ハートのプレゼント


ついにきた…決戦の日だ…。
今までの私の好感度によって今日の成果が決まる…。
私はしっかり用意したぞ…。今日ばかりは頑張ってハート型だ!
サーニャからは義理か、本命か…。はたまたハート型か、別の形か…。
ああああ怖えぇぇぇーー!!
頼むぞおぉぉぉ!サーニャーー!!!

「エイラ?どうしたの?」
「ウワアァッ!!」
「そこまで…驚かなくたって……」
「サ、サーニャ!ごめん!今ちょっと、えっと…そう!瞑想してたんダヨ!瞑想!」
「瞑想?」
「そう!瞑想ダ!坂本少佐に教わったんダヨ!」
「ふぅん。そうなんだ」
「オウ!」
「……」
「……?」
「……」
「…それでサーニャこそどうしたんダ?」
「え?別に…どうもしないよ…?」
「そうカ…」

あれ?なんかまずくね?渡される気配がない。
義理本命とか形以前にもらえな……。
うそだろおぉおおおぉぉぉ!!?

「大丈夫?エイラ」
「アアダイジョウブダ」
「本当に?顔色悪いよ?」
「ナンテコトナイッテ」
「無理しちゃダメだよ?きつくなったら私に言ってね?」
「オウ、アンガト」

サーニャ……。心配してくれるのは嬉しいけどそうじゃないんだ…。
今日はバレンタインだぞ…。


こんな寄り添うくらい近くにいるのになにも無しってことはないよな!?
ない…よな……?

「あ、サーニャちゃーん!はい、チョコレート」
「芳佳ちゃん!ありがとう…。はい、私からも…」
「うわぁありがとう!大事に食べるね!あ、はい、エイラさんもチョコレート」
「あ、アア、アリガトナ」

宮藤にはある、だと……。
これは…終了なのか…。フラグは立ってないと…、そういうことなのか…。

「フフ…うフふふフフふフふふふ……」
「エ、エイラ…やっぱり休んだ方が…」
「イーや、マだまダダ」
「ダメよ、エイラ…。無理しちゃ…」
「ダイじょうブだっテ」
「本当に無理しちゃ…ダメなんだからね…?」

はあ…。もうほんとに寝よっかなー。
隊長に体調が悪いって言って休むか…。
ふふ、隊長に体調だって…。
うん、今日はだめだ…もうムリダナ…。


「サーニャ、やっぱり私寝るよ…。その前に、はい、バレンタインのチョコ。あ、私が部屋戻ってから開けてクレナ…」

「エイラ…」

私があげたらくれるかなと思ったけど最後の希望も打ち砕かれた、か。
でも私はあきらめないぞ。
いつか宮藤からサーニャを取り返してみせる!
……ま、今日はもう気力ないしムリなんだけどなー…。

「あーあ…。宮藤がうらやましいナ…」

ちぇ…水晶玉が黒く見えるぜ…。
あー、このままずっと眠っていたい……。

……。

……は?黒?
いやいやいや…、さすがに黒はないだろ。
いくら心が荒んでいても曇って見えるくらいだろうに…。


ちょ、マジで黒い!
なにこれ?水晶じゃないじゃん。私のどこいった?

というか…これ、チョコレート?
中に何か…。カード?とハートのチョコがいっぱい…。

誰からだ?

『エイラ、いつもありがとう。ずっと一緒だよ。だいすき』

名前…ないけど、サーニャだよな…?
サーニャ…だよな…!

「サーニャ!」


「サーニャ!どこいった?サーニャ!」

「エイラ!起きて平気なの?」
「そんなことより!コレ!」
「あ…。ごめんね、面と向かってだと恥ずかしくて…」
「サーニャ!」
「きゃっ」
「私だって…私だってサーニャとずっと一緒にいたい。サーニャがだいすきなんだ!」

はぁ、はぁ。
…あれ?私、なに言った?今なにしてるんだ?

「ってうわ!ご、ゴメン!」
「なんで謝るの?私、嬉しいのよ?エイラからだいすきって聞けて」
「ま、待ってサーニャ…離してクレ…」
「やぁ。ずっとこうしてる」

な、マテ、これは…フラグ立ってた?
両思いって…ことだよな…?

「エイラ、チョコレートありがとね。ハート型、嬉しかった」
「エ、あ、うん…」
「私のハートも…ちゃんと食べてね?」
「ハイ…」

もうダメだ。チョコまだ食べてないのに鼻血でる。

「ねぇ…もういっかい言って?」
「な、なにをダ?」
「だいすき…って……」
「う…うぅ…」
「ねぇ…エイラ…」
「……サーニャ!」
「はい」
「だいすきダーー!!…――ッ!?」

サーニャの顔が…、サーニャの唇が私の…。
ああ…もう死ぬ…。
もう…意識が…保た…な…。


END


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