第16手 目隠しだーれだ?
「だーれだ?」
「声はルッキーニ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声はハルトマン、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声は宮藤、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声はサーニャ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だ、だーれだ?」
「声はペリーヌ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「おい堅物、なんであたしだってわかるんだよ!?」
目隠しされた手をほどき振り返れば、リベリアンは不思議そうな顔でそう訊いてくる。
「……なんとなく、そんな気がしただけだ」
私は曖昧に言葉を濁した。
まさか本当のことなんて言えるはずない。
背中に押しつけられた胸のサイズでわかったなんて。