ミーナさん崩壊シリーズ「姫初めシンドローム」
「美緒!姫初めよ!」
「…お前は正月からなんて事を…正月くらいゆっくりさせてくれ…
せっかく総集編をやったばっかりだと言うのに…」
「扶桑には姫初めという風習があるんでしょ?」
「必ずやる風習というわけでは無いが…やりたい人がすれば良いだけの話で」
「じゃあヤりましょうか!今年一年の始まりに愛し合う二人の運試し!」
「まあ、宮藤とリーネはもうやってるかもしれないが。あの二人は恋人同士だしな」
「ああ、私が美緒と姫初めをするのは一体いつかしら」
「心配しなくとも絶対に一生来んから、無駄な心配はしなくて良いんじゃないか?」
「酷いわ!貴女の事を思って大晦日はずっと大人しくしてたというのに!」
「ああ、なんか平和だと思ったらそうだったのか。何故それを持続出来ないんだ?
お前のソレさえ持続すれば世界はまるっと平和だと言うのに」
「バカ!この溢れ出る性欲を抑えるのは、本当に大変だったんだから!
褒めて、美緒!さあ褒めて!」
「ああえらいえらい」
「素っ気ない!素っ気ないけど嫌いじゃない!
そんな態度をとられる度に私は貴女を好きになるわ!」
「とにかく姫初めというのは本当に好きな人とやるものだ」
「だから私は美緒を本当に好きだからいいわよね?」
「…訂正。両想いでないと姫初めというのは成立しない」
「あらあらあらなんて予防策」
「とにかく正月は大人しく過ごそうじゃないか。ほれ、おせちでも食べようじゃないか」
「…そうね」
(…やけに素直だな…なんだか怖いが…)
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夜
「私は夜の女王様よ…美緒…貴女の操いただきま」
「何をしてるんだ、ミーナ」
「あら起きてたのね。
何って夜這いに決まってるじゃない。野暮な事聞くわね」
「じゃあ私もお前にとっては野暮な事を聞くか。
何 故 夜 這 い を す る ? 」
「姫初め!」
「うるさい!堂々と答えるな!」
「おかしいわね。夜這いのスペシャリストに夜這いの方法を聞いたはずなのだけど」
「…誰だ、その夜這いのスペシャリストというのは」
「フラウ」
「後でシメとくか」
「貴女は気配を感じる事が出来るのね!スゴいわ!」
「気配云々じゃなくて私は常にお前に対しては警戒しているぞ?
知らなかったのか?」
「カッコいい!更に惚れたわ!」
「とにかく、夜這いは止めとけ」
「残念だわ…貴女が眠っているうちに貴女の全てを奪って、何事も無い朝を迎えたかったのに」
「お前そんな事考えていたのか!
怖い!怖い!それはお前、立派な犯罪者の考えだろ!」
「何を言ってるのかしら?これは純愛故の過ちよ…」
「それを言うならお前の人生全て過ちだ!」
「過ちも過ぎれば真実となるわ…貴女もそう思わない?美緒」
「もう帰れ!」
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数日後
「ハルトマン」
「なに?坂本少佐」
「ミーナに夜這いを教えたのはお前か」
「そーだよ」
「何故教えた。そのせいで私は新年早々いろんなモノを失う所だったんだ」
「アハハハ、もういい加減ミーナの気持ちを受け入れたら?」
「…ミーナがもう少しマトモになってくれたら、考えない事もない…なんだそのニヤニヤ顔は」
「…なんだかんだ言って坂本少佐もミーナの事好きなんだね」
「バカ言うな。ただの戦友だよ」
「フフフ、どーかな」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、なんでもなーい(…本当に素直じゃないんだから、ミーナも大変だね)」