無題
『宮藤さん、ちょっと調べてくれるかしら』
ミーナ中佐からのテープの最後に、こんなメッセージが入っていた。
…ど、どうしよう。
これっていわゆる…浮気調査?だよね?
そんなの私にできるのかな。もし見つかったらきっとすっごく怒られるし…
…でも中佐が私に頼んでくれるなんて滅多にないし……これは私にしかできないことなのかな。なんだよね。
よし!宮藤芳佳、坂本さんの浮気調査に行ってきます!!
―――
着いた、坂本さんがいるウィッチの養成所だ。
「そこ、休むなぁ!ラスト10本ッ!」
坂本さんの声だ。懐かしいなぁ。
みんな苦しそうな顔で校庭を走ってる…わかるなぁ、坂本さんの訓練はキツいもん。
……あ、あの子胸おっきい…リーネちゃんやシャーリーさんには負けるけど。いいなぁ~…おっきい…えへへ……
…はっ!違う違う私は浮気調査にきたんだよ!おっぱいに見とれてる場合じゃないって!
ん?女の子が一人転んじゃったみたい。
ああ、おでこ擦りむいちゃったんだ。治してあげたいな、でも出てったら見つかるし…
「どうした、大丈夫か?」
あ、坂本さんが見てあげるんだ。
……さ、坂本さん…顔近すぎます!女の子顔真っ赤だよ!
「これくらい、舐めておけば治る」
坂本さんはそう言ってその子のおでこを…ぺろっ、と!
相手の子ペリーヌさんみたいに真っ赤になっちゃったよぅ。あわわ、周りの子もぽ~っとしてるし。
…そういえば私も、あれくらい顔近付けたことあったな。中佐にバレないようにしなきゃ。
あっ、また転んだ。今度の子は足を捻っちゃったみたい。
坂本さんはまた近づいて……
はわわわ!!お、お姫様抱っこ!!
坂本さんそれはダメです!坂本さんがやるとかっこよすぎます!
ああ、あの子すごく幸せそうだよ…目がキラキラしてる…
「ん?誰かそこにいるのか?」
ぎくっ!!ば、バレちゃった!
「お、お久しぶりです坂本さん!」
「宮藤!どうしたんだこんな所で」
「た、たまたま近くまで来て…その子の怪我、私が看ます!」
「そうか、よろしく頼む」
ふう…なんとか誤魔化せたかな。
でもこんな調査書送って、ミーナ中佐大丈夫かな…
―――
inカールスラント
「ミーナ、宮藤から手紙がきてるよ~」
「ほんと!?ありがとう、貰っていくわ!(バタバタ)」
「…?ミーナ、どうしたんだ?」
「さあ…」
……
「ネウロイだ!出撃準…って、ミーナ!?」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ…出るわ!!美緒の馬鹿ぁぁーーッッ!!」
「ミーナ速っ!!」
その日、ミーナ中佐は音速を超えたそうです。