Ti amo!
ひりつくような暑い日差し。
雲ひとつなくどこまでも続く青空。
絶好の日光浴日和――
のんびりと、あたしはルッキーニと滑走路の脇辺りで日を浴びていた。すごく心地よい。
敵は昨日撃退したばかりでしばらくは現れない筈なので、心おきなくのんびり出来るってものだ。ペリーヌがまた怒っていたが気にしない。
この間――宮藤が遣って来た日みたいに、予期せぬ事態は無いと思う。今回こそは。
そんな感じで、ああ……いい日だ――とか思っている時のことだった。
「ねぇねぇシャーリー、あたし達の耳ってさあ……。聞こえるのかな?」
突如として襲来するよくわからない質問。耳? 耳が、聞こえる?
「ん~ん? 聞こえてるじゃないか、今だって」
これ以外に答えようもない。ルッキーニもおかしなことを聞くなぁ……。
「ウニャァ、そっちの耳じゃないの! こっちこっち!」
そう言って、ルッキーニは黒豹の耳を顕現させた。耳って使い魔の耳のことか、やっと合点が行った。
「これがきこえるか――うん、考えたこともないな」
あたしもウサギの耳を出してみる。けれど特に周りの音が違って聞こえるような感じはしない。
無論、ウサギの耳を引っ込めても変化なし。まだ何とも言えないが。
「でしょ? 試してみない!?」
チェアから身を乗り出してあたしに詰め寄るルッキーニ。キラキラと目を輝かせているのがとても素敵だと思う。
「試すって、どうすんだよ? お前」
「ウジュ~それは考えてなかった~。あたしの耳だけ塞いで、シャーリーが何か話してみるのは?」
「耳を塞いでも、少しは聞こえちゃうんじゃないか?」
「やっぱりそうかな……」
あたしの言葉にに期待に満ちた表情から一転、いきなりヘコんだ表情を彼女は見せる。
ああっと、駄目だ駄目だ! そんな表情はルッキーニには似合わない! OK、あたしがなんとかしよう。
「考えてないのか? 少し待ってくれ、あたしが考えてみるよ」
要は使い魔の耳だけが聞き取れたらいいのだ。さぁ考えろ、考えるんだ! シャーロット・E・イェーガー!
むむむ…………。そうだ! これならイケるかもしれない。
「ルッキーニ。あたしの使い魔ウサギだろ? だからさ、もしも聞こえるなら普通は聞き取れない音でも聞こえる筈なんだ」
「うんうん、それで?」
「あたしがあたし自身の耳じゃルッキーニの声が聞こえない距離まで遠ざかって、それからウサギの耳でその声を聞くんだ――どうだ?」
自画自賛だが中々に名案じゃないだろうか? これなら確実に使い魔の耳が聞こえるかどうかハッキリする。
「おお! すごい、すごいよ! シャーリーってば天才なんじゃない!?」
はしゃぐルッキーニ。それを見て、やっぱり無邪気な笑顔が一番だとあたしは再確認する。これが見れただけでも考えた甲斐があった。
「ヘヘッ、だろ? んじゃさっそく試してみるか。丁度、ここは滑走路だから距離をとるのも簡単だし」
「ウニャッ! あたしが離れるね!」
言い終わる前にもう、ルッキーニは滑走路を駆けていた。あんなに走って転びやしないかヒヤヒヤする。
走り始めてから十数秒。幸い転んだりすることなく彼女は滑走路の半ばで立ち止まり、私に手をぶんぶん! と音がしそうなほどに振っている。
大分、あたしと距離が出来た。
これだけ離れたらもう普通の声量では聞こえない。手を振りながらルッキーニは声を張り上げた。
「いっくよ~! シャーリィ! 耳、だして!」
「イエスマム!」
体に魔力をみなぎらせ、再びウサギの耳を顕現させる。しかし、たぶん今のままではこのウサギの耳が聞こえることは無い。
あたしは魔力を顕現した耳に集中させることを強く意識した。
「シャ―――だ――き。……どう? 聞こえたーッ!?」
何かを言ったかおぼろげながら分かった。もう少しで完全に聞こえるようになるかもしれない。
頑張ってくれよ――使い魔にそう念じる。
「それらしい感じはした! もう一度頼む!」
「うん! もう一回!」
目を閉じて、意識を研ぎ澄ます。あたしは音速に挑む時の如く真剣になっていた。
第二の耳に全魔力を集中させる。
「シャーリーだいすき!」
聞こえた! 間違いなくルッキーニは言った。あたしのことが、大好きだと!
別に特別な意味がある訳じゃない、それは分かっている。それが分かっていてもたまらなく心が浮き立つ。何かに目覚めてしまいそうだ……
ああ、あたしが“だいすき”かぁ……。うへへへ。
「今度はどう!?」
――おっと、危うくお花畑に行くところだった。伝えないとな、ばっちり聞こえたって。
「どうって? ああ! 聞こえ――」
いいや、待てよ。もしも聞こえないと言えば……また言ってもらえるのか! だいすき、と。
魅力的な考えだ。ものすごく魅力的だ。
嘘をつくのはいけない――そう叫ぶ良心が自身の欲望に組み伏せられているのを感じる。
「聞こえ?」
はつらつとしたルッキーニの声。さっき組み伏せられたばかりの良心が再び立ち上がろうとする。だが――
「なかった! 悪い、再チャレンジだ! な~に! 今度はうまくいくさ!」
結局欲望に負けてしまった。情けないぞ、あたし。
「いくよッ!」
「さぁこい!」
数十メートル先から、二度目となるその言葉が発せられた。
「シャーリーだいすき」
うはぁ……たまらない。何かもう叫び返すべきだな、あたしもだいすきだーッ!って。
でも、その前にあと一回だけ聞いておこう。一回で済む自信はないが。
「ううん駄目だ……。ルッキーニ、少し近づいてくれ! 三度目の正直だ!」
「そっか、頑張って! シャーリー!」
ルッキーニはあたしのことを疑いもしない。それどころかあたしに頑張って、とさえ言ってくれた。
やっぱり駄目だ、ここらで止めよう。ルッキーニの無邪気な心に付け入るなんて始めから考えてはいけないことだったんだ。
「シャーリーだいすき」
これで、聞き納め。猛烈に名残惜しいけどしょうがない。
と言うか、まだ十二のルッキーニにさっきから何をときめいてんだよ……一歩間違えたら、いいや間違えなくても犯罪じみてるよなぁ……。
「聞こえた!?」
「おう! やっと――」
「オイ、さっきからな~にしてるんダ?」
答えようとしたあたしの後ろからエイラが現れ、無遠慮に胸に手を回した。すごく手慣れてやがる……意中のあの娘が泣いてるぞ?
「うわぁ!? いきなりなんだよ、エイラ!?」
胸は許さないことも無い、それよりも、また聞こえたと言い損ねた。あいつめ、一体どこから、いつの間にやってきたんだ? 多分聞き取りに集中してて気がつかなかったんだろうが。
「あッ! エイラ、どしたの?」
「見学に来タ!」
エイラにルッキーニも声をかけた。それにエイラも答える。……あたしの質問に答えろよ!
「こら、質問を無視するな」
「イヤァ何って聞かれてもナ……。私はサーニャが起きるまで退屈しのぎに、格納庫でストライカーの整備をやってたんダヨ。そしたら外で聞こえたとか、聞こえないとかお前らがさわいでたからカラ」
「見物に来たってことか」
まったくこの暇人め。あたしだって人のことは言えないけどな。
「そーゆーコト。――で何してんダヨ?」
「ああ、それは……」
「お~い、シャーリー! 聞こえたのーッ!?」
いかんいかん。ルッキーニの事を忘れていた。でも、先ずはとりあえず暇人を静かにさせるか、ほっとくとうるさそうだし。
「ちょっとタイム! エイラに今やってることを説明するからさ!」
「早くしてよーッ!」
「わかってる!」
あたしはエイラの方に向き直って、今までのことをざっと説明した。
「かくかくしかじか……と、言うことで実験してた。今、ルッキーニに少し近づいてもらったところさ」
「便利な言葉ダナ、かくかくしかじかッテ」
「は? かくかくしかじか?」
説明の時そんな言葉は使ってないんだけどな?
「……いや忘れてクレ。触れちゃいけない部分ダッタ」
変なの……。あたしは改めてエイラの不思議っ娘ぶりを確認することとなった。
「なんだよ? まぁ、もうこの実験の結論は出たよ。――シャーリーだいすき! そう言ったんだよな!? ルッキーニ?」
ふりかえり、自信を持って答える。三回も聞いたんだ、間違う訳がない。
「大正解! やったね、シャーリー!」
「よっしゃ! 実験成功!」
自分のことかの様に跳ねまわって喜ぶルッキーニ。
いいなぁ、すごくいい。愛らしくって元気一杯で……なんかこうさ、ドキドキするよ。後ろに居るエイラじゃないけどさ。
やっぱりあたしは俗に言うロリコンってやつなのかな?
そんなあたしに、無邪気とは対極にある笑顔でエイラが目の前へ回り込んで来た。
この顔はロクでもないことを考えている顔だ、それも間違いなく。
「どうしたよ、エイラ? その邪悪な笑顔は?」
「シャーリーだいすき、ネェ――。お前、わざと間違えて何回も言ってもらったりしてナイカ?」
ぎくり!
おかしいな、エイラの魔法は読心だったっけ? 違う、未来予知だ。おいおい、鋭すぎだろ!? 自分の周りのことには信じられないくらい鈍感なクセして。
「ハハハ……。そ、そんなわけないだろー?」
「その反応、間違いナイナ。素直に白状したらドウダー?」
あたしの動揺を敏感に嗅ぎとったエイラは追及を緩めない。
「デタラメ言うなッ! あたしは潔白だ!」
「ほほぉ~いいさ、吐かないなら私にも考えがある」
不気味な捨て台詞を残して、エイラはまだ嬉しそうにしているルッキーニのもとへと向かう。危険だ! 止めなければ!
「エイラッ! 何をする気だ!?」
「見てたらわかるヨ」
「くそう……させるか!」
「ムリダナ、私は止められナイ」
あたしは必死にエイラを捕まえようとしたがことごとくよけられてしまう。
結局、予知能力者の彼女を捕まえられるはずも無く、ルッキーニへの接触を許してしまったのだった。
何だ、何をする気だエイラ!?
「どうやら聞こえたみたいダナ、ルッキーニ」
「うん! エイラも見たでしょ!」
「確かに見た、デモナ……私はシャーリーが結果をごまかしている気がするんダ。本人はみとめてないガナ」
「ごまかし? 何かしたのッ? シャーリー?」
いぶかしむルッキ-ニの視線が痛い。正直エイラの言ってることは間違ってないからな……。かといってここで認めたらお終いだ。
「あ、あたしは無実だよ! 信じてくれルッキーニ」
「うん、そうだよね? ――エイラ! シャーリーが変な事をするはずないよ!」
「もちろん私も信じてるよルッキーニ。でもシャーリーの潔白は追加で簡単な実験をやるだけで証明できると思うんダナ。なぁに簡単な実験だよ、ちょっと耳を貸してクレ」
よせ、よすんだルッキーニ! そいつの戯言に耳を傾けるんじゃない!
おかしな流れになってきた。うう……なんでだ……。
「ゴニョゴニョ……。これだけでいいゾ」
「ウニャ……それいうの?」
「別に心から言うことはナイ、大丈夫大丈夫」
あたしがには聞こえないように細心の注意を払ってエイラはささやいている。一体どんな企みをルッキーニに吹き込んだんだ?
「やってみるけど、シャーリーがごまかしなんてする訳ないよ! それをハッキリさせるかんね、エイラ」
「そうなるとイイナ。それじゃあシャーリー、もう一度実験ダ」
何を企んでいるにしても、あいつの思い通りにはさせない! みてろよエイラッ!
エイラの実験はとても単純。
あたしが聞こえないと言った、つまりルッキーニが近付く前の距離で、エイラの指定した三つの言葉が聞こえるかどうかを測定すると言うもの。
もしもその距離で聞こえたならあたしはルッキーニにウソをついていたことになる……。
怪しい、単純すぎる。この実験、あたしが聞こえないと言ったら、あっさり潔白が証明されるじゃないか。
それがわからないエイラじゃない、何をしてくるかわからないけど気をつけないとな。
「シャーリー! 準備いい!?」
「大丈夫! 言ってくれ!」
エイラはあたしの後ろでなりゆきを見ている。……何をする気だ?
「せぇのッ! シャーリーなんてだいきらい――聞こえた!?」
ぐっは! だいきらい!? そんな……あんまりだ。聞こえた瞬間殴られたような感覚さえあったよ……これはキツイ。キツイが、聞こえなかったと言えばいい。これであたしの勝ちだ!
「いいや、聞こえなかったよルッキーニ! どうだ聞こえる訳ないだろエイラ! 始めからごまかしてなんか無いんだから!」
あたしの言葉を無視してエイラはおもむろに立ち上がって、ルッキーニに叫んだ。
「ルッキーニ! じゃあ二つ目ダ!」
そうだった。この実験、三回目まであるんじゃないか!? ってことはあと二回はルッキーニになじられる訳だ……。ジーザス! あたしはまんまと罠にかかった!
ルッキーニにきつい言葉を浴びせられるってのはあたしにとってどんな拷問よりも苦しい。とてもじゃないが耐えられない。あたしはなじられて喜ぶとか、そういう結構なシュミは持っていないのだから。
……ああ、わかったよエイラ。あたしの負けだ。
「ストップ! ごめん! 聞こえたよ、聞こえたんだルッキーニ! だからもう――だいきらいなんて止めてくれ!」
「シャーリー、聞こえた? 違うよ!? ほんとはだいきらいじゃないよ!?」
嘘がばれてしまった……。すっとんで来たルッキーニにあたしはどんな顔をすればいい?
「嘘、ついちゃったな。その……ほんとにごめん、ルッキーニ」
「嘘はさ、よくないけど、いいよッ! 別に! だから悲しい顔しないでシャーリー」
どうしてお前が悲しいそうにするんだ? 駄目だ、そんな顔は似合わない。
天使って言葉がルッキーニはぴったりだと思う。嘘つきで、しかもだいすきって言われて舞い上がっちゃうロクデナシのあたしでもゆるしてくれるんだから。
「やっぱり嘘カ、このロリコン」
「ぐうぅ、やってくれたなエイラ……」
「へへへ、嘘つきはこうダ!」
「うああ! 馬鹿! 胸を揉むな!」
ちょっぴり重くなった空気はまたたく間に消え去った。最初からこれが目的だったと思わせる勢いで揉んでくる。
「ちょっとエイラ! これはあたしのー!」
対抗するな! まずは止めろよルッキーニ!
「とりあえず揉むなって!」
もう訳がわからない。どうしてこんなことに? もちろんあたしも悪いが、もとはと言えばこうなったのはエイラの悪逆無道な罠のせい。おお、神よ! この性悪キツネに天罰をッ!
「エイラ、またそんなことしてる……」
「げぇ! サーニャ!?」
そう祈ったのが功を奏したのか? はたまた運命のいたずらか、ゆらりと現れたのはサーニャだった。
気配を消すことに定評があるサーニャだけど、誰一人気がつかなかったのは、どちらかといえば私たちみんなが胸に集中していたからだろうな。
さぁどうするエイラ。あたしの胸を揉みまくってたのをモロに見られたぞ?
「アノ、エエット、サーニャ? ナンデココニ?」
少し前のエイラにあたしが聞いたことと同じ内容。違っているのは状況、そして相手がかなりご立腹なこと。
「起きた時、エイラが居なかったから、会おうと思ったの」
居なかったから会おうと思った――堂々と言ってくれるね。サ-ニャに会いたいと思われることの価値を、意味をエイラは理解しているのかは疑問だけど。
「私に会いたかった? それもナンデ?」
「エイラになんか、教えない」
やっぱり理解してないよ、このヘタレ!
「それで探してたら格納庫に行ったって芳佳ちゃんに教えてもらったの……それで行ってみたらエイラがシャーリーさんの胸をもんでた。嬉しそうに。前、やめて欲しいっていったのに」
「サーニャ、私ハ――」
「何? 胸の無い私なんかに興味はないでしょ」
骨まで凍ってしまうような冷たい言い方に関係のないあたしもルッキーニも震えあがった。相当怒ってるな、ありゃ。
エイラのヤツ蒼ざめて今にも泣きそう……。助け船は出してやらん。さっきのおかえしだ。
「サ、サーニャァ」
そのまま去っていくサーニャをエイラ、そしてあたしとルッキーニはなす術も無く見送った。
「ウ、ウアァァァ……二人とも……私は、私はどうしたら……」
暗ッ! 目を離したら身投げでもしてしまいそうで怖い。
「ひたすら謝ってこい、それしかないと思うぞ」
「ま、負けるな! ファイトファイト! エイラッ!」
「アア、さよなら……二人トモ……」
ほんの少しの間で一気にボロボロな彼女に、あたし達のかけた言葉は効果があったとは思えなかった。くじけるなよ、エイラ。
「……ひなたぼっこにもどろう? シャーリー?」
「そうするか……」
ただ、さっきみたいに心の奥底からのんびりできそうにもない……。
×
それからは多少その後のエイラが気になったが、また実験前みたいにただあたし達はひなたぼっこをしていた。
あの時、ばれてしまった嘘はうやむやになってしまったみたいで、ルッキーニは何も言わない。不幸中の幸いだ。
「そうだッ! すっかり忘れてた!」
「どうした?」
まさか、な。何を忘れていたのかは予想できる……。頼むから外れろ! あたしの予想!
「なんで嘘ついたのさ! シャーリー!?」
あっちゃぁ……よくあることさ、悪い予感に限って的中するってのは。
「あ、ああ、うん。それはその……」
さあ、どうする? どうすんのよ、あたし。
「ちゃんと答えてよ!」
「わかってる」
よし! あたしの国の初代大統領は桜の枝を折ったことを正直に答えて許された。あたしもそれに習おうじゃないか。
「う――」
「う?」
ルッキーニが私を覗き込んでくる、なんだか近いぞ、ルッキーニ。
「うれしかったんだよッ! だいすき~なんて言われちゃってさ! だから何回も、聞きたかったってだけだ!」
「なあんだ、そんなこと?」
拍子抜けされた。な、なんだよ? あたしにとっては結構勇気がいる発言だったんだぞ? 社会的にも。
「ヘンなシャーリー! だいすきなんて、わざわざ嘘つかなくても言うよ? シャーリーにならッ!」
「言うのか?」
「シャーリィ、すきすき! だいすき! ティ、アーモ! もっと言ってほしい?」
「言ってほしい!」
最高だ。もう嘘なんてつかない、つく必要もない。あたしもルッキーニのように素直な生き方をしよう!
――そして。あたしが、堅物の称号であるシスコンに続いてロリコンの称号を得たのはその日から間もないことだった。
了