけど・・・

「ちゅっ」
「な!い、いいいいきなり何すんダー!」
顔を真っ赤にし、鼻の下を伸ばしながら怒ってるのか喜んでるのかわからない、
器用なのか不器用なのかよくわからない不思議なエイラ
そんなエイラがやっぱり私は大好き

リーネさんも言っていた。人にはそれぞれの愛の形があるって。だから・・・
「ねえエイラ、体が冷えちゃった。温めてくれる・・・?」
「は、恥ずかしいこと言うナヨー。ったく、今日だけダカンナ・・・?」

抱き合うと二人でベッドに腰をかける
やっぱり私にはエイラくらいがちょうどいい、ううん、エイラじゃなきゃダメ
それぞれがお互いを信じるように私もエイラを信じればいい。ただそれだけ
それがよくわかった。だから今日はとても良い勉強になった
・・・そうだ、今度エイラと一緒にみんなを訪ねてみようかな
また新しいエイラが発見できるかも・・・うふふ

「エイラ・・・大好きだよ」
素敵な想像をめぐらしながら、私はエイラに身を委ねた


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